第7話 評価という名の選別

 作品には、読者によって『読まれるもの』と『読まれる機会がないもの』に分別される。


 これはその作品に係る様々な評価が行われて起る客観的な事実であり、かつ偶発的な結果である。


 この事実や結果については、作品にかかわる読者の動向や分別により発生したものであるから、これはやむを得ない。


 さらにそこに『評価』という作品内容とは、必ずしも対応しない要素が加わり、読者が行う客観的分別とは異なる選別も行われる。


 この選別は読者の分別に、必ずしも比例するものではなく、作者への抽象的応援行為や作品内容の商品的価値の有無などにより加点されるもののようだ。


 ようだと書いたのは、確信的な根拠があるわけではないからである。


 作品の選別には評価が加えられ、その選別により、読者の分別の動向がさらに大きく影響を受ける。


 評価という行為の中には、様々な要素があり、それらを基本的指標として、一応は対外的には公平化・客観化・一般化されている。


 基本的指標としては

 ⚫︎閲覧数

 ⚫︎フォロー数

 ⚫︎レビュー数

 ⚫︎様々なサイト特有の評価加点

 ★そして、さらには表には出ない商品的価値評価などがあると思われる。


 閲覧数・フォロー数やレビュー数などは本来、読者が自主的に行う作品への客観的な分別であり、本来は異論はない。しかし、高名な作者であって個別ファンを多く抱える場合には、これらも無名作家との歴然とした差異が生じる分別行為ではある。


 しかし、この分別においての高名な作者と無名な作者の差異は、キャリアの差、今までの努力の差、宣伝の良悪などから、公平性は一応担保されていると言わざるを得ない。


 なお、無名な作者であっても相互応援などにより、高名な作者との差異を埋める方法も一応は存在する。良し悪しは別としても・・・・


 問題は評価の基礎的指標として表面に出ない、恣意的な加点が加わるとしたら、読者が客観的事実として行う評価はほとんど、いや場合によってはまったく意味をなさないものになる可能性も強い。


 よく他のサイトが行うイベントなどにおいても、ランキング上位を無視して下位の作品が優勝することなどは、よくあることである。


 もちろん運営は商業ベースで行われるのが当然であり、プロが見て売れそうもない作品など、優勝させる意味などないのかもしれない。


 投稿中の読まれる機会がない作品は、まず読者の分別から外れる。もちろん運営からの恣意的な加点など与えられるはずもない。


 私の作品と同様に、頑張って作品を作っても、自らゴミ箱に放り込むようなものでしかないのだ。


 読者の分別に恵まれ一定の評価を上げている読まれる作品であっても、運営の恣意的加点がない限り、もし万が一幸運にもランキング上位に位置しても、優勝、作品化などの道を進むはずもない。


 そうだとしたら、何のための読者の分別なのか、ランキングなのか、意味など全くない。


 読者の分別に、ランキングの上下に一喜一憂しても99%意味などないのだ。


 選別され、商品化される作品は、もう既に運営の胸の中に抱かれているはずである。


 読者が行う分別としての評価には意味はあると思う。しかし真に選別される作品は、読者の分別評価によるものではなく、運営のプロとしての選別評価でしかない。


 各部門別ランキング上位10位ぐらいまでは、自己満足と名誉が与えられる、それ以外の作品はただ書いて自らゴミ箱に放り込むようなものなのである。


 だから順位が上がっても下がっても、それには特に意味などないのだ。


 時間がある読者の皆さん、ゴミ箱の中もたまには覗いて見てください。

 もしかしたら、あなたが気にいるものがあるかもしれませんよ!


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