シナリオの導入
GM:「ヴァレナからバスで砂利道を進むこと4時間、ようやく目的地のビノスに君たちはたどり着いた」
GM:「村の境界の門を通ると、そこは牧歌的な中世の農村を思わせる風景だった。ワラと板葺きの屋根の大小さまざまの家々が、腰くらいの高さの柵で分けられている」
GM:「家は全部で10軒はあるだろうか、村と外界の境界に近い
PL1「では教授は辺りを見回して独り言のように言いますぞ」
「おや、ここがビノス村ですかな。思った以上に中世そのものですなあ。」
PL1「ええと、教授は神父を探しているんでしたな?」
GM:「そうですね、教授はアルカス神父に書簡を出して、現地の「笑う子犬亭」というタバーン、日本でいうところのホテル付レストランみたいな場所で会う約束をしていた感じですね」
GM:「時代が時代なので日を決め、時間はおおざっぱに午後と指定していました」
PL1:「ふむ、お互いの風体は知っている?」
GM:「はい、写真等で既に知っています」
PL1:「うーん。」
PL1:「それでは周りを見回してみますかな。神父らしき人物が見つかるかもしれませんからな」
PL1「そういえば旅籠の看板は狼を象ってるんだっけ。」
PL1「神父を探すついでに、そちらを観察してみましょうかな。」
GM:「では「観察」に成功したか判定してみましょう。」
GM:「ええと教授の観察の数値は…99ですか。これサイコロ使う意味あるのかな? まあいいやどうぞ。」
このゲームではスキルの値が成功確率と同じと考えて良い。
つまり観察スキル99の教授は、99%観察に成功する。
サイコロ振る意味が全くないが、まあこれはこれで人の楽しみ方だ。ゲームマスターがとやかくいう事ではない。が、もうちょっと加減しろ。
1、クリティカル。
出目1はクリティカル。スキルがなくても自動成功と言って、運命を歪めたようにプレイヤーキャラクターにいい結果が起きる出目だ。
さて……。
PL1「では、ヘルメットの僅かなスリットから周りを見渡す教授は、その観察眼で目の前のありとあらゆるものを貫きますぞ。」
PL1「これまであらゆる神話的真実を解き明かしてきた教授の眼光に、一点の
GM:「では教授は旅籠に掲げられている、狼を象った看板をみつめると、その看板に奇妙な点があることに気が付きました」
GM:「看板に彫られている狼の図案、恐ろし気に歯をむき出しているが、その歯は四角形で奇麗に並んでいた。まるで人間の歯のようであった。」
GM:「教授はクリティカルをしましたので、以下の情報も追加します」
GM:「ゴルルコビッチ教授は、この狼の図案の細部から人間との共通点を読み取ります。この地に伝わる人狼の姿を彫り込んでいるのかもしれません」
――本当は特別な情報など、そんなものは最初から作っていない。
普通に渡す情報であったが、プレイヤーはクリティカルというものをすると、まるでモンスターのようにどんどん要求が大きくなっていくものなのだ。
適当に切り分けて渡してやればプレイヤーはそういうものとして受け入れる。ようはご機嫌を取ってやりさえすればいいのだ
「ふむ、諸君、あの看板を見たまえですぞ。」
「あの看板はこのビノス村に伝わる人狼をかたどっているのですぞ」
PL1:「そう言って二人に情報を共有しましょうかな」
「へー、このへんの人狼って歯が人間のまんまなんすね」
「あら、ほんとですわ。なんだか笑う子犬という割には生々しくて奇妙な感じですわね。」
「とにかく、中に入るとしますかな、食事でもして待っていれば、
そのうちアルカス神父もやってきますぞ。」
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