第4話

昨日は結構フランス語が進んだな。後一週間で退院だ。それまで何をしようか。足でも観察するか。でもバレたら美海がヤンデレになるよな。スタンガンで気絶させられて家に監禁されることになりかねないな。ていうかなんで美海はスタンガンを常に携帯してるんだよ。そんなに襲ってくる奴がいないと思うんだが。嫌でも京都での事件みたいやくざに狙われるか可能性はあるか。それなら持っていても可笑しくない。


そして、面会時間になった。するとその一分後に美海が来た。来るの早くないですかね。


「来るの早いな美海」


「この後用事があるからね。早めに来たんだ」


用事か、まぁ美海の家は名門だし、パーティとかがあって可笑しくない。普通に遊びに行くだけかもしれないが。だが美海はあまり元気なさそうに見える。


「なんか元気ないな。どうしたんだ?」


「この後パーティーなんだけどそこにお見合い候補がいるんだ。付き合っている日とがいるって言ってんのに無理矢理お見合いをさせようとするんだよ」


ちょっと不機嫌そうに美海は言った。九条家の次男か。少し調べたが、なかなかのイケメンだった。長濱家が選んだってことは頭もいいのだろう。うちの家は祖父が総理大臣だったが、うちの親は普通の陰陽師と会社員だ。つまり現役の大臣を勤めている九条家とは格が違う。恐らくいつか直接対決することがあるだろう。その時のために退院したら鍛えるか。


「俺も美海の両親に認められるように頑張るから、美海も今日のパーティーは我慢してくれ」


「分かったよ。正弘くんも私と付き合うのを認めてもらうとなると、恐らく学力、知力身体能力で比べられると思うからそこをトレーニングしておいて」


やはり九条家の次男と勝負する可能性か高いのか。頭も身体能力も今の俺では勝てない。せめて学力に関しては文系科目にしてもらおう。ハンデくらいならいいよね?


「分かった。いつやるか分からないからいつ手もいけるように準備しておく」


梨香に教養力を高める本でも買ってきてもらうか。知力もまだまだだしな。勉強に関しては雪穂と美海に教わろう。身体能力は事務に通うか。運動は嫌いじゃない。どんなスポーツをやらされるか分からないが。


「あ、はいマッカンだよ」


そう言って鞄の中から三本取り出した。さすが美海俺の事を分かってらっしゃる。三本あれば二日は持つだろう。本当は一日で飲みたいが。

糖尿病になるとりかに止められてるので1日一二本で我慢している。


「ありがとう」


早速キンキンに冷えたマッカンを飲んだ。ああ、たまらない。この喉に絡むような甘さ。八幡の人生苦いんだから飲み物ぐらい甘くていいといういけんが分かるわ。人生は辛いことの連続だ。たがら飲み物で癒されるのも可笑しくない。食べ物を楽しみにしてる人もいるくらいなんだからマッカンでそれを感じるのもいいだろう。


「やっぱ千葉県に帰ってきたらこれじゃないと帰ってきた気分にならない。千葉の宝だ」


「分かるよ。私も京都から帰ってきて混ぜマッカンを飲んで千葉県に帰ってきた気分なったからね」


布教はうまくいったようだ。美海みたいな美少女が好んで飲んでおればクラスの奴も興味を持ち始めるだろう。飲めばはまること間違いなしだ。それに声優になればマッカンのCMに出ることもあるだろう。美少女美味しそうに飲んでいれば飲もうと感じる奴もいるからな。


「マッカンを全国に広げて見せる。その為には美海の力が必要だ。声優として売れて、バラエティにマッカンを布教すればCMのオファーが来るはずだ」


「確かにね。こんなに美味しいのを知らないのは人生損してるからね。声優として売れてマッカンを全国に広めるよ」


ふっ全国の国民よマッカンの素晴らしさを知るがいい。特に甘党には最高だろう。まずは女子から布教をしないとな。パフェにマッカンとか最高すぎるからな。


「応援してるぞ。まぁ俺も声優を目指してるから広めるのもやるが」


「あ、そうだなんか襲ってきたヤクザの本家の組長が謝りたいって言って今日来るらしいよ」


あいつら支流だったんだな。だからそんなにオーラがなかったのか。それに武器に頼ってる感じがしたし。ヤクザの本家の組長はきっとオーラがすごいんだろうな。なんか武者震いをしてきた。嘘です単に怖いだけだ。


「大丈夫だよ。いかついけど優しかったし。すごいジェントルマンだったよ。だから今回件は本当に申し訳なく思ってるんだよ」


女子に優しいヤクザって珍しいな。乱暴に扱っているイメージがある。美海がいうなら間違いないんだろう。少し震えが収まった。だごトップだから護衛もいるんだろうな。そいつらが怖い可能性もあるな。


「それじゃ私はそろそろ準備しないといけないから帰るね。看護婦さんにでれでれしちゃダメだからね。もししたら始末しちゃうかもしれないから」


はいライトオフにして怖いことを言った。殺したりしないよな?やんでれって相手の女子を痛め付けることもあるからあり得ないわけじゃない。それに生き霊もいるし、でれでれしたらすぐにばれる。できるだけ足をみないようにしよう。


美海は笑顔になると、手を小さく振りながら帰った。午後からかなえが来る。仕事終わりに来るらしい。そんなに急がなくてもいいんだが。それまで勉強でもするか。問題集を開き勉強をし始めた。












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る