理由

 取り敢えず唖然としてる理由は置いといて…


「置いとくの?僕も結構ズレてるって言われるけど、君はきっとそれ以上だよ…」


 何故かジト目で呆れられてた。


「何故も何も無い気がするけど…そう言えば君は誰?」


 言ってなかったか?


 …言ってないな。


 路尾真宵…学生兼魔物使いとかやってる、よろしく。


「学生なんだ?名前と容姿的に緋蜂の人なの?」


 緋蜂…何処?


「違うの?」


 違うし…そもそもここが何処なのかも、アルカディア王国が何処の国かも知らない。


「知らないのっ⁉︎中央大陸の3大国家の一つなんだけど…」


「…と言うか知ら無いのに何でここにいるのっ!」


 気がついたら居た。


「よく生き残れたね?」


 相当不思議だったのか、目をパチパチさせてる。


 親切な魔物がたくさん居たからね。


「普通は殺されるんだけど…」


「それに魔物使いは初めて聞いた。」


「一部の魔族は魔物を従わせたりできるって聞いたことがあるけど。ここの魔物は一番魔物を従えた魔王にも従わなかったって聞くよ。」


 俺の方が上だったのでは。


「そうなのかな?」


 納得するのか、なるほどこいつ天然か。


「あれ?まぁくんって僕と同じ普人だよね。」


 そうだな。


 確か転移は種族が変わらないから多分だけど。


「普人って魔物したがえれたっけ?」


 出来るもんは出来るんだろ。


「…………」


 如何した、そんなに不思議そうに目を瞬かせて?


「僕、男の人にこんなに気安くされたの始めてだったから…」


 …嫌だったか


「ううん…少しなれないだけ」


 慣れないって…


 ゆーちゃんの性格的に普通にありそうだけど?


「これでも公爵家の三女だからね。」


 へぇ。


「反応薄いなぁ…」


 ……


 長々と話していると、ふと思い出した。


 何であんな大怪我を?


「ふみゅ?ああ、そう言えば僕死にかけてたんだった。」


 そう言えばって…


 自分の事だろうに。


「聖女のお姉ちゃんが居たから治ってたと思うよ。」


「そもそも何でここに居るんだろ?」


「…ここ違う大陸なんだけど。」


 それは後で説明するけど。


「知ってるんだ!」


 俺が原因だからね。


「そうなんだ」


「えっと、怪我の理由だっけ…」


「空から天災級の魔物が攻めて来てね。何とかみんなで倒したんだけど、トドメを刺す時に反撃を受けちゃって。」


 なるほどねぇ…


 天災級ってどのくらい強いんだ?


「知らないの?…ここの一般的な魔物くらい?」


 なるほど?


 こいつら思ったより強いのか。


「それで僕がここに居る原因って?」


 俺がそろそろ人恋しくなって、瀕死に人なら問題ないだろって、条件指定で死にかけの人を適当に呼んだ。


 …できれば美少女来ねぇかなぁって思ってたことまでは言わないが。


「そっかぁ…」


 怒んないの?


「しょうが無いかなぁって」


 なんかすまん。

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