第六話 盗賊再び
「知ってますか?フィビュラにはとても美味しい海鮮料理屋があるらしいですよ。」
「なら、せっかくだから町に着いたら一緒に行ってみよう。」
「はいっ!」
たわいもない話をしながら、鮮やかな緑の草原を進む。
狼に会うこともなく、そろそろ町が見えてくるのではないかと思いながら進んでいると。
「見つけたぞガキども!」
「お前は!さっきの盗賊!また来たのか!」
「なんか、かなりやつれてません?」
確かに顔色は悪く、息も荒くなっている。それに、、、
「あれは…石板?」
盗賊は手に持った石板を掲げると。
「どうにでもなれ!!
「そんなもの投げたところで当たるはずが無いだろう!」
「!危ない!!
なんと!投げた石板が盗賊に向かって戻っていった!
「くらえ!無数の短剣を!!」
こちらに向かって十数本の短剣を投げてくる。おそらく避けても戻ってくるだろう。
「ならば、撃ち落とす!!
「
飛んできた短剣を叩き落としていく。しかしそれらは全て、奴の手元に戻っていく。
「ならば
撃ち落とした短剣を鍋に仕舞い、ふたを閉じる。
「くそがっ!オラァッ!」
盗賊は木の枝を折るとそれを投げてきた。
「大きくて鍋に入らない!」
「任せてください!旋風!」
ルネは枝を剣で斬ると、その勢いのまま盗賊に向かって駆け出した。
「くらえ!」
「かかったなあっ!戻ってこい欠片ども!」
「危ない!
ルネは鎧を纏いながら盗賊を弾き飛ばした。飛んできた欠片は鎧に阻まれ、ルネには当たらなかった!
「ぐあっ!」
「ありがとうございます!トランさん!」
「どうも、それより!」
弾き飛ばされた盗賊は近くの木の幹に当たると、うつ伏せに倒れている。
「ぐっ、クソォ…たすけてくれぇ、こんなのばかりじゃねえか………」
「取り敢えずこいつはフィビュラの町の自警団に引き渡せば良いと思いますよ。」
フィビュラには自警団があるのか。ルネはやけに街の事に詳しい。海を渡ってきたのだろうか。
「それはそうとここから見えますね。あの灯台があるところ。あそこが港町フィビュラです。いきましょう!」
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「アイツ多分しくじったな。殺しに行くか。」
ふと思い出す。ティム様に文字をバラ撒くことは、気づかれないようにしろ、と言われていた。
「あ〜〜行ったらバレるよな、、、ほっとくか。」
「まあ、これで5枚の石板は撒けたし良いとするか。」
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