第二語 長山春子先生の湯舟【夕木春央先生の方舟②】
『心春日和』キャラクターイメージ案
ケンジ=長山ツキタ
ナユタ=長山ハルコ
岩井ヒロカズ=長山ダイキ
レゼ=長山ヨネ
ニャンボ=虎猫のニカホ
デンジ=夏目金之助
シベリアン・ハスキー=狼犬のライト
沢渡アカネ=大神月
絵梨=長門さん
クァンシー=カチューシャ
パワー=田口パー子
コベニ=西海アヅマ
アキ=秋野マンジ
姫野=秋野リン
タイヨウ=秋野ヨウタ
吉田ヒロフミ=吉井カズヒロ
マキマ=吉井マキコ
天使の悪魔=吉井天子
岸辺隊長=岸田校長
『湯舟』(タイトル「方舟」のパロディ)
銭湯に入った10人と2匹は
「誰かに着替えを全部盗まれてしまった」ので密室から誰も出ることはできません
「じゃあ湯桶で玉を隠せば?」とハルコは言いますが
「湯桶が汚くなってしまう、股間に当てた湯桶で頭を洗いたいと思いますか?わたしは嫌です」とカズヒロ先生が鋭い指摘をして、お湯から男性用のタオル一丁で出ようとしますが
「先生、タオル一枚では後ろから丸見えです、猥褻物陳列罪で逮捕される可能性も考慮してください」とツキタに突っ込まれます
「がははは!そうじゃそうじゃ!」とパー子はいい「アヅマ!互いに抱き合って出よう!そうすればケツしか見えんわい!」と言い、アヅマは「えっ、えっ、えっちだからダメ!」と恥ずかしがりますが
「それは過激すぎないか…」とダイキは言い、「あなた…」とヨネに叱られます
「ヨウタくんと私ならできるよ!片っぽの玉を見たことあるから平気!巻っこしよ?」とハルコはいいますが、ヨウタは「バカ!こっちくんな!」といい、ヨネは「ごめんねヨウタくん、こらハルコ!」と叱ります
「だから女同士ならセーフっていっておろうが!わしは心は男じゃ!」とパー子は「ひっ、ひいいい!」というアヅマを抱きます、それに便乗して「だってさ!二人で抱き合って隠せばいいじゃん!」とハルコは言いますが「えっちだからダメです」とヨネに怒られます、ダイキは「そうだ、そういうのは大人になってからだぞ?」と頷きます「あなたもう余計なことをいわないで」とヨネは冷たく微笑みます
ヨウタは「うちの母ちゃんよりおっかねえや」というとハルコとニカホは「そうだねぇ~(にゃ~)」と言います
「女性用タオルは男性用よりも長くて隠しやすいですが、女性がタオル一丁で旅館を練り歩くこと自体がまずい、ということですね?」とカチューシャ
「じゃあ男性の方に、女性用タオルを巻いてあげるのは?私は…別にいいけど、旅館の方ではアウトなのかな?」
と長門が要点をまとめて情報を整理します、推理は進んでいきます
ですが「私は…別にいいけど」という謎の文言にツキタは
一瞬「それは良くないって長門ちゃん…」と言って、長門は「えーと…そうかな?私はいいのに?」と言います
元カノなので意外とタオルの共有はいけるらしい
カチューシャは「ツキタ、私のなら貸しましょう、使ったタオルはもちろん弁償します」と言い脱ぎますが、長門は「カチューシャちゃんが脱ぐことないよ、私が脱ぐから」と言います、カチューシャは「いいえ私が責任をもって脱ぎます」といいます「私が先に言ったから」と両者は譲りません
ツキタは「それも旅館の人に聞いてからじゃないとダメだって…話聞いてくれよ…」といいます
ハルコは「もうハルコが先に思いついたのに!私が先!」と言います
ヨウタは「お前んとこ、似たもの兄妹だな(にゃ~)」とニカホに話かけます
「じゃあ僕とヨウタくんが行きます…恥ずかしいのも寒いのだって平気だし、いけるよね?」と言います
「おう!ハルコの兄ちゃんが行くなら俺もやってやらぁ!」と言います
「男性用タオルから股間についていた水滴が廊下に落ちるのは、私は嫌です」とカズヒロ先生が元も子もないことを言います
「先生、あの…それは…元も子もないのでは?」とツキタは返します
「どんだけ潔癖症なんだよこのオッサン…」とヨウタは呆れます
つまり、全員で推理した末に、湯桶もタオルも選択肢として使えないという結論に達しました
しかし、ある希望は残されており
ハルコ「じゃあお姉ちゃんと私の犬と猫で隠すのは?これはうちらのだよね~(にゃ~?)」といいます
長門さん「ほんとうだねハルコちゃん、猫と犬で隠しませんか?(ガルルル…)」と言います
「猫のニカホ」と「犬のライト」を抱いて下半身を隠して2人だけ脱出することは可能です
露天風呂なので、外は非常に寒いですし、しかも旅館には客もいるため裸は恥ずかしいです
つまり、選ばれた二人だけ裸のまま外に出て、浴衣を持ってこないといけないです
多くの議論がなされた末に達した答えは「ツキタと長門さんの二人」でした、「犬が落ち着くのは長門さんだけ」「猫が落ち着くのはハルコの兄ツキタだけ」ということもありますが
男女なら「ツキタ一人だけが出て女性の旅行客に通報されそうなとき、同伴する女性の長門さんが隣に居れば」ある程度は擁護は効きますし「長門さんがタオル一丁で出ても、一緒にいるツキタが他の男性の目から守ってくれる」という結論です、カチューシャは犬に噛まれそうだったので無理ですし、カズヒロ先生に至っては、女性のタオルはいいが、男性のタオルから落ちる水滴は無理です、と女性陣にドン引きされる発言をして、父ダイキは、ツキタは裸で猫を持ってけ、男を見せるときだ!となんだかよくわからないことを言って母に怒られました
そして、裸とタオルを撒いた、男女二人はダッシュで犬と猫を持って行きました
しかし、猫のニカホが逃げ出しました「にゃ~!」「あ、待て、おいニカホ!」と兄ツキタ
「ハルコのとこに行っちゃったね、やっぱりすっぽんぽんのツキタ君はここに残って、じゃあ…さよなら!」
と長門さんはいいます
実は、ヨウタとツキタはある共通点があり「そういや、お前も片玉だったな」とヨウタは言います
「なんで戻ってきたツキタ、男を見せるんじゃなかったのか?」とお父さんは言います
「いや僕は諦めない…父さん!右手に持ったそれを貸してください!」とツキタはいいます
ヨウタは「すげえな…」とハルコに言います「うん!」と誇らしげです
父ダイキは隠れてダンベルを持っていました、筋トレバカなので特注の防水性ダンベルを持っていたのです
「あなた…それはいつから持ってたの?」とヨネは目を疑います
「バレてたか…さすが俺の息子だな、わかった行ってこい!」といいます、そうしてツキタはダッシュでいきますが、ダンベルが重いのか遅いです、尋常じゃない重さで30kgあります
「長門さん…ハァ…ハァ…」とツキタは駆け寄ります
「え…?」と旅館の人を呼んで着物を着た長門さんは振り返ると
当時の旅館の観光客は、あの事件をこう語り継ぎます
「裸の大学生が股間に金色に光り輝くダンベルを抱えて走っていた」
「それはそれは重たそうに握ってたね」「光り輝いて見えなかったです」「少し若い頃を思い出したよ」
と旅館の女将と従業員は言います
「…とにかく、大学銭湯部のカズヒロ先生は教育的指導を怠ったとして、減給処分されたそうです、それ以外は問題なくてよかったです!」とハルコは正月の思い出を作文に書きました
おわり
兄が読むだけの百物語【長山コハル×藤本タツキの読了本レビュー】 長山春子 @mtkiki
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