第10話「妻マキコと教師カズヒロ②」【天使のクトゥルフ編】
小春日和【天使のクトゥルフ編】
エピソード10「妻マキコと教師カズヒロの小天使日和②」
バタン!とトイレのドアが閉じられる
天使「しーしー」
ヨネ「はいはい、おしっこ出しましょうね~」
天使「あ、こぼしちゃった」
ヨネ「とにかく顔を見なければ実害はないはず…え!?」
天使「ごめんね」
ヨネ「どこにこぼしちゃったのかな~?」
天使「ここだよ」
ヨネ「もうからかわないでよ…え?」
ヨネは振り向くと天使ちゃんが顔を近づけていた
目を直視してはならないが天使ちゃんに両手で頭を掴まれている
天使「見つけたよママ」
グルグルと視界が歪み始める
ヨネ「やめて…天使ちゃんは私の子じゃ…ない…」
まさか天使ちゃんから視線を合わせてくるとは思わなかった
場面転換
神社の中で話すダイキとヨウタ
ダイキ「で、その宇宙船に…ん?」
ヨウタ「あの、どうしたんすか?」
ダイキ「さっき家に戻ったヨネさんと天使ちゃん、帰ってくるの遅くないか?」
ヨウタ「そうっすけど、でも女子のトイレを見るのは…」
ダイキ「ごほん!…それもそうだが、嫌な予感がするんだ、ヨウタくん一緒についてきてくれないか?」
ヨウタ「あ、はい!」
ヨウタは女子トイレに行くのを照れて気にしてる様子だが、ヨウタの前を歩くダイキの顔に陰りがさす、不味い予感が当たらなければよいのだが…
場面転換
(早く助けを呼ばないと、あれ?助けを呼ぶ?誰に?)
ヨネ「助けて…あなた…あれ?」
天使「おしっこおわったよママ!」
ヨネ「…」
天使「ママ?」
ヨネ「あっ!よくできまちたね~!えらいえらい!」
天使「えへへ!じゃあ、パパのところにいこ!」
ガチャっとトイレのドアを開ける
ダイキ「あれ?」
マキコ「え?」
ダイキはドアノブを引いて、向こうからドアノブを押したようだ、しばらく見つめあう二人
ダイキ&マキコ「…どちら様でしょうか?」
天使「ハルコちゃんがトイレを借してくれたんだよ!」
ダイキ「あー!そうだったかな?」
マキコ「ごめんなさい勝手にうちの子が…」
ヨウタ「は?何言ってんだよお前、ハルコは外に…」
天使「あーヨウタくんのえっち!」
ヨウタ「は!?お前、男だろ!」
ダイキ「ヨウタくん、天使ちゃんは女の子だぞ?」
マキコ「うふふ、照れちゃってかわいい」
天使「じゃあヨウタくん、わたしママと先に帰るね?」
マキコ「ごめんね、少ししか遊んであげられなくて」
ヨウタ「え?…ああ!お構い無く!」
マキコ「ご丁寧にどうもすみません、お邪魔しましたー」
ダイキ「はい、いつでもまたお越しください、天使ちゃんもまた遊びにきてね!」
天使「うん!バイバ~イ!」
ヨウタ「おう!じゃあな天使!」
ガチャ…
ヨウタ「あ、ハルコ」
ハルコ「ねえ、ヨウタくん…今のどういうこと?」
ダイキ「おう、ツキタ!これはまた大勢来たな~」
ツキタ「父さん!母さんは!?」
ダイキ「母さんは…お前が生まれたときに死んだだろ?幽霊でも見たか?」
ツキタ「…」
カーチャ「どうしたんですかツキタ?」
長門さん「さっきしらない子が帰っていったけど、ハルコちゃんの友達?」
ヨウタ「あー同じクラスのハルコか、天使が心配だから見送りにいってくるわ、あとトイレさんきゅな」
ハルコ「…なんで?そんな冷たいの?」
ヨウタ「なんでってお前、転校してきたばかりじゃん」
ツキタ「だから、父さんさっきの人がお母さんだって!」
ダイキ「おいおい、さっきの人はマキコさんだぞ?そんなに焦ってどうしたツキタ?」
カーチャ「ツキタさん具合が悪そうですね?」
長門「あっ!ハルコちゃんだめ!」
ツキタ「え?」
