第12話

メイド喫茶のメイドさんを眺めていると、お客と楽しく話してる人もちらほらみかける。常連だろうか?こんなに料理高いのに。メイドさんとしゃべることも料金にいれてる設定なのだろうか?まぁ高くても特に問題はないんだが。罰ゲームから始まる恋が売れ始めたからな。印税はたくさん入ってくる。


「お待たせしました♪」


するとメイドさんがオムライスをもってきた。イケメンとついていたが、ケチャップでイケメンとでも書くのだろうか?


「ご主人様って本当にイケメンですね、その顔好みで好きになっちゃいそうですっ」


破壊力満点の上目遣いあんどニコッと笑顔で言った。やばい萌え死ぬわ。美海達が好きだとはいえこれは効く。常連になっちゃうやつの気持ちも分かる。俺ですら天使なんじゃないか思うほどだし。だが好きにはならないからその怖い顔をやめてくれ美海。


「なに私の彼氏に色目使ってるの?正弘くんは私のものなのに。許さない」


フォークをテーブル打ち付けるのはやめて。ほら周りのお客も目をそらしてるよ。かなえは自信があるからか特に反応はしてない。梨香は不満顔だ。いやなんで梨香まで反応してるんだよ。


「私は本当のことを言ったまでですよ♪本当に付き合いたいくらいカッコいいですから」


それ以上怒らせないで、美海がハイライトオフになってるから。仕事だからってそこまで本気にならなくていいから。だがメイドさんは天使のような笑みでにこにこして動じない。


「美海落ち着け。著でと可愛いと思っただけだから。ナンバーワンは美海だから」


「それなら今ここで私にキスできる?」


こんな人が集まってるところで羞恥プレイなんて、、、、はいやりますからフォークをメイドさんの目のところに刺したりしないでください。しかも少し笑みを浮かべてるし。


俺はとなりに座る美海にほっぺにキスをした。口は勘弁してくれ。嫉妬の視線で死ねる自信がある。このメイドさんと話してるだけで嫉妬視線がすさまじいが。おまけにキスも美海にしたもんだから視線が死線になっている。呪いを使ってきたやつもいたが、それは呪詛返しをした。


美海は満足そうにしてドヤ顔をメイドさんにする。メイドさんはいいものがみれたという顔をしてホクホク顔で他の接客をしに行った。やだパリあれは演技か、まぁでも破壊力があることに変わりはないが。


「フフキスしてくれたよかなえちゃん」


「正弘くん後で帰りに私にしてほしいわ」


かなえはちょっとすねたように言った。嫉妬をしたのか。珍しいな、可愛いけど。かなえでも嫉妬をすることに少し安心した。それだけキスは特別なんだろう。メイドさんからはヒソヒソと何か言われているような気がする。


「いいぞ、美海にはキスはほほだったからほほだが」


ちなみにもう口には病院でキスをしてる。甘い味がしたのを覚えている。二人とも初キスなようで、キスを噛み締めていた。初キスと知り俺は嬉しく感じた。そんなことを考えながら食べていると、ステージの方から歓声が聞こえてきた。


「ご主人様お嬢様今からライブが始まります。楽しんでいってください」


するとライブが始まった。まずはメイドりんりんの店の前で流れてる曲だ。やっぱり素人くさいな。お客さんは楽しんでいるみたいだが。だがあのメイドさんだけは本物のアイドルのように輝いている。


やはりアイドルでもやっているのか?そして一曲目が終わり、そのあとは各々のカバー曲を踊ったり歌っていた。そしてトリになるとあのメイドさんが一人でできた。他のメイドさんはユニットを件でいたのに一人だけユニットを組んでいないってことはあの表現力だと他は着いていけないから一人の方がいいだろからユニットを組んでいないんだろう。


そして曲は君の笑む夕暮れだ。まさかアニソンとは、さすが秋葉原だ。あのメイドさんは儚く誰かにメッセージを送るように歌い上げた。美しいこの言葉がでてきた。まさしく圧巻だった。


指してお客さんのボルテージは最高潮になり拍手を送った。俺も拍手をしてたら、美海は本物のアイドルみたいと呟いた。たぶんアイドルをやりながらバイトで稼いでいるぞ。


そして残りの料理を食べ終わると、お金を全額俺が払い、メイドさんにコスプレをさせてくれと伝えた。


「コスプレですね!いいですよ♪」


「楽しみにしててね、正弘くん」


「次元の違う可愛さを期待しておく」


美海は手を振りながら試着室に入っていた美海を見送ると、隣でメイドさんがにこにこしている。こいうのって一緒についていくもんかと思ったら違うメイドさんが案内していた。


「それで何で隣にいるのですか?」


「もっと正弘くんを知りたいと思ってですよ♪このメイド喫茶には滅多に来ないイケメンだもん。気になってしょうがないですよ!」


「はぁー。それでいつまでもメイドさんと呼んでいると他の人と被るので名前を教えてもらえませんか?」


「雪ですよ!正弘くんはアニメ好きですか?」


「好きだぞ、俺の青春ラブコメは間違っているとか面白い。八幡の心情模写とか」


あれほどの心情を詳しく、ボッチに分かりやすい表現の小説はない。まぁ今は彼女がいるくらいのリア充だが。


「八幡好きなんですね♪私もあんな感じの男の人好きですよ。どこか正弘くんに似ていますね」


「あんなになにも求めないで自己犠牲はできないがな」


俺ができるのは側にいることぐらいだろう。何か問題が親しい人に起きたら、最後までその人を信じて、問題に対処するだろう。場合によっちゃ親しい人が離れていくのも覚悟して。













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