本編
第1話1/3
「あぁ、失敗したようだな……だから、やめとけって言ったんだ。さぁ、家探すか。また、公園にテント張って、寝て、起きて、職質受けて……なんで。なんで!どうしてなんだよ!いつもいつも僕ばっかり!お前の願いを叶える度に!僕がどうして不幸にならなきゃ行けない!……はぁ、ようやく死んだか……お前の肉片が拾えないのは悲しいな。全て消し飛んじまったもんな。軽く窃盗でもして、務所に帰るか?まぁ、今の状態よりかはマシか……少なくとも、外にいる限り安全が保証できない。」
そんな独り言を呟いて歩き出す。
「なぁ、相棒。もし、お前が生きてんなら、今すぐに帰ってこい。こっちは大変なんだ。」
そんな思いは、届くはずはなかった。
……
……
「ドンッ!!」
突然そんな音が聞こえた。
が、寝起きのせいかあまり気にならなかった。
「あれ?眠っていたのか?」
「そうよ、さっさと起きなさい。こっちはサンプルの採取と、これの修理をしなきゃならないんだから。」
と、計器を指さす。
「そうか、最初のアラームはそういうことだったんだな。」
と起き上がる。
「いてて……身体中がすっごい痛いや」
そりゃそうだ、こんな狭い所に2人入ってる上に、長時間揺れ動いていたんだから。
もう1人の少女はその重そうな扉を開く。
光が眩しい。
視界がまだ真っ白のうちに外に出た。
そして目を疑う。
「空が、赤い。」
最初に目に入ったのは、赤い空。その次に、黒い海。その中には白く見える魚たち。
「変ね、座標を間違えたのかな。」
「あぁ、そうみたいだな……とりあえず、これ直せそうか?」
少女は、さっきまで入っていた箱の後ろを開けて、ハンドライトで照らし、覗き込んだ。
「ん〜…大丈夫そう。予備の部品で足りると思う。」
「そうか、じゃあ、よろしく頼む。」
少女は、箱の中を覗き込んだまま言った。
「私が修理してる間に、データの収取お願いできるかな?」
「了解」
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