第2話

それなしても美人で看護師の制服だから視線がすごい。どんだけ看護師の制服好きなんだよ。たぶんこれ俺が好きでコスプレさせてると思ってるよな。そんな変態じゃないのに。早くこの視線から逃れたい。だが一人にするとまたナンパで遅くなりそうなので買うまで着いていくしかないよな。


やがてお茶っ葉を大量に購入して入間さんは行きましょうかと言って救急車に向かった。やっとこの視線から逃れられる。変態みたいな視線はきついからな。


救急車に着くと、俺はそれに乗り運転手さんにチョコを渡し、再び横になった。ふぅー視線が外れるとやっぱ楽だな。呪符で傷を回復することはできないから立つだけで痛みを感じる。こんなときにマッカンがあったら最高なんだが。傷を癒してくれるし。


「こんなにお茶があるなら当分は楽しめそうです」


まぁ静岡のお茶は美味しいしな。俺もマッカン以外だとよくお茶を飲む。健康にいいと聞くしな。だから病室よく飲んでいた。梨香にマッカンを制限されたっていうのもあるが。おのれ梨香め俺が買いに行けないからって週に一本ねとはひどすぎだろ。せめて週四本はほしい。


やがて救急車は出発して、千葉に向かった。

本当はこんなことで救急車使わなくても電車でもよかったんだか、美海とかなえに病人なんだから電車は危ないとか言って救急車になった。いつどんな事件が起こるか分からないからだろう。俺は巻き込まれやすい体質ぽいし。


「千葉でお別れとは寂しいですね。いっそのこと千葉県で勤めるのもありかもしれません」


「そんなことしたら今勤めている医者と患者さんが泣きますよ」


それだけこの人は人気がある。職場環境も悪くないし、移動する必要ないと思うんだが。それに数日しかいなかったんだし移動するほど仲良くはなってないと思うんだが。


「あの人達は外見だけで近づいてくるから迷惑なんですよ。それに比べて菊池さんは普通に接しますし、気遣いもできますし、優しいですし、陰陽師ですし四拍子揃っているんですよ」


まぁ外見だけで近づいてくるのはうざいのは分かるが、俺は背が小さいしそんないい男じゃないぞ。まぁ彼女が二人いるし、モテないことはな否定しないが。どっちも美少女だか、俺は外見で人を判断しないのだ。彼女がいるから下心もないし。


「最後の陰陽師は関係ありませんか?」


「結婚するなら霊力の高い人にしなさいと親にいわれているんです。うち陰陽師の家系なので」


意外だな。入間さんは確かに霊力は高いが、幽霊を見えてるように接してなかったから見えないと思っていた。だが見えてるなら見えない不利をして面倒ごとに巻き込まれないようにしたのだろう。


それは正解ともいえる。幽霊とか関わっても結局成仏できず、中途半端な力だと逆恨みされる。だからできるだけ関わらないほうがいい。特に病院にいる幽霊は死んでいることを自覚して、呪ってくる奴もいる。幸せなのを見ると自分の生前と違ってるのが疎ましいとか。


「うちも陰陽師家系です。まぁそんなに有名じゃないですけど」


精々民間陰陽師だからな。しかも武士兼任だからそれだけでは食っていけなかったのだろう。陰陽師としてより武士としての方が有名だし。陰陽師なだけあって家は古い家系だ。千葉では有名らしいが。まぁ分家だしあんまり関係はないけどな。本家は結構な地主らしいが。


「へぇーだから幽霊と話していたんですね。でも変なのに絡まれたら面倒じゃないですか?」


「その辺は見れば分かります。悪霊は黒いのが少しでも出てますからね。幽霊と話せば暇潰しにはなるんですよ」


以外に古い幽霊もいるから歴史と違った真相も聞けるのが面白い。日本史は大好物だし。まぁ落武者がりにあった首なし幽霊とかいるから最初はびびることもあったが。処刑された首なしは危ない。


「まぁ病院はすることないですしねぇー。たまに死んでいることに気づかない幽霊が病院の人に話しかけてる光景を見ると切なくなりますよ」


あーいるな。事故現場で血だらけになっても気づかないでやたらと人に話しかけてる奴。そいうのは話すと憑いて来るから無視してるが。成仏するのにも時間がかかるしな。幽霊になっていると気づいてない分ナースコールを押すんだよな。新や幽霊が徘徊して押してるところを何回か見た。


「死んでることに気づかないと、無視されたと感じて悪霊になったりしますから病院の幽霊は非常に厄介なんですよね」


たまに病院からの依頼で祝詞を唱えて成仏させる依頼もある。病院は幽霊が多すぎるんだよな。まぁ死んでる人が多いからなんだけど。お陰でうちは陰陽師として生活できてる。


「はぁー私も成仏させる力があればなぁー。成仏させてあげるんですけど」


それにイケメン陰陽師にも目を付けてもらえるしと言った。まぁ見た目は美人だからな。だが陰陽師は力を重視する。だがらお見合いが多い。うちは自由にしていいと言われてるが。


「ねぇ私と付き合いません?」


「いや俺彼女いるんで無理ですよ」


「二人も三人も変わらないですよ」


「いやヤンデレが出てくるので無理です」


『私の事呼んだ?ねぇその女に靡かないよね?私とかなえしか愛さないよね?三人目は許さないよ。それともその女を成敗した方がいいかな?』


なんか美海の幻聴が聞こえる。ていうかすでにヤンデレ化してるし。これ以上付き合ったら死人がでかねん。まぁ美海とかなえ以外愛さないが。この二人以上の存在はいないし。



















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る