第9話「妻マキコと教師カズヒロ①」【天使のクトゥルフ編】
小春日和【天使のクトゥルフ編】
エピソード9「妻マキコと教師カズヒロの小天使日和」
アヅマ「ひぐっ…うきぃぃ…」
パー子「わしらの子が…愛の結晶が…」
校舎のなかで泣き崩れる二人
バリン!と廊下の窓が割れた
アヅマ「ひいいい!なんですかあああ!」
パー子「は!?おぬしは!」
ゴリラ「うほ」👍
場面転換
アヅマ「ふぇぇ、天使ちゃぁぁん…」
パー子「よしよし、安心せい、ゴリラ総出で探しに向かわせたからの…」
ゴリラ「…」
アヅマ「ぐすっ…ゴリラさん、さきほどは助けてくださり、ありがとうございました…」
パー子「まあ当然の働きじゃな、わしはアヅマが心配じゃからここにおる、はよいけ」
ゴリラ「…🦍」
アヅマ「ぐすっ…あれ?あのゴリラさんは…?」
パー子「ん?おいこらゴリラ、おぬしもさっさと探しにいかんか!」
ゴリラ「…僕はもともと人間だった、名前は岸田という」
アヅマ「え?パー子ちゃんなんか聞こえるよ?」
パー子「違う!このゴリラじゃ、急にしゃべりおった?」
岸田「初めにいうと、僕は性豪だった、教員になったのも若い女の子がいるからだ、しかし魔が差して、東南アジアで身売りする一夜だけの伴侶を抱いては、アルバムに一人一人大切に記録していた、ウホ」
アヅマ「うきぃぃ…こわいよぅ…」
パー子「わしらは夢でも見ておるのか?」
岸田「校長に就任してからも、懐妊させた少女たちのアルバムは、だいたい小学校の女子生徒の数に届くくらいだった、もうすぐ還暦を迎えていたが、貯金も遺産も娘たちの養育費に注ぎ込んだ、ウホ」
アヅマ「へえ生前もゴリラみたいな人間だったんですね」
パー子「すまん、なんも聞いておらんかった最初から言ってくれんか?」
~三分後~
岸田「そしてある日、僕の屋敷に家宅捜索が入りホームレスとなった、ウホ」
アヅマ「そ、そのニュース私!見たことあります!未成年売春宿をハシゴしてたヤリチン校長先生!」
パー子「おうおう、どうしようもないヤリチン猿じゃのお!百人抜きとはあっぱれじゃあ!で、うちの天子とその話になんの関係があるんじゃ?」
岸田「本題はここからだ、ホームレスの僕は動物園のゴリラと全員ヤルことにした、そして気がついたらボスゴリラになっていた、僕はメスを引き連れて森に帰ったんだ、ウホ」
パー子「やっぱアホじゃこいつ、頭が金玉で出来ておるのか?医者に診てもらえ」
アヅマ「でも元校長だから、パー子ちゃんよりずっと賢いと思うよ…?」
岸田「いやアホで構わない、自分でもそう思うからな…あ、ウホ」
パー子「この校長サイコパスじゃ、罪を自覚しておるだけ尚更たちが悪い、ウホも取って付けた演技じゃ」
アヅマ「あ、あの岸田校長!それで天子ちゃんといつ出会ったんですか?」
岸田「宇宙船のなかだ、そのときの天使はヒグマに育てられていた、ある日、仲間のメスゴリラが天使を持ち去ろうとして、背後から引き裂かれた、そしてヒグマとゴリラで縄張り争いの戦争になったんだ」
アヅマ「(あ、ウホつけるのめんどくさくなったんだ)ヒグマとゴリラ、どっちが強いんでしょうか…?」
パー子「わしゃヒグマ派じゃ、ヒグマに1000万賭ける」
岸田「僕はヒグマと一騎討ちをして、三日三晩殺しあった、その結果、僕はヒグマに勝った、この口の縫い目はそのときの傷痕だな」
パー子「じゃあ宇宙船に寝ていた天使は、元々はヒグマの子じゃったと?」
岸田「…うーん」
アヅマ「うーん?」
