第1話2/3

そして、データ収集のためのサンプルを集め始める。

空気に土に水、それから木の実とかも。

これら全ては今まで見たことあるようなものとは全くことなった性質を持っている。


「やはり、座標を間違えたようだな。」


そして、それらを持ってきた機械にぶち込む。


「あとは、待つだけっ……と。」


その場に座り込む。

ポケットに入れていた完全食を飲む。


「ははっ、ここでも相変わらず不味いな。」


今度は、水を採取しようと黒い池に近づこうとして気がついた。


「おっと、各種警報装置を起動するの忘れてた」


多機能バックのサイドポケットから警報装置を取り出し起動する。

するとすぐさま、けたたましく鳴いた。


「これは、まずいぞ…早く戻らなければ」


今世紀最大のミスだ…完全にやらかした……

急いで池から300mほど離れるとようやく音はなりやんだ。


「原因は水か……水?」


さっき墜ちた場所を思い出す。

白い魚のいる黒い水辺。

海らしものの近く。

急いで戻る。

苦しいのも、足が痛いのも全て押し殺して。

また、警報装置が鳴り響く。

水辺がまだ遠くに見えるのに。

遠い!なんでこんなに遠いんだ。

目の前がチカチカする。

まだ、遠い。

早く、エリカを中に戻さなければ。

そして、肺がちぎれそうなほど息を吸い込み、叫んだ。


「エリカ!中に戻れ!」


目の前が真っ暗になる。

酸欠だ。

気がつけば、地面に倒れていた。

急いで立ち上がろうとする。

自分も早く戻らなければ。

やっと頭が上がった。


「エリカ…」


頭を向けた先は血を吐いているエリカだった。

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