第5話

勉強してると気づいたら一時間がたっていた。そろそろ病院食がでる時間か。濃い味が恋しいな。退院したら豚汁が飲みたい。特に梨香が作ったものが。梨香のの作った豚汁はいい感じに具材の柔らかさと汁がおいしいだよな。店のものといわれても可笑しくないくらいに。


とんとん


「どうぞー」


すると美人な看護婦さんが来た。こんな人この前入院したときはいなかった。俺はこのみの足を見つけるために病院ないを歩いていたからだいたいの顔と足は分かる。だがこの人はいなかった。恐らく俺が退院してからこの病院に勤めているのだろう。


病院食を置くと、美人な看護婦さんは優しく微笑んだ。なにこの人モデル並に可愛いんだが。アニメのコスプレをしてほしいレベル。まぁ一番は美海とかなえに俺の青春ラブコメは間違っているのコスプレをしてほしいんだけど。


「ゆっくり食べてくださいね」


「はい、ありがとうございます」


すると看護婦さんは病室をでた。ふぅーなんとか足はみないで我慢できたな。隣で美海の生き霊があの看護婦さんをにらんでいたが。大分この生き霊は嫉妬深いようだ。


「いただきます」


食べるとやっぱり薄い。健康気を遣ってるから仕方ないかもしれないが。味噌汁は美味しい。何年も入院してる人が外食をしたら感動するだろう。それか、味覚が薄いので慣れてるから美味しく感じない可能性もあるが。


やがて食べ終わると、美海の生き霊はふわふわと漂いながら俺のやっていた参考書をみていた。この幽霊には意思があるみたいだな。霊気の一部飛ばして、周囲の霊気の混じりあってる。式神に近い感じだ。だからしっかりとした人格がある。それに繋がりもあるから意識すれば見ることもできる。美海にはその力がある。

まぁ気づけばのはなしだが。


やがて食べ終わり、食器を下げてもらうと、俺は教科書を読み始めた。日本史だ。俺の趣味のしひとつとして日本史を本や論文から勉強している。つまり教科書は勉強する必要はないが主流となっている説を学ぶのには教科書がちょうどいいのだ。


やがてある程度のところまで読み終わると、机に置きかなえが来るのを待った。


ドアがコンコンとノックされた。俺は入っていいぞというとかなえが艶のある髪を靡かせながら入ってきた。モデルの仕事をやってきてるだけあって化粧もいつも頼ちゃんとして綺麗だ。いつも綺麗だけどさらに綺麗ということだ。


「来たわ。勉強の方ははかどってるかしら?」


「まあまあだな。かなえの方は宿題は終わったのか?」


俺は暇すぎて宿題は今日との病院にいるときに終わらせた。今は急ぐ用事もないしな。進学校だからそれなりのレベルの問題があったが美海と雪穂に教わったため苦労せずに終わった。


「まだよ。今月は忙しかったからね。元々勉強は得意ではないし」


そうかなえは賢くみえるがテストとはいつも下から数えた方が早い。忙しくて勉強をする暇がないというのが主な理由だが。頭の回転は早い方たと思うし、勉強をする気が起きてないだけだろう。


「そうか、分からないところがあったら言ってくれ教えるから。文系だけだが」


「助かるわ。日本史とか中世とか色々な人物かでてきて覚えづらいのよ」


流れで覚えればそこまで難しくない。この時代はこの人が中心で、こいうのが原因でこいう事件が起きて結果こうなったと覚えれば難しくない。むしろ数学の方が公式を当てはめなきゃいけないから難しい。


「日本史は得意分野だ。任せてくれ」


「それと薄い味じゃ飽きると思って柿ピーを買ってきたわ」


そう言って鞄から柿ピーをだした。しかも唐辛子味だ。俺の好みをよく分かってらっしゃる。さすがストカーをしてただけはある。これにジュースがあれば最高だ。


「分かってるな。しかも味の濃い唐辛子味とはな。辛いもの好きには最高だ」


「それとはいグレープフルーツジュースよ」


そう言ってグレープフルーツジュースをだした。ここまで俺の好みを把握してるとは恐れ入った。俺はそれを受けとり柿ピーを開けて一気に何個か口にいれる。辛さか口のなかに広がる。ああこの辛さがたまらん。そしてジュースを飲む。ジュースが辛さを中和する。


「ふぅー美味しいな」


やはりジュースと言ったらグレープフルーツジュースに決まっている。レモンもいいが。辛いもの食べた後は少し酸っぱいぐらいかちょうどいい。


「かなえは夏休みどっか行くのか?」


まあ売れっ子モデルだから二泊三日以上はできないと思うが。もし退院したら美海も誘ってどっか行くのもいいかもしれない。美海も恐らくパティーとかで忙しいから予定が合うか分からないが。俺は今のところやることは終わってるから問題ない。


「まだ決めてないわ。美海さんと正弘くんとどっか行きたいと思っているけれど」


「なら奈良にでも行かないか?」


あそこは神社仏閣がたくさんあって京都よりも歴史を感じることができる。京都の方が都としては長いが、奈良は戦に巻き込まれなかったからたくさんの国家遺産がある。京都は応仁の乱で焼けてる。だから戦国時代以降のものが多い。それに近代都市化を目指したせいや、たくさんの土地を華族が手放したせいで、その土地はビルとか普通の住宅に変わっている。


「いいわね奈良のお寺は混んでないからいいわね」


かなえも人混みはあまり好きではないようだ。京都は世界的にも有名だから外国人もいっぱいて、混むんだよな。特に電車とか満員電車並だし。


「んじゃ予定は俺の方で調整するわ」


俺は美海にラインを送った。今パーティの準備中だから返信は帰ってこなと思うが。俺もパーティが近いうちにある。一人だけつれてっていいと言われているから誰をつれていこうか迷っている。選ばれなかった方は遺恨を残すだけだし。梨香にするか。妹だから問題ないし。


だが変な奴がナンパしてこないか心配だが。彼女ってことにすると週刊誌にばらされる可能性があって美海がヤンデレ化するし。妹が傷つくのは見たくない。常に梨香と行動するか。


「ええお願いね」


それからかなえとは芸能界の闇について話したりしていた。やっぱ枕を進めてくる奴っているのか。かなえは売れることにそこまでの興味がないから断っているみたいだが。


「枕する奴もいるのか?」


「そうねモデルはなかなかテレビにでれないからする人もいるわね」


美海にはそいう輩が近づかないようにしないとな。美海も声優を目指してるからアニメのヒロインをエサにそいうことをやってくる奴もいるだろう。俺も声優をやるからできるだけ見張れるようにしよう。


「かなえも気を付けろよ。干してくる場合もあるから」

 

「大丈夫よ。私は権力ある人と友達なのよ」


それなら安心だ。かなえが売れてるのはその人のお陰でもあるのか。かなえがテレビにでてる姿も見たいが。





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