第9話 リザルト
『クエスト「四大天使降臨!」クリア、おめでとうございます!』
四体の熾天使を倒し、中央の台座に行くとそうメッセージウィンドウが表示された。
そしてその後台座が開き、中から大量のアイテムが出現する。
「これって……やっぱり
台座の中から出てきたものは
お金もたくさん出てきたけど、それも
「まあそれは後で考えるとして、必要なものをいただくか」
出てきたアイテムの中には四大天使の力が込められた物もあった。
ミカエルの剣にガブリエルの杖などだ。これはかなりレアアイテムだぞ、大事に保管しなくちゃな……と考えていると、後ろから気配を感じ取る。
「なんだ?」
振り返るとそこには四体の天使たちがいた。
全員満身創痍で今にも倒れそうだ。ていうかその怪我でよく歩けたもんだ。
「なんだ? トドメでも刺してほしいのか?」
「いえ……違います」
そう言うと彼らは一斉におれに向かって跪く。
一瞬罠かと思ったけど、プライドの高い天使がブラフでこんなことするわけないか。
「どういうつもりだ?」
「数々の非礼、まことに申し訳ございません。先の戦闘を見て理解いたしました。貴方様こそ我々が待ち続けた『神』であると」
ミカエルの言葉に他の熾天使たちも頷く。
どうやら四人とも同意見みたいだな。
「我々四大天使は神の手足となりその助けとなるよう生み出されました。刃を向けておいて今更ではございますが……なにとぞ、我らをお側に置いていただけないでしょうか」
「なるほどねえ……」
さて、どうしたものか。
確かに
俺のことを神だと思っている内は裏切ることもないとは思うが……と、そこまで考えて、俺はあることを思い出す。
そういえば元々ここには仲間になってくれる天使を探しに来たんだった。
「…………」
すっかり忘れていた。
ついついクエストと戦闘に夢中になってそんなことなど綺麗さっぱり頭から抜け落ちていた。
もしこのままこいつらの願いを無視して帰ったら……シアに白い目で見られるのは間違いない。天使などいなかったと嘘をついてもすぐに見破られるだろうからな。
じゃあもう選択肢はひとつしかない。
「……いいだろう。その忠義、認めようじゃないか」
「ほ、本当ですか!!」
熾天使たちの顔がパッと明るくなる。
彼らもまさか一人の少女が原因でそれが認められたとは夢にも思わないだろう。
「その代わり私の命令は絶対だ。お前たちは人間のことを軽く扱いそうだが、私のことを慕う人間を痛めつけでもしたら容赦はしない。分かったな」
「は、はい。かしこまりました。全員肝に命じておきます」
ひとまずこれだけ徹底させれば、大きなトラブルは起きないだろう。
ええとあと言っておくことは……。
「あと紫色の髪の少女は怒らせない方がいい。後が怖いからな」
「は、はあ……」
きょとんとする熾天使たち。
こいつらもあの子の怖さを知るのに時間はかからないだろう。尻に敷かれているところを見るのが少し楽しみでもある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます