第2話
押し付けられた任務の内容をかいつまんで話すと弟を殺してくれと実の姉に頼まれた。それが一件目。エデンリリィ家っていう貴族の長女ルシアを殺す。これが二件目。
「主人、フランを連れていっても良いですよね?」
「あぁ、構わん。」相変わらずのでかい態度に
イラつき軽く、本当に軽く舌を鳴らした。
「忠誠を誓った相手になんて態度だ!」
あ、バレた?怒鳴らないで欲しいな。
…頭の血管切れちゃうよ?
「忠誠を誓った覚え無いです。僕が忠誠を誓うのは
僕の意志と金払いのいい人です。まぁそこそこに
主人は金払い良いので気に入ってます。」
「……お前のその性格は嫌いじゃないが、年上への
態度をどうにかしろ。」説教みたいなこと止めてよ。楽しくないし、萎えるだけだから。
「これでも最大限努めております。では僕は部屋戻りますね。」部屋を出て階段を上る。
階段を上り進め周りに誰もいなくなったことを確認しキミに話しかける。
「キミは僕に連れ回されてどんな気分?急によく
分からない場所に連れてこられて、連れてきた人は
特殊な仕事してました。僕だったらワクワクする
けど。まぁ、キミがどう思っても僕が楽しいから
連れ回すんだけどね。」キミは僕に見つかって可哀想だね。僕は人の意見は聞いてるようで聞いていないから。
「さて、ここが僕の部屋、今日はちょっと散らかってるけど。」畳んでいない布団に開きっぱなしのクローゼット。今日の使う相棒はクローゼットの奥に入れている。ショートナイフも無しではないけど、極東の古刀の方がいいかな。うん、これにしよ!体のラインがわかるような黒のタートルネックとジーンズを着て
準備完了。時計の針は11時を差している。
「さて、準備出来たから仕事に行くよ。」
無駄に長い階段を下りる途中フランとすれ違った。何故タイミングが合うのかと不思議に思ったけど待ち伏せでもしてたんだろうと片付ける。
「今日何時にどこ?」手短な仕事の確認。
「いつも通り、24時に僕の通うバーの裏路地にお願いします。」間違わないように簡潔に伝える。
「わかった。''Eve''であってるわよね?」
「はい。では、本日の仕事も期待しております。」
そう言ってそれぞれの目的の場所に向かう。
僕は路面電車に乗り込み隣町まで行く。
そこにはお気に入りのサンドイッチ屋さんがあるから朝早く動ける日はそこで朝御飯を買う。特にローストビーフサンドが好きで何度も買っているから店員に顔を覚えられていて、世間話もする仲なんだよね。
今日もカランと軽快な音をたて扉を開く。
「あら、いらっしゃい。久しぶりだね。元気にしてた?」朝から元気の良い声で迎え入れてくれる。
「おはようございます。久しぶりと言っても一週間経ってないですけどね。今日も…」
「いつもの…でしょう?」悪戯するような顔で聞いてくる。
「はい、いつも通りローストビーフサンドを一つお願いします。」これしか頼まないから向こうも分かってるようだ。
「じゃあ460リトね。」460リトぴったり払い紙袋を受けとる。もう既に美味しそうな香りが鼻をくすぐる。一刻も早く食べたいから店内から出て直ぐの噴水の端に腰を掛ける。誰にも聞こえないであろう声でキミに「座りなよ。」と言う。
僕は紙袋からサンドイッチを出し頬張る。この1口目を頬張る瞬間が堪らなく好きだ。
それから近くの本屋を1通り見て日が傾いた頃、別の場所に移動する。目的地は【ローズエデン】この町とベルナール家のある街から同じぐらい離れた大きめの街。僕の住む場所も栄えてるんだけどね?
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