第3話

なぜか頭の片隅でジーとこちらを光のない目で見ている美海をとりあえず無視した。美海の奴生き霊飛ばしたな。だがこれは意識的にではなく無意識だな。


「どうしたのですか?いきなり黙って」


「何でもないです。とりあえず無理なので別の人を探してください」


「彼女がいるなら仕方ないですね。別のイケメンを探してみます」


それから幽霊にナンパされた話を聞いたり、幽霊関連の話を聞いてたら千葉についた。ようやく愛しの千葉についた。マッカンが飲みたい。美海にラインでマッカンを頼んだ。そして俺たちは病院に入ると、みんなが入間さんを見ていた。そりゃこんな看護婦で美人な人千葉の病院にはいないからな。東京はいそうだが。話しかけたいと思っている人がちらほらいるが、業務中ってことまあって話しかける人はいない。


そして入間さんが手続きを受付でいてる間俺は携帯をいじっていた。すると、肩を叩かれた。俺何にもしてないと思うんだが。後ろを振り向くと、美海とかなえがいた。


「来るの早くない?」


「元々この病院に入院することは分かっていたから待ってたんだ」


こんな早く美海達を見れるとは嬉しい限りだ。美海の様子は普通だ。あの生き霊は美海とは繋がっていないみたいだ。繋がっていたら今ごろ入間さんは危機に陥っていただろう。


「尾関さん準備は終わりましたよ」


「ねぇ京都大学病院にいた時は女の看護婦じゃなかったよね?なんで変わっているの?もしかして美人だからこの人がいいとか言ったの?早速不倫なの?やっぱりうちで監禁したほうがいいのかな?そうすればこんな女とも関わらないですむのだから。それとそこの看護婦さん私の彼氏に手をださないでくださいね。なんか付き合おうとしてた気がするので」


圧を加えている。看護婦さんは光のない目まで見ている美海にたじろいでいる。あの目は恐怖しか感じないからな。後やっぱりどこかで生き霊と繋がっているのか?無意識でも繋がっているのを感じるケースは霊力が多いほど多い。


「美海そこら辺にしておけ」


すると光のない目をこちらに向け、ジーと俺を見てきた。


「正弘くんも不倫したら分かっているよね?」


「はい分かりました」


なんかスタンガンが見えたんだけど、気のせいだよね?あれで不倫した瞬間使って気絶させて調教するとかじゃないよね?絶対に不倫はしないと思った。かなえは余裕そうな笑みを浮かべている。これが嫉妬深い美海と自信に満ち溢れているかなえの違いか。


「それじゃ私は帰りますね。あまり体を無茶させないでくださいね」


美海は最後まで入間さんをにらんでいた。俺は美海とかなえ以外はすきになるつもりないんだが。あんな本みたいにならないように気を付けなければ。ヤンデレは何をやらかすか分からないから。まぁ監禁されたらかなえが助けてくれそうだが。


「ふぅー長旅は疲れた」


「京都から千葉は確かに長いわね。新幹線だとすぐなのだけれど」


傷口が開くかもしれなかったり、俺がなにかに巻き込まれるかもしれないといわれ俺は救急車で運ばれることになったんだが。そんなに事件なんか起こるかねと思ったが、今までの記憶を思いだすと巻き込まれてる記憶がたくさんあり救急車におとなしく乗った。ちなみにそう進言してきたのは美海だ。


「正弘くん本当にあの女とはなにもなかったんだよね?」


「なにもないぞ。せいぜいナンパされてるところを助けたぐらいだ」


助けた方法はいわなくてもいいだろう。言うとまたヤンデレが出そうだし。ヤンデレはあまりなれない。


「ふぅーんそれならいいけど。私は正弘くんのことが大好きだからね。それは忘れないでね」


「分かってるよ。俺も好きだぞ美海」


そう言って二人で見つめあっていると、かなえがはぁーとため息を吐きながら私を忘れてるんじゃないかしらと言った。ついつい二人の世界に入っていたみたいだ。美海は邪魔をするなという感じでかなえを見ている。


「私はどうなのかしら?正弘くん」


「かなえも好きだぞ」


「それならいいわ」


それにしてもこんだけレベルの高い美少女と付き合うって改め考えるもすごいよな。森田レベルまでいかなくてもモブキャラは脱却できた。森田は主人公だから別格だ。


「そろそろ私たち面会時間終わるから帰るね。女医とか看護婦さんとか見て鼻を伸ばさないようにね。じゃないと始末したちゃいそう♪」


こえーよ。明るい声で物騒なことを言うなよ。

そして病室を美海達は出ていった。あ、マッカンまだ飲んでなかった。飲むか。プシュっと缶を開けて、飲む。

 

ふぅー甘さが身体に染み渡るの最高だ。久しぶりで余計に美味しく感じる。これでさらにチョコレートがあれば最高なんだが。そう思い袋を探ると、チョコレートがあった。美海は気が利くな。美海もマッカン好きだからな。何が合うのか分かるのだろう。俺はチョコレートを食べながら勉強をしていた。するとドアかノックされる。


「どうぞー」


「菊池さんこれ妹さんからの荷物らしいですよ」


「ありがとうございます」


すると看護婦さんは病室を出た。今は単語帳しか持ってきてなかったから助かるわ。ちょうど単語帳一周したからな。後文法をやる。進学校だからフランス語検定二級の問題が出てくるからそれなり難しい。雪穂に教えてもらうか。

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