ねこの下僕の日報

第5話 きみたちは、毎日納税をしたことがあるか……

　こんにちは。

　『きみたちは、○○したことがあるか……』シリーズです。

　年代がバレますが、（下僕は、本職（作家）になったらミステリアスな作家を

めざしています。そのため、年齢不詳でもいきたい）某アニメの影響を色濃く受けて

いる呪われた世代です。

　そのせいか、このタイトル気に入っています。

　ここでいう『毎日納税』は消費税のことではありません。

　そう、おネコ様に支払わないと家にあがることすら許されない

『おネコ様関所税』、略して『関税』のことを言います。

これをしないと、リビングのソファーへGO　TO　HEAVEN　できません。

我が家の２階にリビング（天国）があり、そのための階段は、ちょうど

大五郎様が横倒しに寝そべった幅くらいあります。

　会社の下僕の仮面を、玄関先で脱ぎ捨て、ネコの下僕の素顔にもどると、

玄関には、大五郎様、まつ様、あつ様が鎮座されています。

むかしは、大五郎様が一番のり。今はあつ様が多いです。

ロングヘアーのまつ様は熱がりなのか、孤高の存在だからか、玄関のたたきで

くつろいでいることも多く、自然一番乗りになることもあります。

とにかく、下僕の管理が厳しいおネコ様は、下僕の帰宅に合わせて、玄関にて

まちかまえています。

そして、こういわせるのです。

「今日も一日、ご苦労様でした。お留守番おつかれさま（自宅の警備ありがとうございます）」

そして、心を込めて、下僕は、おネコ様たちが満足するまで、ナデナデしないと

なりません。

ああ～、辛い。

自慢じゃないですよ～。

なにが辛いかっていうと、下僕の習性に起因しています。

下僕の習性に、こんなモノがあります。

それは、玄関にや入るやいなや如意をもよおすのです。

下僕は、会社にて日々緊張を強いられているのです。

ええ、『ねこ賞与』をくれる会社であっても、緊張感はたぶん転がって

埃をかぶっています。

だからこそ、自宅という安地にはいったら、人間だもの弛緩します。

ただ、下僕の場合、おおむねその弛緩が下に多いだけです。

あーちゃん様は強欲の堕天使なので、なかなか満足しない。

「わたちをもっとなでろ！お兄ぃ、お姉ぇより多くなでなちゃい！！」

とけたたましく迫るのです。

ああ、如意が。

下僕の如意が……。

「ごめんなさい、先に御不浄へ行かせてください！あーちゃん様！！」

強引にあーちゃん様関所を突破し、階段を駆け上がろうとする下僕に絶望が……

階段の切り返しに、デデーンとおわす大五郎殿が……

「下僕、余をまたぐというのか？」

下僕は、下半身に力を集中させ、

「ごめんね、ごめんなさい。先を急ぎます」

と言い訳しながら、大五郎様をまたぎ、御不浄へ駆けあがるのです。

また、ビロウな話になってしまった……。

いや、話を元に戻そう。

そのまえに、ちょっと失礼します。

あーちゃん様がその強靭な顎でお気に入りの玩具で遊べとプレッシャー＆雄たけびを

上げているので、やや離席します。

戻りました。

これも『おネコ様納税』の一環です。

また、あーちゃん様に納税を迫られています。

どうやら、

『お犬様より賢いところを取ってこいができることで証明してみせてね』風、実は、

下僕らくちん遊戯だとバレました。

いいやぁ、我らがあーちゃん様！さすがに賢くていらっしゃる。

お陰で、書き始めから、だいぶ時間が経過しました。

話を、再び戻します。

時間も戻します。

大五郎様だけの時代、大五郎様は大変賢きおネコ様なので、日本語を理解します。

大五郎関所を如意を理由に突破しようとしたときに、彼のクレバーさが

露見したのです。

「ちょっとごめんね」

と先を急ぐと、ささっと下僕の1段上にあがり、ゆっくり振り向く。

「ごめん、トイレにいかせて」

脇をすり抜け一段上がろうとすると、ササっと下僕の一段前を行く。

そして、ゆっくり振り向く。

これは、特殊な嗜好のプレイ？

下僕には、酢か吐露の趣味はないのですが……。

大五郎様と目があい、理解しました。

「大五郎様、貴方様はニュータイプ（わざと）か？」

そうです。

下僕ごときの如意を理由に、おネコ様関所を無税で越えられるほど、

ネコ代官は、甘くない。

こうして下僕は、おネコ様関所をはじめとする、様々な重税を払いながら、

おネコ様に無償で、お仕えしております。

いまも、階下で、大五郎様が呼んでいます。

一番、大五郎様が人使い荒いからな！！

一番、回りくどいやり方で、下僕を呼びつける悪代官だ！！

それでは。

追記：書き始めは、夕方で、今はPM21:00回っています。

はいはい、今行きますね、大五郎様。