パァン!と平手でひっぱたいた
天使「うわ~ん!」
ハルコ「お母さんを返せ!」
マキコ「天使ちゃん!?大丈夫?」
と駆け寄るマキコ
ダイキ「ハルコ!何やってるんだ!」
ダイキがハルコを引き離す
ハルコ「ヨウタを元に戻してよ!バカ!」
ヨウタ「おいやめろって!さっきからむちゃくちゃだぞお前!」
ダイキ「すみません…あとできつく叱っときますから…」
マキコ「いえ、うちの子とヨウタが仲良くしてたから、仲間はずれにされたと思ったんでしょう…」
ヨウタ「おいお前、天使に手を出したら許さねえからな!」
ハルコ「うわ~ん!お兄ちゃああん!」
ツキタ「なんだよ、これ…やめてくれよ」
カーチャ「あの?私たちお邪魔かもしれませんね」
長門「もう帰ろっか、ごめんねツキタくん…」
大神(ライト)「くぅん…」
マキコ「あの?大丈夫ですか?」
天使「ごめんね」
と天使がツキタ詰め寄る
ハルコ「ヨウタくんにきらわれちゃった…どうしようお兄ちゃん…ねえ、どうしよう!」
ツキタ「ハルコ、ここは俺がなんとかするから…これ以上、家族を壊さないでくれ、もう帰ってくれよ…」
マキコ「ごめんなさい、ハルコちゃん傷つけちゃったね、帰ろっか?」
天使「でも…」
ツキタ「帰れよ!」
天使「うわ~ん」
マキコ「あの、もうなんといっていいのか…」
ダイキ「本当にすみません!すみません!お前らどうしたんだ!?」
ハルコ「ぐすっ…ひぐっ…お兄ちゃあん…お兄ちゃああん…」
ツキタ「ああ、ハルコ、俺はお兄ちゃんだぞ、心配すんな…」
もう家族がめちゃくちゃになった
ひとつだけわかることはお母さんがいないことをお父さんが受け入れてることだ
これからもずっと?母さんがいないことを受け入れるのか?
長門「え?どうしてここに?」
カーチャ「あれ、先生でしょうか?」
天使「パパー!」
カズヒロ「マキコ?…と羽の生えた天使?」
マキコ「あなた?」
大神(ライト)「ワンッ!ワンッ!」
長門「はいはい、帰ろうねー、じゃあまた明日、カーチャさん」
カーチャ「はい、また明日になったら、ツキタに聞きましょう」
ダイキ「なんだ?」
カズヒロ「いえ、なにも」
岸田「…ところがどっこいそうはいかないんだよな~」
長門「きゃあ!」
カーチャ「なにするんですか!」
金之助「手荒な真似してすまねえけど、あんたは危険すぎるから、目が覚めるまで箱に入ってくれねえか?」
マキコ「ここは?あれ、これは天使ちゃん?」
ヨウタ「あいててて、あれ、天使の母さん!?」
パー子「おい、そこのバツイチ男!わしとしょうぶせい!」
カズヒロ「なぜ?あのチェキはまだ現像してないですよ?」
アヅマ「チェキではないです、天使ちゃんを返してください」
ダイキ「はっ!俺は…一体?ハルコ?ツキタ?」
ハルコ「お父さん、お母さんを取り返して!」
ツキタ「父さん、まず落ち着いて聞いて、母さんが洗脳されて、あの翼の生えた子の母親と思い込んでるんだ」
ダイキ「話はわかった、ヨネは?」
金之助「ハコんなかだぜ、ガキも巻き込んじまったけどよ、まあ洗脳解けたかガキで確認しとくから、あとは旦那が好きにやってくれよ」
ダイキ「ああ、あのキザ野郎をぶちのめす」
目隠しするダイキ
パー子&アヅマ「くそ!目隠しじゃ当てられんわ!」
カズヒロ「お前ら宇宙人か」
義手を鳴らすカズヒロ、グローブから爆発音がなり、パー子とアヅマが吹き飛ばされる
岸田「…女の子だぞ?」
ダイキ「悪いが、その化け物を殺させてはもらえないか?」
岸田とダイキの蹴りと殴りが衝撃波が神社を揺らす
つづく
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