岸田「…ヒグマの子かというと、そうとはいえない、天使に聞いたら、ワシとかオオカミとか、点でバラバラなことをいう、まるで何か隠すようにだ」
アヅマ「つまり産みの親をしらない?」
岸田「…それか捨てられたショックで親の名前すら言いたくないとかだ」
アヅマ「それは、私もわかる気がします…私も似たような親だったから…」
パー子「アヅマ、愛しておるぞ」
アヅマ「うん、大好きだよ」
二人はいとおしそうに手を繋ぐと、視線をそらさずに見つめあっている
岸田「あと、ボロボロに破れた家族写真を大事にしていた、汚すぎてうまく顔が見えないんだが…ん?写真がない…まあいいか、ゴリラがやったんだろ」
岸田「それで、お二人さん話に戻るが?」
岸田は手を振って二人の視線に割って入った
アヅマ&パー子「は!?」
パー子「ちっ!おいクソゴリラ!」
アヅマ「すみません、続きをどうぞ!」
岸田「ごほん、えー、天使について思い当たる節があってだな…部下に優秀な教員がいて、そいつが嬉しそうに飲み会で話してたんだ、生まれた子には天使みたいな名前をつけるんだ…俺はそいつの子が、なぜか天使な気がするんだ」
アヅマ「あの、その…教員の名前は?」
岸田「ヒロ…フミ?いやヒロ…カズだったか?すまない、かなり昔の話でな」
アヅマ&パー子「あっ!」
アヅマ「カズヒロ先生!」
パー子「バツイチ男!」
岸田「え?なに?バツヒロ先生?」
聞こえなかったもう一回と岸田とパー子とアヅマはわいわいと宇宙船のなかで騒ぐ
場面転換
写真立ての結婚写真を見つめるカズヒロ先生、そこには妊娠したお腹をさする花嫁姿の赤髪の愛人、照れ隠しながら花嫁の腰に腕を回すカズヒロ先生が写っていた、その花嫁はまるですべてを委ねるかのように、白紳士服のカズヒロ先生の胸板に頬をすり寄せている、幸せな写真だ、まだこの頃はカズヒロ先生の顔にケガがない様子
「マキコ…お前を殺した宇宙人どもを必ず抹殺してやるからな」
カズヒロ先生は、そう告げると弾丸の装填された特殊な義手をカチャリと装着した
ザザッ
部下ゴリラ衆のリーダーが一人出る
部下「~~~…うほっ」👍
パー子「おうおう、天使の場所がわかったか、ご苦労じゃった、あとは休め」👍
アヅマ「ありがとうゴリラさん、必ず天使ちゃんを取り戻しますね」
ゴリラの両頬に二回ずつキスをするアヅマ、ゴリラは心臓を捧げるポーズをした、彼らなりの敬意の示し方だ
パー子「アヅマ!いざ出陣じゃ!」
アヅマ「おー!」
パー子は装着されたゴリラの右腕をぶんぶんとまわし、アヅマは猿の左手をコキコキと鳴らす、戦争の予感だ
場面転換
ダイキ「つまり宇宙船はだな!遠い宇宙からやってきたヤバいエイリアンが隕石みたいにどーーんっ!とやって来てだな」
ヨウタ「あのハルコのお父さん!説明がよくわからないんですが!」
ニカホ「にゃ~」
と二人はあぐらをかいて腹を割って話していたが、ダイキは説明が下手くそなようだ?
天使「ママ!おしっこ!おしっこ!」
長山ヨネ「あらあら!どうしましょ~!」
箱をもっておろおろとしている長山ヨネであった…
大神(ライト)「ハァハァ…」
長門「もう大丈夫よ、お疲れ様」
ツキタ「ごめんな無理させて…」
カーチャ「ありがとうツキちゃん」
ハルコ「お兄ちゃんおそーい!もうはやく!」
カーチャ「ここは、ツキタの家ですか?」
ツキタ「ああ、ここに天使ちゃんが来てるらしい」
ドドン!
長山一家はどうなってしまうのか、次週、怒濤のラストにつづく!?
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます