第8話 それでもあなたは書きますか?

 書くことは簡単です。

 多少なら面白く書くことも、それほど難しくはないのかもしれません。


 場合によったら、市販されている本よりも面白い作品を書くことが出来る作者も結構いるかもしれません。


 でもそれは、意味がないことなのかもしれません。


 作品が面白いかどうかが作品の良し悪しではなく、結果として売れたか、売れなかったかのみが『本当の意味の評価』なのかもしれません。


 小説家を夢見る、小説家を目指す多くのクリエイターのうち、ごくほんの一握りの者のみが勝者として勝ち残る激烈な闘いなのかもしれません。


 数万人に一人、場合によっては数十万人に一人がプロとして食べていける小説家になるのかもしれない。


 あとの大半の『小説家を夢見るマジョリティ』は、単に文字を並べることに腐心し、やっと完成したらゴミ箱に投げ込んでいくという、まったく非生産的な日常を繰り返すのみなのである。


 私の知り合いに、投稿サイトでは全く陽が当たらなかったクリエイターが、諦めきれずかなりの金額を支出して自費出版した。


 そこまでの覚悟がある人なら、もしかしたらプロの小説家になり得るのかもしれない。

 自費支出した額を上回るだけの売り上げを出せた場合に・・・・・


 長々と独り言を綴ってきたが、もちろんこれは私の極めて個人的な意見でしかない。


 もしあなたが、本気でプロの小説家を目指すなら、自費出版かより選別される可能性が高い小さな投稿サイトで頑張ることをお勧めしたい。


 なぜならコネも、抜きん出た能力もないと自負する作者なら、『選別される勝者率』を目指すよりも、『ゴミ箱に入れられる敗者率』がより小さいサイトの方が確率は上がるはずだ。


 同じ1万分の1の確率の場合、

 ①投稿数が1万作品のうち勝者は1作品、一方、敗者は9999作品となる。

 ②投稿数が10万作品なら勝者は10作品、敗者は99990作品である。


 当然のことではあるが、上記①の勝者である1作品に選抜されるなどとは夢にも思ってはならない。

 もちろん勝者が②の10人になっても同様である。


 むしろ敗者に着目し、①の9999の敗者のうちの1作品になるよりも、②の99990作品の敗者の1作品になる確率は10倍上がる。


 より敗者率の低い小さなサイトほど、敗者から脱出できる可能性も高くなるのだ。


 どうせプロを目指すなら、より小さなゴミ箱の中で、キラリと光ってみてはいかがでしょうか?


『常に敗者である』筆者は、このエッセイのほかに、俳句集、おバカギャグ短編集も作成しています。

 巡り合う機会があれば、ぜひ、冥土の土産に覗いてみてくださいね。(笑)


 最後に、つまらない独り言に最後まで付き合っていただいた、読者の皆さんのあたたかいご好意に感謝します。

 皆さんのさらなるご活躍を祈っております。


   希藤俊 拝


(完結)

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書くことの意味 希藤俊 @kitoh910

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