帰国

金曜日、真っ青な空の下、卒業式は午後二時から始まった。先生方の短い祝辞、卒業証書――黒革のケースに納められた――の授与、閉会式の挨拶。リズミカルなスピードで進んだ式は、気がつけばあっという間に終わっていた。厳かな重々しい雰囲気など一切ない、とても簡素な英語学校の卒業式。

「カナ、卒業おめでとう!」

「二人ともおめでとう!」

 いつもはジーパンにセーター姿がトレードマークのスーザンやジュリアも、この日ばかりはドレスできめていた。

「二人は明日からどうするの?」

 会場の端に用意されていたテーブルへ移動すると、私は訊いた(サンドイッチやケーキ、お菓子にドリンクなどの軽食が用意されていた)。

「あと一週間ぐらい滞在して、色んなところを見て回ろうと思っているの。またいつここに来られるか分からないしね」

 スーザンがこたえ、そうそう、とジュリアがうなずいた。

「カナたちは?」

「私たちは日曜の朝の飛行機で日本へ帰国」

 言った瞬間、胸の奥がずんと重くなった。

「そっか。じゃあもうすぐだね」

 ジュリアは言い、取り分けたケーキを口に入れた。

「ねえ、いつかスイスへ行ったら遊びに行ってもいい?」

話題を変える必要があった。「帰国」という文字が私の心を締め付ける前に。

「もちろんじゃない! そうなったらうちに泊まりに来てよ! ホテルなんかに泊まらないでよね!」

 スーザンは満面の笑みを浮かべてこたえた。また絶対に会おうね、約束よ。私たちはもう一度ハグをしてかたく誓い合った。

 パーティはいよいよ盛り上がった。そこかしこでハグをしたり、写真を撮ったり、連絡先を交換し合ったりと、限られた時間の中でみんなはそれぞれに思いの丈を分かち合っていた。

「カナ、卒業おめでとう」

 しばらくしてルイが私の横に来た。

「ルイもおめでとう」

 いつもと同じように振舞おうと、腕を広げてハグの身振りをした。するとルイは歯を見せて笑い、いきなり私を抱きかかえると、

「誰か写真撮ってー!」

 と、声を上げて会場を歩き始めた。

「ちょっと、ちょっと、ルイ。下ろしてよお!」

 私は足をバタつかせた。でも、夕べのことがシコリにならず、いつものように接することが出来たことに私は胸を撫で下ろし、顔がほころんだ。ルイの突飛な行動にみんなは歓声を上げ、会場は笑いで包まれた。

