第20話、コンピラ
”ウズシオ”を見た後、元香川県に回り込んで”瀬戸大橋”も見ていくことにする。
瀬戸大橋の近くまで来た。
鳴門海峡大橋と同じように、道路は海面の下だ。
「”こんぴら八幡宮”も”いづも”に行ってるね」
(でも、本殿は高いところにあるから、水没してないんだよね)
「やはり、航海の安全は”こんぴら八幡宮”だよね」
メグミが、紐を着けて胸元に入れているお守りは、”こんぴら八幡宮”のものである。
◆
そのまま北上し、”いづも”上空に着いた。
半ばまで海水に浸かった大鳥居の向こうに、”いづも大社”が停泊している。
その周りを、大小さまざまな”神社”が駐艦していた。
「来てた、来てた。よかったよ~」
ひと際大きな艦に、飛行艇を近づけた。
◆
氏子防衛用打撃神社群、やまとたける級2番艦、超・超弩級戦艦型神社、”こんぴら八幡宮”
主砲、46センチ4連装砲を2基、8門。艦前部に配置。
他、兵装多数。
後部に、垂直機用の飛行甲板がある。
人民や氏子を、精神的にも、物理的にも守るために配備された、”打撃神社群”の中でも特に巨大な艦で”航海の安全を守る”こんぴら八幡宮”の名に恥じないものになっている。
その巨艦故、スーパーハリケーンを、”避難潜水”なしで乗り越えることが可能。
圧倒的火力で、タイタンホエールの群れを実力で排除することができる。
姉妹艦である、打撃神社群、旗艦、”やまとたける”は主に東日本を、”こんぴら八幡宮”は西日本を守っている。
◆
少し離れた所に、超弩級戦艦である、”いつくしま神社”も来ていた。
”こんぴら八幡宮”に負けず劣らずの巨艦である。
主砲の46センチ3連装砲が前部に2基、後部に1基、搭載されているのが特徴的だ。
「見て。”いせ神宮”も来てる」
「本当だ」
近くに、古式ゆかしい、飛行戦艦型神社”いせ神宮”が駐艦していた。
「乗艦してみたいけど、ついで参りはいけないんだよね」
メグミが残念そうな顔をする。
「……来年も一緒に来たいな……」
ナンバが小さくつぶやいた。
「えっ」
聞こえたメグミが、顔を赤く染める。
つぶやきが聞かれたことに気づいたナンバが、同じく顔を赤く染めながら、
「付き合ってくれないか」
はっきりと声を出す。
「……はい……」
メグミが答えた。
”こんぴら八幡宮”につづく桟橋に飛行艇を止めるとき、動揺で少しふらついてしまったメグミである。
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