第2話勇者と聖剣


「お前たち騎士や勇者は民を守るために必ず魔物とは戦うことになる。そこで実際に魔物を討伐するまでの経験を積んでもらう。よって明日から城を出て東部に位置する要塞都市ヌコに遠征へ行く」

「準備をしておけ」

「勇者は王様から聖剣を授けられるから準備をしておけ」

ある朝そんなことを騎士団長に言われた。

準備をしておけって2回分言われたな、大事なことだからかな。

そしてついに聖剣を渡されるらしい、王の謁見の間に行く必要があるらしい。遅れるのは定番だろうから逆に早く行ってやろう。

「勇者よお主に聖剣を預ける、この国のためにあの魔王を倒すため、これからも励みたまえ」

「私にはもったいないお言葉、より精進して参ります」

特に何事もなく終わった。あげるとするならば、少し早く始まって早く終わっただけである。

なぜ聖剣と呼ばれているのか騎士団長に聞いてみるとそんなことも知らないのか、と呆れつつ教えてくれた。

「聖剣とは初めて魔王が出現した際に勇者となったラティス様が大陸中の鍛冶職を集め作らせた剣であり、その剣は魔法でもかかっているかのようにすべてを切ることができる剣だ。勇者になるんだからこれくらい知っておけ。」

余計な一言があったがよく分かった。

つまりよく切れる剣である。弓で聖剣を越えるにはどうすればいいかが課題である。そこで一つ案が浮かんだ、魔法のような剣なら武器に魔法をかければいいじゃんと。しかし遠征に行くため今すぐ魔法を学ぶことは難しそうだった。

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