第二章 行使される正義
第1話 召喚
村の畑改良計画は順調に進み、一週間後には荒れ果てた畑が全て豊富な作物で埋め尽くされた。
栽培しているのは
……明らかに普通の人間より筋力や魔力が上がっているけど、大丈夫だよな?
能力値が上がる物ばかり栽培してしまったから少し不安だ。
村の食糧事情を解決してから村人たち全員に崇められるようになった。
今では村長よりも発言力があるくらいで、一部では村の名前をダイル村にしようという声まであるらしい。
俺は別に崇められたい気持ちなんてないが……まあもう引くに引けないところまで来ている。彼らの期待には応えるつもりだ。
「さて、今日も色々検証するとしよう。
魔法を発動すると、空中に魔法陣が現れ、そこから白い甲冑の騎士が舞い降りる。
背中には一対の羽があり、手には剣と盾を持っている。
これは自動で動くモンスターを生み出す召喚魔法だ。
天使系の種族である俺は天使系のモンスターを召喚する事ができる。
天使は九つの階級に分けられていて、
ちなみに俺の種族も人間から天使系に変えられていて、その階級は一番上の第一位『
「
そう命令すると
「……
だけどこっちの普通の村人は調べたところレベル換算で5程度。束になっても
少しでも人手がほしい今は貴重な戦力だ。
「
「……」
こりゃあいい。力作業も任せることが出来るな。
とはいえ考える頭はないから、誰かに指示はお願いしないといけないな。まあそれは村人にお願いするとしよう。
「……しかし召喚したモンスターはしばらくしたら消えるはずなんだけど、そんな様子は見えないな」
そう思っていると
「どうしたんだ?」
近づき確認する。
「死んだって感じじゃないな。もしかして休んでいるのか?」
試しに
すると
「なるほどな。時間が来たら消える代わりに休憩するのか。空気中の魔力でも吸って回復してるのかな?」
まだそこらへんは不透明だけどいいことを知れた。
いちいち召喚し直す手間がないのは助かるな。検証してみてよかった。
「さて、次はどんな魔法を……」
「ダイル様! 少々よろしいでしょうか!?」
突然シアがやってくる。
かなり急いでいる様子だ。一体何があったんだろうか?
「どうしたシア」
「実は村の人が野盗に襲われて怪我を! お願いします、助けてください!」
「なんだって? すぐ行こう」
実験を中断し、俺は村人のもとに向かうのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます