第2話 俺は、ジジィの部屋にオレンジの香りを届けにやって来たぜ?
俺は村人Aだ。
村の近くに住む世界最高峰の知識を持つ賢者とか言う、髭のジジィに人生最大の相談を持ち掛ける為に、遥々来たぜ此処まで。
たいして、広くも無い森の中に無意味に豪華な違法建築の屋敷が、佇んでいる。
腐った金持ちの匂いが門からプンプンして吐き気が止まらないぜ。
今度、放火でもしてやろうかと思ったが、相談したい事があるので今日はやめておいて、やるぜ。
「ジジィ!入るぜ!」
俺は、精一杯の礼儀を尽くし、ご大層な彫物が施してある巨大なドアを蹴破った。
中には、賢者のジジィがいて、俺がドアを蹴破ると同時に丁度、口に含んでいた水をマーライオンの様に吹き出した。
ちなみに俺は、マーライオンが何か知らないぜ!何となく頭に浮かんだ言葉を言ってみただけだ。
気にしなさんな。
そんな事よりジジィが、水を吹きながら、何者だと叫ぶので、俺は右手に持った、手土産のフルーツの入った籠の中から、人間の頭くらいのサイズのオレンジを掴むと、ジジィのハートに向けて、必殺のオレンジマグナムを叩きこんで黙らせようとしたぜ。
だがジジィは何と右手一歩でオレンジをガッチリ掴むと同時に、いとも簡単に握りつぶしやがったぜ。
「ヒュー♪ジジィ、やるじゃん♪」
オレンジが潰れて、爽やかな柑橘系の香りが、カビ臭い汚ねぇ本だらけの部屋をほんの少しだけ爽やかな香りで染め上げやがったので気分がいぃぜクソッタレ‼︎
どうやら森の賢者とやらは、森の拳者でもあるらしい。
「クソッ!オラわくわくしてきたぞ‼︎」
「な、何だ君は⁉︎何の断りもなく、私の部屋に押し込み、更にはオレンジを投げつける何て‼︎非常識極まりない‼︎出ていきなさい‼︎」
「チッ!インテリアデザイナーて奴はコレだから嫌になるぜ!」
「インテリと言いたいのかね?」
森の拳王様は、いきなり俺に頭脳戦を挑んできやがった。
流石だぜ!俺の苦手なフィールド引きずり込みやがった。
だが、まだ俺のターンだぜ!
「おいジジィ‼︎テメェに会いに遥々来たぜ、此処まで‼︎」
「函館?」
「そんな事は、一言も言って無いぜ!」
「めちゃくちゃだな、君は!」
「いいから、俺の話を、聞きやがれ!テメェはこの国で1番頭が良いらしいな?」
「まぁ一応、賢者と呼ばれてるしな」
ジジィは何故か顔を赤らめてはにかみやがった。
心底、腹が立ったぜ。
だがジジィを殴るのは、後だ。
俺は、随分と遠まわりをしたがようやく、本題に入る事にしたぜ。
「おい、ジジィ、人妻エルフの乳を合法的に揉む方法を、教えろや?」
俺は、この世で1番カッコよく、意味不明なセリフを吐いた気がするが後悔は、ないぜ‼︎
つづく
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