拠点整理

 昼頃、起床する。


 久しぶりによく寝た気がする。


 飲水ウオーターで水を出して顔を洗い喉を潤す。


 ……


 温泉を作る前に、生活魔術を駆使して拠点を整理することのする。


 まず、柔化ソフトを使いやたら硬い地面を柔らかくして、穴掘ディグで鉄みたいな樹々を片っ端から引っこ抜く。


 ふぅ…


 取り敢えず、広場と言える形にはなったか。


 測定メジャーメントで距離を測り召喚サモンで樹々を移して、片っ端から切断カットで枝を払いと乾燥ドライで水分を抜く。


 必要になれば錬金術の変形トランスフォームで形を変えれば良いと判断。


 家も作るべきか?


 …何とかなる気がするが。


 兎小屋も?


 小屋で済むだろうか…


 考え事をしつつ兎達に片っ端から浄化クリーンを掛けていくと、兎たちが急に俺の後ろを向く。


 何かいるのだろうか。


 ゆっくり後ろを向くが、何も見えない。


 何も見えないが…


 何かに頬を舐められた。


 はい?


 驚いていると、徐々に虚空から巨大な茶色の蛇が現れる。


 ステルス機能完備っすか、そっすか。


 直感が反応しないのが一番怖い。


 お願いだから生存戦略サバイバル君には切実に仕事して欲しい。


 大蛇?はお土産も持ってきてくれたようだ。


 あっ、どうも、はい、助かります。


 脱皮した皮らしい、色々と使えそうである。


 一応眷属契約だけしとく。


 取り敢えず大蛇の事は一旦頭の片隅に置いといて、家を作るか如何かを思案する。


 有りかな。


 有りな気がする。


 温泉も早く作りたいが、如何せん時間がかかる。


 急を要する訳ではないし。


 まず、家を作ってみても良いかもしれない。


 ……


 家を作ることを決意したところで、ここら一帯を測定メジャーメント探知サーチで調べていくが、この山が広すぎて一部しかわからない。


 今私結構な量の魔力使った気がするのだが…


 これなら転移ボーナスで方向感覚や地図のスキルを貰えば良かった気がするが、俺と相性が悪すぎて選べなかったことを思い出す。


 そこまで、方向音痴だろうか?


 方向音痴か。


 異世界に遭難してるしな。


 取り敢えず、この山について判っている事と言えば、ここが所謂山頂に位置する事と、端から緩やかに斜面になっている事、山頂はかなりの広さの平面がある事だ。


 坂付近に柵を付けた方が良いかもしれない…


 その前に樹々を抜いたことも相まって凸凹に成っている地面を測定メジャーメント変形トランスフォームで整備する。


 余った時間でくだらない事をふと考える。


 そう言えば、あの兎って死ぬほど柔軟だよな…


 何となく兎を見る。


 意思疎通ニュアンスで伝わった通りなら、跳躍時空中で回転を入れる為らしい。


 銃弾かよ。


 怖っ。


 今日も異世界の不条理にドン引きしつつ寝た。


 おやすみ。

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