「カナ、アンドリューが来ているよ」

 私に近づいてきた知美がにこにこしながらおしえてくれた。

「えっ?」

 式の時間には授業があるから来られないとアンドリューは言っていたはずなのに。

「ホントに?」

「ほら、あそこにいるよ」

 知美の指さした方に目をやると、会場の入り口に確かに花束を持ったアンドリューが微笑みながら立っていた。

「ルイ、下ろして。アンドリューが来ているの」

 私はすぐにでも駆け寄りたかった。でも、ルイは私を抱きかかえたままアンドリューの方へと歩き出した。

「ルイってば、下ろしてよ。こんな格好、恥ずかしいじゃない」

「大丈夫だよ。それにちゃんと挨拶しておきたいんだ、カナの彼氏に」

 ルイはにこやかに笑って言った。

「カナ、卒業おめでとう!」

 私のかかえられた姿に目を細めて言うと、アンドリューは鮮やかな花束を私に差しだした。

「ありがとう。でも、授業はどうしたの?」

「カナにおめでとうを言いたくて、サボって来ちゃったよ」

肩をすくめて笑った。

「アンドリューったら」

アンドリューの優しさに酔いしれる間もなくルイが大きく咳払いをした。

「あ、紹介するわ。アンドリュー、彼がルイよ」

「やあ、ルイ。君があのおもしろくていい人のルイだね」

 アンドリューの言葉にルイは目を大きく見開いて私を見た。

「だって本当のことじゃない」

 笑って言うと、ルイはようやく私を下ろし、

「やあ、アンドリュー。ちゃんと会うのは初めてだね。よろしく」

 と、とても紳士的に挨拶をした。

「こちらこそ」

 アンドリューもにこやかにこたえ、二人は力強く握手を交わした。

 私の愛するアンドリューと心から大切と思える友人のルイが笑顔で向き合い、握手を交わし合っている。その姿に私は一人、興奮していた。

「何?」

 ルイはそんな私を見て不思議そうに言った。

「ああ、こんな日が来るなんて。二人を見ていると『男の友情』って感じがして、なんかとってもステキ!」

 私は胸に手をあてて言い、はあ、と、大きな息をつくと、再び感動の余韻に浸った。アンドリューとルイは互いの顔をもう一度見合わせると、無言のまま笑い出した。

――カナって天然入っているでしょう。

 そんな言葉、私にはもうどうでもいいことだった。

 ただたまらなく嬉しかった。


 翌日、良枝、敦子、私の三人はアンドリューの車でイザベルの家へ向かっていた。昨日、卒業式に顔を出したイザベルが、ホームステイ体験で世話になっていた私たち六人全員を最後の食事会に招待してくれたのだ。でも、アメリカ滞在最終日という事もあり、加代子、貴美子、知美の三人は既に予定を立てていた。結局、イザベルの招待を受けたのは残りの私たち三人だけだった。イザベルは、六人全員が揃わないのは残念だわ、と言いながらも、私たち一人ひとりを抱きしめて卒業を祝福してくれた。そのとき、私はイザベルにアンドリューを(私の大切な人として)紹介した。二人は握手を交わすと、イザベルは彼女らしい接し方――誰に対しても広い心と愛を示す――で、カナの大切な人ならあなたもいらしてね。多いほうが楽しいもの、と、アンドリューも招待してくれた。

 イザベルの家は寮から十五分ほど西へ行った、ジャックマフィースタジアムが見下ろせる、小高い丘の上の閑静な住宅街の一角にあった。そこは治安もとても良い、中流階級のエリアだけに立派な家ばかりが建っていた。

「イザベルたちはなかなかいいところに住んでいるんだね」

 坂道にさしかかりアクセルを踏みこむとアンドリューは言った。

「ホント。こんなところに良枝たちは住んでいたのね。羨ましい」

 まるでドラマに出てくるような家並みが続く。

「カナたちは大変だったもんね」

 敦子がポツリと言った。隣で良枝も、そうそう、と、思い出したようにうなずいた。

「その話は初耳だな。何があったの?」

 アンドリューは気にした様子で私を見た。

「まあ色々とあってね」

 思い出したくない苦い体験に、口を濁して私はこたえた。

「みんなよく来たね。中へ入って」

私たちが来るのを今か今かと待っていたかのように、(私たちがドアをたたく前に)ホストパパのハビエルがいきなりドアを開いて言った。そして、コンニチハ、ワタシ、ハビエルデス、と、にこにこしながら――敦子たちに教えてもらったであろう日本語で――私たちを歓迎してくれた。

イザベルの家のインテリアはどれもブルー系のとても爽やかな色調で統一されていた。所どころに置かれた観葉植物が部屋全体の雰囲気をうまくまとめていて、とても和やかな気持ちにさせる。食事はメキシコ人の家庭らしく、様々なメキシコ料理がテーブルを飾った。日本食と同じぐらいにメキシコ料理が好きだというアンドリューは、テーブルに並べられた料理を見て、どれも美味しそうですね。まるでレストランへ来たみたいですよ、と興奮気味にイザベルに言った。

「イザベルは料理上手だからどれも美味しいのよ」

 敦子が自慢気に言うと、

「私は特にこのメキシコ風ラザニアがお気に入りなの」

 と、指さして笑った。

「そうだったわね」

イザベルが相づちを打ち、最後の料理をテーブルに置くと、席についた。

「さあ、みんな、お祈りをするから手を握って」

 全員が食卓を囲むとハビエルはそう言って、両隣に座っているイザベルとアンドリューの手を握った。私たちも言われたように手を握る。そして、目を閉じた。

「天にいます私たちの父よ、今日、このように食卓を囲み、恵みに与れることを感謝いたします。ここにいる三人の娘たちは明日、日本へ帰国します。三ヵ月という短い期間で、多くのことを学べる機会を与えてくださったことに感謝いたします。これからの彼女たちの未来があなたの導きのもと、築いていくことが出来ますようにお見守りください。アーメン」

 ハビエルの心のこもった祈り。泣いても笑っても明日、私たちは帰国する。私たち三人の目には涙が溢れていた。


 食卓は美味しい料理と楽しい会話で盛り上がった。イザベルたちの馴れ初めの話や、生まれ故郷のメキシコの話。敦子や良枝のサン・ディエゴで得た経験の話や、アンドリューの大学生活の話。そして、話題は私の今後の話になった。

