第11話「長山一家と吉井一家①」【蛇のクトゥルフ編】
小春日和【蛇のクトゥルフ編】
エピソード11「長山一家と吉井一家の小蛇日和①」
金之助「猫招き✊」
フッ
天使「あれ?お母さんはどこいったの?」
岸田「ん?この道端に落ちてたメスじゃダメか?」
天使「ぶー、違う、それじゃない」
岸田「あの人妻がいいのか、我儘な子だなまったく」
ポイッと岸田は二人の女の子を地面に捨てた
カーチャ「放してください!きゃあ!」
長門さん「いたたた…は!ライト!起きて!」
大神(ライト)「クゥーン…」
大神月は気絶しているようだ、こうなると得意の噛みつき攻撃もままならない状態である
ヨウタ「外の状態はどうなってる?天使のやつは無事か!?」
モミモミ
ヨウタ「なんだこの柔らかい感触は…」
マキコ「ヨウタくん、他人のママにそんなことしちゃダメよ?」
ヨウタ「わあ!ごめんなさい!」
マキコ「狭いところに閉じ込めているみたい、天使ちゃんが心配ね…」
ヨウタ「おい開けろ!誰かいるんだろ!おい!」
金之助「んー、まだ引き寄せるときじゃないな、もう少し長門さんがピンチになってから…わー金之助くんありがとー!おかげで助かったわー好き!大作戦を決行しよう…」
金之助はさきほどから神社の隙間から長門さんを見守っていた
金之助「パー子とアヅマちゃんは先生と天使を奪いあって勝手に相討ちになってくれると助かる、その3人と岸田は完全にあの天使のクトゥルフの親にされてるっぽいな」
ヨウタ「おいだせー!こらー!」
マキコ「ヨウタくんそんなとこ触っちゃ…やん!」
ヨウタ「ごめんなさい!ごめんなさい!」
金之助「うらやま…じゃない、ヨネさんとあのエロガキは天使のクトゥルフを庇おうとするから箱から出せない、まっさきにボコられたバカ犬は無視しといて、サカナ女はツキタのカキタレだからパス、この場合、ダイキの旦那に全員倒してもらい、あとは長門さんがピンチになった瞬間に猫招きして口説けば…にししし!結果オーライってやつだにゃ~」
場面転換
ツキタ「父さん!」
ダイキ「危ないから下がってなさい!」
ガン!と岸田の蹴りを受け止めるダイキ
岸田「余所見しちゃダメでしょ」
ダイキはなにもできない、せっかく致命傷を当てても、猿のクトゥルフの岸田は即座にキズを再生してしまうのだ
ツキタ「俺はなにもできないのか…」
ダイキ「そう気を落とすな、隙を見てハルコと神社に隠れてなさい」
岸田「あーあ…もう再生しちまったぞ?」
シュウウウワと再生し終えた岸田の両腕、するとポツリポツリと雨が降ってきた
岸田「雨か…お父さん風邪ひいちゃうなあ、なあ天使?」
天使「くしゅん!ズズー…ううっ」
体力勝負なら岸田は有利だが、ダイキは反重力拳を使う、迂闊に近づくとダイキの拳の引力に引き寄せられるため、本当なら一発必中の必殺技なのだが…
ギュルルルル…ギュ!
ダイキ「反重力拳!」
岸田「またそれか、よく飽きないね」
ドゴォ!
