第5話 『四大天使降臨!』
そもそもの話だが、俺は『四大天使降臨!』というクエスト名に聞き覚えがあった。
なぜならそのクエストが
クエストの内容はこうだ。
『四大天使が封印された古代遺跡が出現した! 全てをの天使を倒した者には限定装備が手に入るぞ!』
限定装備が嫌いなプレイヤーなんていない。
そもそも浮遊している島にたどり着けるプレイヤーが少なかったって話だ。
このイベントは数日で終わってしまい、攻略法が確立する時間がなかった。せめて一週間あればガチ勢がクリアしただろう。
さすがに『白銀城降臨!』と比べたらだいぶ難易度は低かったらしいからな。
ちなみに俺はこのクエストには参加していない。
いや、できなかったという方が正しいだろうか。
なぜならこの時は既にギルドメンバーは全員いなくなってしまい。白銀騎士団は解散状態だったからだ。白銀城を維持する素材を集めるのに必死でクエストに挑む時間もなかった。
四大天使を倒して手に入るという限定装備は喉から手が出るほど欲しかったけど、あの時は諦める他なかった。だけどまさか……
「今になって挑めるとはな……!」
なぜこっちの世界で
でもこれはチャンスだ。
あの時諦めたものを手に入れるまたとないチャンス。挑まなきゃゲーマーの名がすたる。
「しかし驚きました。まさか侵入者がお一人なんて。しかもそれでミカちゃんを倒してしまうなんて」
「ガブリエル! 私はまだ負けていないぞ!」
ミカエルが体を動かそうとしながら文句を言う。
その内にこの三体の熾天使をどうにかしなくちゃな。さすがに四体一だとキツいだろう。
「
「させるかよ」
魔法を発動しようとした途端、赤髪の天使ウリエルの手から巨大な炎が吹き出し俺を襲う。
ノーモーションでこんな大規模の攻撃ができるなんて! 俺は何とか横に移動しそれを回避するが、移動したその先には大男のラファエルが待ち構えていた。
「逃がすかよ」
ラファエルの鉄拳が俺に襲いかかる。
咄嗟に盾を装備しその一撃を受け止めるが、その威力は凄まじく俺の体は大きく後ろに弾かれる。
さすが攻略者ゼロのクエスト、なかなか辛口な難易度調整だ。
「お強いのですね、ですが……」
今まで静観していたガブリエルが動き出す。
手のひらを上に掲げると、そこに巨大な水の塊が生み出される。
「逃げ場はありませんよ?」
「くそったれ」
巨大な水の塊が落下してくる。まるで湖をひっくり返したみたいな規模だ。
ここは宙に浮かぶ建物、逃げ場はない。
落下すればこの一撃を食らわずには済むが、この遺跡には戻れなくなってしまう。一回侵入したせいで警戒されるだろう、次も同じ手で侵入できるか分からない。
俺に逃げるという選択肢はなかった。
「スキル〈
スキルを発動し攻撃力を高める。
こんなところで負けはしない……!
「
白銀の剣を振り、衝撃波を放つ。
俺の放った銀色に輝く斬撃は水球と正面からぶつかり、大きな爆発を引き起こした。
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