第7話「森のゴリラと天使の子①」【猿のクトゥルフ編】

小春日和【猿のクトゥルフ編】

エピソード7「森のゴリラと天使の子の小猿日和②」


長門「あの先になにを隠してたのかにゃ~」

大神(ツキ)「が!離れろちんぴら!」

金之助「寄ってきたのはそっちじゃ…いてて!あ、あの先には墜落した巨大な宇宙船があんだよ!」

長門「宇宙船!?」

大神(ツキ)「…それで?答えによっては噛むぞ」

金之助「お前はなぁ、殺気立ちすぎなんだよ、やっぱ止めて正解だったわ、あの先にはな…」


場面転換

ハルコ「うおーニカホくさい!お風呂いこ」

ヨウタ「あのさ、その前に聞きたいんだけど」

ハルコ「え?覗きに来ないでよ?」

ヨウタ「ちげーよ、宇宙船の奥には何があったか、やっぱ気になってさ、言いたくないならいいんだけど…」

ガラッ

お風呂の戸が勝手に開いた?

長門「あ、ヨウタくんだ!ハルコちゃん、ごめんね、私たちツキタくんが戻るまでの間、泊めてもらえないかなー?」

大神(ライト)「ブルルルルル!」

ヨウタ「げ!?裸の姉ちゃんとデカ犬!?」

ハルコ「うん、いいよ、着替えでなんとなくお姉ちゃんかなって気付いてたし」

長山ヨネ「ヨウタくんもお風呂に入る?」

ヨウタ「いえ、お構いなく!」

長山ヨネ「あらそう…残念ね~?ニカホちゃん?」

ニカホ「にゃ~!」

長門「ヨウタくんさっきなんか言ってなかった?」

ヨウタ「あっそうだ!おいハルコ、宇宙船はどうだったんだよ!?」

ハルコ「あー宇宙船…んーとね、まあ別に隠すことでもないかなー、その代わりお願いがあるんだけどなー」


カポーン!と湯桶が鳴る音

ニカホ「にゃ~」

ヨウタ「あの、ハルコのお母さん、タオルとかわざわざありがとうございます…」

長山ヨネ「いいのよ?ツキタのだし、それともおばさんのがいいの?」

ヨウタ「いえ!そんな!」

長山ヨネ「あははっ!年下の子をからかうのって最高~、はぁ…じゃあ私のぼせてると思うから、先にニカホちゃんと上がってるわね~」

ニカホ「Zzz…」

ガラッ

結局のところヨウタは、ハルコとお風呂に入ることになったのであった、ハルコのお母さんはお風呂のせいか色気がものすごかった

ヨウタ「お前の母ちゃんすげえな、お前と全然違うっていうかさ」

ハルコ「しねしねしね!」

ヨウタ「おいやめろバカ!金玉触んな!」

ハルコ「も~!せっかく誘ったのにお母さんのせいで雰囲気が台無し!」

ヨウタ「で、その、宇宙船は!」

ハルコ「ヨウタくんさぁ…はぁ、ごにょごにょ…」


ヨウタ「え?天使の赤ちゃんが眠ってた?」


天使「Zzz…」

宇宙船の奥に、石の柱を組み立てたような祠、あたりには柿とかリンゴや蜜柑が散乱している、そこには天使の赤子がすやすやと眠っていた


場面転換

ツキタ「あれは、宇宙船!?」

カーチャ「ゴリラがたくさんいますね、まるで猿の惑星みたいです」

アヅマ「でも様子がおかしくないですか?やけに人間っぽいというか…」

ゴリラ「…」

ツキタ「カーチャさん、アヅマさん、たぶん、あれ全部クトゥルフに寄生されてるんじゃないかな…」

パー子「そうじゃ、あいつらはわしがみつけた、カーチャやハルコと同じクトゥルフじゃ、わしが猿のクトゥルフを狙っておるのは…」


襲いかかってきたゴリラに、ゴン!と頭突きを食らわすパー子

それにも怯まずガッと両手を掴み合うゴリラとパー子、力が拮抗しているようだ


パー子「これが!唯一のエイズに感染しない種族だからじゃ!」

ハルコからもらった鬼の片角がパー子から生えている


アヅマ「パー子ちゃん!危ない!」

パー子「は?」

ザン!と右腕が吹き飛んだ


一時間後


パー子「はっはっは、我にひれ伏せい!」

ずらーっとゴリラがひれ伏している


ツキタ「なんか加勢しなくてもよかったかも?」

カーチャ「んー、確かゴリラは一夫多妻制で、そのためゴリラは、たくさんのメスを相手にする持続力や大きさが求められるらしいです!」

ツキタ「へえ、カーチャさんは動物に詳しいんだね」

カーチャ「はい!動物園でツキタとデートするための事前知識です!」

ツキタ「はは…準備万端だね…」


パー子「わしの鬼の金棒を見たらふれ伏しおったわい!どうやら立場というのがわかったようじゃのお!」

アヅマ「パー子ちゃん腕が…腕が…」


パー子「ん?」

ゴリラ「ふん!」

ゴリラは猿の右腕をパー子に渡した

猿のクトゥルフの腕を装着するとパー子の片腕はみるみるうちに再生した


ツキタ「たしかにこんなでたらめな再生力じゃ、喧嘩で縄張り争いは決められないのか」

カーチャ「だから性器のぶっとさで決まる、ってことですね!」

ツキタ「カーチャさん、その控えて…」


パー子「よしこれでわしも猿のクトゥルフじゃな」

アヅマ「わっ!」

パー子「今日からわしらが森の主じゃ!ほれほれ!」

アヅマ「ひいい!」

パー子はアヅマをお姫様だっこをした、カーチャは羨ましそうに見つめていた


つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る