ダイキ「がはっ!」
ズザァ……
岸田「もう狩られる側だよ、お前さんは」
シュワワワァ
ただそれも超速再生するため、岸田の前ではまったく歯が立たない、そのたびに岸田は一蹴りずつ確実に当ててゆく、そうした小競り合いが続くうち、ポツポツと降ってきた雨はどしゃ降りに変わっていた
ザーーーーー…
ハルコ「お兄ちゃん、このままじゃお父さんやられちゃうよ…」
ツキタ「水で窒息させるか、火で燃やすかだオヤジ!」
ダイキ「ぜぇ…ぜぇ…わかってるが、どこにそんなものがある!?」
ダイキはもう立てるかどうかも怪しくなっていた、巨躯であろうとやはり人間、スタミナが限界でボロボロだ、戦闘面でも相性の悪さから分が悪かったといえる
岸田「もう次の一発で勝ち確定か、家に帰ったらショーシャンク見るか、なあ天使…天使?」
天使「うん、お父さん…」
天使はカズヒロ先生の様子が気になるようだ
場面転換
カズヒロ「確かにツキタくんのいう通り、窒息させれば、化け物も倒せるようだ」
パー子「カハッ…い…息が…」
アヅマ「パー子…ちゃん…」
先生は既にアヅマを一人倒していた、とはいえケガは再生しているが、麻痺状態にあるようだ、麻痺毒のようなものを仕込んでいるのか、義手には何か隠されているようだ?
シュルルル…シャアアア
カズヒロ「頸動脈はここかな?」
パー子「へ…び…」
カズヒロ「毒に触れると骨も溶けてしまうから、気持ち悪くてさわれないんだけどね、僕は潔癖症だから」
アヅマ「いつから…クトゥルフに…」
カズヒロ「うっかり指先にコイツの毒が触れて手首を切り落としたくらいの頃かな、バスケの顧問をやめたあたりですかね」
パー子「首が…と…け…」
シャアアア
カズヒロ「再生力が強い分、絞め殺すのに時間がかかるか」
アヅマ「ニン…ゲンじゃない…」
蛇のクトゥルフは這い寄る、そのあと鱗の入れ墨のような絞め痕を残す、まるでパー子は黒い蛇の紋様の入れ墨だらけだ
しかし、ふしぎなことに縛り付けられるパー子が宙に浮いており透明で見えない、カズヒロ先生はそれを義手のなかに飼っているようだ、スーツの袖は破けてまるで鯉のぼりのように腕のなかは空洞が続いていた、おそらく蛇のクトゥルフにとってカズヒロは脱け殻でしかないことがわかる、中身のどれくらいが蛇によって占拠されてるか、あまり詮索しないでおくべきだろう
アヅマ「パー子ちゃ…」
パー子「やめ…るのじゃ…」
カズヒロ「せめて仲良く死になさ…」
ザッ
長門さん「そこまでして先生はパー子ちゃんやアヅマさんを殺したいんですか」
グッ
岸田「ん?足が動かない?」
天使「どうして効かないの?」
カーチャ「愛の力です!」
大神(ツキ)「ガウ!」
金之助「チャンス到来にゃ~」
つづく
・天子の名前は最初は天使の子と呼んだ方が成立すると思います、理由はカズヒロが天子の名付け親なのに、天子の名前を無視してることが矛盾してます、天使と呼ぶことで、カズヒロは自分の子と気づかない、その方がよかったとミスに気づきました
・金之助は神社のなかの箱にマキコとヨウタを閉じ込めているのはヨネの認識改変能力が暴走しているから、ヨウタは洗脳が解けたかチェック役として巻き込んでいます、まずヨウタはハルコを認識できてないのはヨネによる認識阻害を受けてます
・それ以外の敵陣のクトゥルフと金之助は戦いたいと思わないし、ツキタやハルコやダイキは天子の標的にされているため、金之助が猫招きを使うと、天使に岸田を仕向けられると考えています
・金之助はギリギリで助けたら長門さんと吊り橋効果でモテモテになると思っており、この軽率な行動が後に失敗を招きます
・パー子とアヅマと岸田は、天子に託卵のクトゥルフ能力で認識改変されているため、天子を取り合うために強い親と殺しあっています
・ダイキとハルコとツキタは天子にとって不要な存在のため、特に影響を受けていないです、親として必要ない手駒だからです
・天子が入手した神のクトゥルフのヨネをマキコと思い込ませてます、カズヒロの母親になるように精神汚染をかけてます
・カーチャと長門さんは岸田に抱えられて戻されたので、天使ちゃんの精神操作にかかって手駒にされる可能性も高いです
この点を考えて戦闘状況は難しい、急に読むと混乱するため、まず金之助にざっくりとした戦況を分かりやすく語らせます
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