第4話 妖精の女王ミア
ようやく妖精の女王の待つ
「よく来ましたね。私が妖精の女王ミアです」
玉座からデリルとネロに向かって威厳のある声でミアは言った。大きな部屋だが、人間たちの城と違って物々しい
「私は魔女のデリル。そしてこの子は弟子のネロくんよ」
デリルはミアに自己紹介をする。まだそっと手を繋いだままであった。
「まぁ! デリルってあの魔王を倒した勇者パーティの一人じゃない!」
ミアは興奮したように言った。
「え?! このおb……姉さんが!?」
「ふふ、ティムちゃん? まだ
流石に何度もおばさん呼ばわりされてデリルが笑顔で凄む。
「ひぃぃ! ごめんなさい! もう絶対言いませんからぁ……」
ティムは涙を流して謝罪する。伝説の魔女に軽口を叩くのは危険すぎる。
「ティム、あなたは下がってなさい。デリルさん、失礼しました」
ミアはティムを退室させ、デリルに頭を下げた。「デリルさん、あなたにお願いしたい事があります」
ミアはデリルの方を見て居住まいを正した。
「な、なによ」
デリルはちょっと身構えた。厄介な事を頼まれそうな雰囲気がぷんぷんと漂っている。一刻も早くエルフを見つけなきゃいけないのに、これ以上厄介ごとを抱え込む訳にもいかないのである。
「この妖精の村に、魔物が紛れ込んだのです」
ミアが真剣な表情でデリルに言う。「猛獣などなら幻惑魔法で追い払う事も出来るのですが……」
猛獣は所詮動物なので幻惑魔法で簡単に追い払える。しかし幻惑魔法の効かない魔物の場合、物理攻撃力を持たない妖精にはどうする事もできないのである。
「でも物理攻撃できなくても攻撃魔法使える妖精もいるんじゃないの?」
デリルは不思議そうに尋ねる。
「幻惑魔法部隊が撤退した後、すぐに攻撃魔法部隊を送り込んだのですが、あっと言う間に全滅してしまいました」
かなりの強敵のようだ。
「確認しておくけど、魔法が効かないとか弾くとかじゃないのよね?」
デリルはミアに
「そうではありません。単純に我々の魔力が足りなかっただけです」
「それなら問題ないわ。じゃあ、やっつけてあげるから、帰ってきたらエルフの居場所を教えてよね」
デリルはそう言ってからふとネロの方を見た。「あー、ネロくん、ここで待ってる? もしかしたらちょっと刺激が強いかも……」
そう言われてネロは少し考え込む。
「女王様、この城には幻惑魔法がかけられていますか?」
「ええ、もちろん。侵入者がここまで来られないようにしてあるわ」
何でそんな事を聞くのか分からないといった表情でミアが答える。
「先生、手を離しても良いですか?」
ネロはデリルに確認する。デリルは不思議そうに
「!? うわっ! 何よこれ!! ど、どうなってるの?!」
手を離した瞬間、デリルが
デリルはまた元の謁見室に戻ったので不思議そうに辺りを見回した。
「先生は攻撃魔法のエキスパートなんですが、幻惑魔法に弱いみたいなんです」
ネロはミアに説明する。
「それは分かったけど、あなたは一体何者なの?」
ミアはデリルの困惑よりもそれを
「幻惑に強くなる道具とかはありませんか?」
ネロはミアに
「あ、ああ。そうですね。ネロさんの手ほどの力は無いと思いますが、デリルさんには
ミアが合図をすると
試しにネロが手を離してみたが、先ほどのように取り乱す事はなかった。
「なんだかよく分からないけど、良い指輪ね。貰っていいの?」
「よく似合ってますよ、先生。絶対に外さないで下さいね」
「あら、そう? そんなに似合ってる? ふふ、分かった。外さないわ」
デリルは嬉しそうに手をかざして指輪を見た。
「ネロさん、あなたには素晴らしい才能があるようですね」
ミアはようやくこれまでの状況を整理して結論付けた。
「そりゃそうよ、私のかわいい弟子だもの」
デリルは何だかよく分からないまま胸を張って答える。
「……。デリルさん、それでは魔物の討伐をお願いします」
ミアは改めてデリルに依頼する。「ネロさんには私が補助魔法を授けます」
「え? 僕に?」
ネロは
「良かったわね、ネロくん。魔法使えるようになれるわよ」
デリルが嬉しそうに笑う。「じゃ、その間に魔物をやっつけてくるわ!」
「では近くまで転送しましょう」
ミアはデリルの前に立ち、手をかざす。「それではお願いしますね!」
ブツブツと呪文を唱えると、ふっとデリルの巨体が消えて無くなった。
────── 【最後までお読みいただき、ありがとうございます!】
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