第十二話 失礼します

 「闘ろうじゃねえか!打擲knock!ストレートぉ!」


 見た目だけならただの正拳突き、されどもその一撃はルネの髪を掠め、船の壁に穴を開けた!


 「もぉう一発ゥ!」


 「すごい威力!けど負けないっ!旋転まわれ剣よ!やあっ!」

 

 2人の一撃がぶつかり合う。そして互いに後ろへと下がる。


 「回転力でいなしやがったか!お前!名前はなんだ!」

 

 「そちらから名乗ったらどう!回転spin!旋風!」


 小さなつむじ風を飛ばし、ルネ自身も近づいていく。しかし!


 「打擲knock二連撃ノンマナー!そうだなオレの名前はアカガ!エイブルの喧嘩王とはオレのことよ!」


 「そう、私の名前はルネ。これでいい?」


 指をクルクルと回しながらルネが答える。


 「ああ、つええ奴の名前は覚えておく性でねぇ!打擲knock連打撃!」


 十数発の打撃が弾となって飛んでくる!

 

 「!危ない!」


 回転の力を足に乗せ、被害を2、3発に抑えながらも避ける。だが!


 「それは囮だぁ!打擲knock三連撃グッドマナー!」


 連打撃を避けた先にはアカガの攻撃が迫る!しかしながらこの瞬間!ルネは既に罠を仕掛けていた!

 

 「なっ!」


 突如アカガが足を滑らせる。


 「この罠は!いつの間に!」


 「名前を聞かれた時にね!小さな竜巻を仕込ませてもらったよ!」


 ルネは剣を握り、アカガに向かって振り下ろす。


 「たいして強い訳じゃ無いけど踏み込んだ足を逸らすことは出来る!」


 振り下ろされた剣がアカガに届こうかという直前!秘めたる力が現れた!


 「打打擲strike十連撃テンス!」


 いきなり大砲の弾のようにルネが高く打ち飛ばされる!


 (今の連撃、明らかに火力が上がっていた!一体何が?)


 「この力は、、、よく分からんが丁度いい!打打擲strike!ストレェートォ!」


 (空中!避けられない!)


 「うっ!」


 重く鋭い、猪の突撃のような一撃がルネに突き刺さる!


 (正面から攻めても返り討ち、もし次当たったら、、、)


 「いくぞぉ!打打擲strike十二連撃パーフェクト


 「一か八か全力で!回転spin!大回転!」

 

 アカガの十二の攻撃は確かにルネに直撃した!


 ルネの身体は空から地へと落下した。


 「オレの勝ちだぁぁっ!ルナぁ!ん?」


 「私の名前はルネだよっ!旋転まわれ剣よ!」


 「ぐっ!なぜだぁ!あの時確かに?!」


 まともに攻撃を受けたアカガは、もはや立ち上がることは出来ない!


 「私は回転させたの、私自身を!そしてあなたの攻撃をいなしきった!」


 「ぐっ!だが負けはしねぇ!打打擲strike!」


 打ち出された一撃はルネに近づくにつれどんどんと弱くなり、そしてふっと消えた。


 「なっ!なぜだ!」


 「あなたは新しい自分の力を全力で使い過ぎた。異能文字の力は休まずに無限には打ち続けられない。」


 アカガは力を使い切ったのかもう起き上がることすら出来なくなっている。

 

 「そして調子に乗ったことで隙ができ攻撃が当たり、燃料切れになった!」


 「くそぉ、、、」


 「これが私の修行の成果!最近手に入れた力程度で勝てはしない!」


 


 

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