第十七話 取り調べ

 「ルネ、調子はどう?これお見舞い。」


 木でできた温かみのある病室のベットの上にルネは上体を起こしていた。


 「ありがとうございます。ところでマーチには明々後日の昼の船で行くんですか?もしそうならご一緒してもいいですか?」


 「いいけれど、、、体は大丈夫なの?」


 ルネはアカガとの戦いと命令状態でかなりの傷を受けていたが、、、


 「確かに傷は多かったですけど大きな傷は無くて、気絶も貧血だったので輸血した今なら平気です!」


 「分かった、ならあまり無理はしないで。船は取っておくから。」


 「ありがとうございます!ところでサジさんはどうですか?」


 「彼はもう働いているよ、これから会いに行くところだ。


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 「奴が何を言っているのか分かった者はいないのか?」


 「はい、異国の言葉を知っている者はかなり限られますし、どこの国かも分からないので。」


 詰所の中は捉えられた多くの海賊の怒声と騒がしい足音が響いている。


 (サジさんは何処にいるのか、、)


 「おや?トラン!来てくれたか!来て早々すまないが手伝ってもらえないかい?」


 「どうしたんですか?」

 

 「私達がいた船の海賊に取り調べをしているんだが色々あって、、、そこでもし船内で会ったことがあるならそいつについて教えてもらえないかい?」


 「はい!」


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 取り調べ室の中は白く、中央の椅子には一人の男が座っている。


 「あっ!あいつは!」


 「知っているのかい?」


 サジが聞いてくる。


 「棘付き鉄球!」


 「モーニングスターだ!んでもって俺の名はスターだ!」


 「ああ、そうだった。ところで何を言っていたんだ?」


 「やっと言葉が通じる奴が来たぜ、、、」


 ふと周りを見ると皆驚いている。


 「トラン、君他の国の言葉も話せるのかい?!」


 (なるほど、違う国の言葉だったのか!)


 「昔から色々と、、、それはそれとして翻訳するのでメモしておいてください。」

 

 スターが言ったことを纏めると。ジュジュラという国で内乱が起き、逃げたところエイプル近海でシオサザ達と共に拾われたのだという。


 「まさかジュジュラが!そんなことが、、、私はこれを所長に伝えてくる!協力ありがとう!」

 

 サジは慌ただしく去って行った。それほど大事だったのだろう。するとサジの部下が話しかけてきた。


 「トラン様。こちらをどうぞ。船の切符です、お連れ様の分もどうぞ。」


 「ありがとうございます!」


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 「まさかそのような事が海の向こうで起こっていたとは、、、」


 「はい。ここ最近海に大渦が現れてからジュジュラの方には向かえなかったので。」


 「ジュジュラは世界随一の軍事力を持っていた国だ。だがそして、、、かつてノーアに滅ぼされた国でもある。」


 「ここに残されたメモと関係があるとすると、、、」


 「ああ、ノーアが復活した!」


 「ならば私に考えがあります………」

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