第14話



 大型巡航型潜水艦くらま、中型巡航型潜水艦いつしろ、こうじんがカプロ基地の港に無事着湾した。

それぞれの乗組員が自分の荷物を持って上陸をしている。

その乗組員達をカプロの海兵が英語で案内している。

その横でこの基地の司令官が、サングラスの奥にある目で、その光景を眺めている。

ガルデス大佐である。


 ガルデスは黙って立っていたが、待っていた人物を見つけると笑顔になり、


「おーい、ここだよ、画面で見るよりも男前じゃないか」


 と糸川艦長に大きな声で自分の所に来るように促す。


 糸川は、ガルデスに敬礼すると手を振り、副長と機関長に何やら指示を出してからガルデスの元へと歩いて行く。


「ガルデス司令官、この度は我々の願いを聞いてくださり感謝しております」


「無事の着湾、何よりです。艦の乗組員のことは彼ら海兵に任せておいて、貴方は私の部屋にお越しくださいませんか。ご報告したいことが2件あります」


「ありがとうございます、そのご報告とやらを伺いましょう」


「ええ、コーヒーでも飲みながらね、それともスコッチがよろしいですか?」


「酒は夜にしましょう、コーヒーをいただきたいものですね、ちなみに報告というのが気になりますが、あまり良い知らせのようには思えませんね」


「その通りです、この時代に入ってくるのは悪い知らせばかりですよ。さぁ、熱いコーヒーでも飲みましょう」

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