「カナは今度いつここへ戻ってくるか、大体のことは決めたの?」

 イザベルが食後のミントティにミルクと砂糖を入れながら訊いた。

「カナ、戻ってくるつもりなの?」

 良枝は驚いて私を見た。

「まだはっきりいつとは言えないけど、日本の大学を卒業したら、こっちの大学に入りたいなって思っているの」

 アンドリューも驚いたように聞いていた。

「だって、もっとちゃんと英語が話せるようになりたいんだもの」

 私は言ってミントティをひと口飲むとアンドリューに微笑んだ。スゥーっとした爽やかな香りが口いっぱいに広がる。アンドリューも笑みを浮かべて私を見つめ返した。

「そのときはここに住めばいいよ」

 ハビエルの言葉に、私の隣に座っていたラネーレは、

「そうなったら嬉しいな」

 と、私を見上げ腕をからめた。

「じゃあ、そうなるように祈っていてくれる?」

「うん。分かった。今晩からお祈りするね」

 ラネーレの素直なこたえにみんなの顔に暖かい笑みがこぼれた。私はラネーレを横から抱きしめると、ありがとう、と、微笑んだ。

「そろそろ戻らないと」

 時計を見て、敦子が名残惜しそうに口を開く。時間は九時を回っていた。

「そうね。明日はかなり早いフライトなのよね?」

 イザベルは言うと席を立ち、台所から包みを持ってきた。

「はい、これをあなたたちに。今朝、私が焼いたクッキーよ」

 私たちはそれぞれに受け取り、最後に一人ずつ別れのハグをした。敦子と良枝はその場で泣き崩れ、長い間みんなと抱き合っていた。

「カナ、戻ってくる日が決まったら必ず連絡してね。待っているわ」

 助手席に乗り込む私にイザベルはもう一度念を押して言った。

「ありがとうございます。必ず連絡します」

 私は心から礼を言い、もう一度ハグをした。

「アンドリュー、あなたはまだここにいるのよね? たまには遊びにいらっしゃい」

「ありがとうございます。是非また伺わせていただきます」

 アンドリューは最後まで紳士的に振る舞い、両手で握手をしてこたえた。

「あ、それからね」

アンドリューが車のドアに手をかけると、イザベルは慌てたように彼を呼び止め、耳元で何かをささやいた。

「大丈夫です。約束します。安心してください」

アンドリューはこたえて柔らかい笑みを浮かべると、車へ乗り込んだ。


 寮へ着くと敦子と良枝はアンドリューにハグをして別れ、まだ終わっていないパッキングをするために早々と部屋へ戻って行った。

「これからカナの部屋へ行ってもいいかな? トモミにもお別れを言いたいしね」

「ええ、もちろん」

 週末の土曜日でまだまだ人の出入りで騒がしい寮の廊下を通りぬけ、私たちは部屋へ戻った。ドアを開けるとそこに知美の姿はなく、既にパッキングし終わったスーツケースがベッドの横に置かれていた。

「トモミはまだ出かけているみたいだね」

 ドアを閉めながらアンドリューは言った。

「ひょっとしたら今夜は行ったきり戻ってこないかもしれないわ」

「どこへ行ったか知っているの?」

 夕べ、ベッドに入ったとき、知美は私に打ち明けた。

「私、明日マークと一緒に一晩過すことになったの」

「過すって?」

 真っ暗な部屋の中、妙に私の声が響く。

「ベッドで一緒に過すっていうこと」

 知美は淡々とこたえた。

「それって、メイクラブするっていうこと?」

 うん、と、うなずくと、知美はしばらく何も言わなかった。

「後悔しない? 本当にいいの?」

 私は確かめるように訊いた。

「うん。好きだから後悔はしない」

 知美は決意をかためたようにきっぱりと言った。

 アメリカへ来たとき、私は結婚するまではバージンを守りたいと思っていた。体の関係よりプラトニックラブこそが一番大切だと信じていた。でも、その自分の信じていたものが果たして正しいのか、気持ちにずれも生じていた。誰かを心から愛すると、その人の全てが知りたくなる。それが当然の感情なのかもしれない。

