第8話
それから学校での俺の評判を聞いて、梨香が帰った後、俺は学校に行くのが億劫になっていた。やくざから助けた騎士ってそんな柄じゃないんだが。こんなんなら森田はどんな扱いを受けてるんだよ。
そして小説を読むと、やはり八幡が自己犠牲をしていた。罰ゲームから始まる恋も自己犠牲の精神がある。まぁあれは八幡を参考にしてるからな。
そして一時間経ち読み終わると、夕食が運ばれてきたのでそれを食べて勉強をして寝た。
そしてあれから一週間経って、退院の日になった。いよいよ病院食ともおさばらしてラーメンが食べれる。カップラーメンじゃ満足できなかったんだよな。兎に角に行って坦々混ぜそばを食べたい。
荷物をまとめて病院を出ると、美海達が待っていた。
「退院おめでとう。どっか行きたいところある?今日はみんなで正弘くんの好きなものを食べに行こうと思っていたんだよ」
「ラーメンが食べたい」
辛いものを食べたい。味の薄いものを食べてると辛いものを無性に食べたくなるんだよな。カップラーメンの辛さは美味しくないからなんとも言えない。
「それじゃ兎に角行こうよ」
「美海俺を分かっているな」
俺が賛同すると、かなえと梨香もそうだねと言って兎に角に決まった。兎に角は菊地がバイトをしてる場所だっけ。菊地は頭はいいからすぐに覚えそうだな。菊地の仕事っぷりを見るのにもいいだろう。
俺達は電車に乗り松戸駅に向かった。それにしても久々に美少女と外にでたから視線がすごいな。そろそろこの二人と見合う男になるためにも髪を切らないとな。ラヴェニールに行くか。ちょっとお洒落ぽいし。
松戸駅に着くと、たくさんの男子高校生ぽい人達が俺を嫉妬じみた目で見ていた。美少女に囲まれるなんて普通の高校生は経験できないからな。まぁ俺は女子高生からの視線も来るのだが。美海がすごい目で見て牽制している。だから話しかけるものはいない。
「おーすげぇ美少女じゃん。俺とこの後どっか行かない?これでも慶応生だからお金もっているからどこでも行けるよ」
雰囲気イケメンのチャラそうな慶応生が話しかけてきた。お金持ちで慶応生かさぞかしモテルことだろう。裏打ちされた自信か。後お金もっているのは親の財力があるからだろう。
「結構です。私たちはこの後出掛けるので。それに慶応生でイケメンでも興味ないので」
「同じく興味はないわ」
まぁこの二人は慶応生だからと言ってなびいたりはしないだろう。美海に関しては慶応に普通に行けるレベルだし。梨香はめんどくさそう顔をしている。大学生は断られると思ってなかったのか、腑抜けた顔をしている。慶応とお金持ちという看板が今まで相当効いていたのだろう。
「くっそんなにこの男がいいのか!」
「そりゃそうだよ。本物のイケメンだし。優しいし。お金だって貴方よりもってると思うよ」
「私はそもそも学歴とか、お金に興味ないわ。お金なら持っているしね」
「くそっあとで後悔して遅いからな」
そう言って大学生は去っていった。捨て台詞が有名になるっていうのみえみえだが。たぶん無理だぞ。親のコネを使ってもすぐに実力がなきゃ飽きられるし。それに雰囲気イケメンだからモデルで勝負するのも無理だろう。
「学歴でナンパが成功するなんて考えているなんて今まで成功した女子はなにを考えてるのかしら?親がお金を持っていても本人は稼げるか分からないのに」
「それに正弘くんの実力を分からないなんて、見る目ないしね。正弘くんは最近お金持ちのオーラまで出始めたし」
え?そんなオーラが俺からでてるの?道理で最近一人でいると女子に話しかけられるわけだ。病院ないでそうだったんだから外にでたらもっと話しかけられる可能性があるのか。めんどくさいな。俺には美海とかなえという大切な人がいるから他の女子には興味ない。
「まぁその話はおいといて、ラーメン食べに行こうぜ」
お腹が減って口がラーメンを早く食べたいと言っている。ピリ辛の坦々混ぜそばを食べたい。俺達は兎に角に向かって歩きはじめた。他にもナンパしそうなやつはいたが俺を見ると諦めていた。お金持ちオーラに負けたんだろうか。
兎に角に着き並んでいると、美海がここって菊地くんが働いているよねと聞いてきた。
「そうだな。あいつのバイトでどれだけ働けるかを見るというのもあるからここにしたんだが」
菊地は専業主夫になりたいぼやいていたから、どこまで働けるのかを見るためでもある。ラーメンを作るのはたぶん社員さんだろうが。ご飯ものは菊地がやっているだろう。あと接客とか。
「知り合いが働いているのね。私たちみたいな美少女3人といたら驚くんじゃないかしら」
「たぶんな。美少女にモテそうですねと言われたが」
菊地も美少女の幼馴染みがいるが。学校でも有名な。文化祭では何人もの人がほほを赤くして見とれていたな。俺はなんとも思わなかったが。美海が好きだったし。
そして順番が回ってきて店に入った。すると菊地がいらっしゃいませと言って俺達を歓迎したが、俺達を見ると驚いていた。まぁ何の予告もなく来たからね。
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