――カナもいつかそう思えるときが来るよ。

 ルイが随分前に言っていた言葉の意味が、ようやく理解出来るようになっていた。だから知美の決めた決断に異を唱えることなど、私には出来なかった。

「知美が後悔しないなら、私は何も言わないよ」

「ありがとう、カナ」

 知美は本当に嬉しそうにこたえた。

「多分マークのところ。夕べ、知美はマークのところで今夜過すって言っていたもの」

 私が言うと、アンドリューは苦笑いして、

「そうか」

 と短く言った。

「アンドリューはどうする?」

「えっ?」

 驚いて私を見た。

「あ、そういうことじゃなくて……、これからどうする? もう帰らなくちゃダメ?」

 二人とも同じことを考えていたことが分かり、一気に恥ずかしさがこみ上がった。

「カナはどうしたい?」

 柔らかい笑顔でアンドリューは訊いた。

「アンドリューと一緒にいたい。ずっと一緒にいたい」

私はアンドリューを真っすぐに見つめてこたえた。

「じゃあ朝まで一緒にいよう」

 腕を広げて優しく私を抱きしめた。

「ほんとう? 本当にいてくれるの?」

「本当だよ」

 それから優しく唇を重ねた。

「ここでの生活は快適だった?」

 しばらくして、ベッドの上で壁にもたれてくつろいでいたアンドリューが訊いた。

「うん、とっても。ただ一つ不満だったのは、部屋に電話がなかったことかしら」

 最後の荷物をスーツケースに入れて蓋を閉めると私はこたえた。

「それは言えているな」

 アンドリューは冗談めかせて言い、私たちは二人して笑った。机の上もクローゼットの中も全て片付けられ、寂寞とした部屋の中に私たちの笑い声が心地よく反響した。

「はい、これ。私からの感謝と愛のしるし」

 鞄から小さな包みを出すとアンドリューに渡した。アンドリューはにっこり笑って受け取ると、何かな、と言いながら包みを開いた。

「カナ、こんな高価なものはもらえないよ」

 驚いた顔のアンドリュー。

「でも、それ、元々は私のネックレスなの。ちょっとごつくて私、全然使ってなくて。だからこの前、お店でブレスレットに変えてもらったの。ホラ、見て」

 私は自分の腕にはめてあるもう一つのブレスレットをアンドリューに見せた。

「お揃いでつけていれば、遠くに離れていてもつながっていられるような気がして……。でも、迷惑だったね。ごめんなさい」

 押し付けがましい自分の行為に急に後悔の念が沸く。袖口の奥へブレスレットを隠した。そんな私を見て、アンドリューは柔らかい微笑みを口もとに浮かべると、

「そうか。これは日本からはるばる渡ってきたカナのネックレスなんだ。それじゃあ大切に使わないとな」

 と明るく言って腕にはめた。

「どう? 似合う?」

 アンドリューは本当に優しい。

「うん、とっても」

 笑みをたたえて隣に座った。

「ありがとう、カナ。大事にするよ」

 心に沁みるような柔らかい声。アンドリューはブレスレットを触っていた。

「でも、これがなくても心はつながっているよ」

「うん。分かっている」

 私は小さくうなずいた。

「人は目に見えるものや、形あるものが確かなものだと思いがちだけど、本当のものは案外、目に見えないところにあったりするものなんだよ」

 私の肩に腕を回すとアンドリューは静かに口を開いた。

「だけどこれを見るたびに、カナの愛を感じられるのも事実だね」

 それから笑ってウインクをした。

「ありがとう」

 私はアンドリューの頬にそっと唇を押しあて、肩にもたれると目を閉じた。

時刻は既に夜中の一時を過ぎていた。

「少し横になろうか?」

疲れが見え始めた私にアンドリューは言った。

「でも……」

 返事に詰まると、

「何もしないから心配しなくて大丈夫だよ、カナ」

 と耳元で優しくささやいた。その言葉に嬉しいような寂しいような複雑な心境になった。

「イザベルともさっき約束したしね」

 目を細めて私を見た。

「彼女はあなたに何を言ったの?」

「カナを本気で愛しているなら、カナが傷つくようなことはしないでほしいって言われたんだ」

 アンドリューはこたえてセーターを脱いだ。

「彼女はカナのことを本当に大切に思っているね。本当のママのようだよ」

「ええ、彼女に出会えて私は本当に恵まれているわ」

イザベルの私を気づかう言葉に心が暖かくなった。

アンドリューは脱いだセーターを椅子に掛け、真面目な顔つきで私の前に座ると、カナ、と言って両手を握り、穏やかに口を開いた。

「愛していると言って、メイクラブをすることは簡単なことだよ。そうやって確かめ合うことも一つの愛の証かもしれない。でも僕は、それは男の身勝手な考え方だと思うんだ」

 そして、はにかむように微笑むとアンドリューは続けた。

「カナには分からないかもしれないけど、好きな人を目の前にして愛し合わずに我慢をする事は、男にとって本当に大変なことなんだよ。だからこそ、その我慢が今僕に出来るカナへの一番の愛の証だと思ってほしいんだ」

 たった三つしか年が離れていないとは思えないほどアンドリューはとても大人だ。どうしたらこんなにも冷静でいられるのだろう。私にはどう背伸びをしてみても追いつけないほどに器の大きな人だ。私は尊敬と信頼の念でアンドリューを見つめた。

「明日からはしばらく会えなくなる。でも、ゆっくり焦らずお互いを信じて、次にまた会える日を待とう。いいね?」

「ありがとう、アンドリュー」

 私は深くうなずいた。

「でも、僕はカナがすぐにでもここへ戻ってくる、そんな気がするよ」

「そうできるように日本へ戻ったら準備をするつもり」

 互いに微笑み合うと、どちらともなく口づけを交わした。

 会えなくなる寂しさや不安ではなく、次に再会することへの喜びと期待が私の胸の中に溢れていた。

――アンドリューのカナに対する態度を見ていたら、絶対に裏切らない人だって分かるもん。

 知美が言っていたように、私も心からそう信じられる。

 私はアンドリューの広い胸に顔をうずめて数時間の眠りについた。


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