第13話「虎猫ニカホと鬼猫ハルコ①」【鳥のクトゥルフ編】

小春日和【鳥のクトゥルフ編】

エピソード13「虎猫ニカホと鬼猫ハルコの小鳥日和①」


マキコ「こんなボロボロになってしょうがない子ね…」

天使「ママ…お父さんが…」

カズヒロ「マキコ…生きてたのか…?」


マキコ「天使ちゃん、安心して」

天使「うええん…」

ハルコ「わたしのお母さんなのに!」

ツキタ「ハルコ待て、あれは母さんかもしれない…」

ハルコ「え?」


カズヒロ「マキコさん…そのバケモノから…離れるんだ…」


パー子「はあ、お前はバカじゃの~、自分の子をなんと思っておるんじゃ、こい!」

長門「パー子ちゃん!?まだ治ったばかり」

大神(ライト)「ワオ?」

パー子はカズヒロのシャツの首根っこをつかんでポイッと投げた


カズヒロ「ぐっ…手荒だな…」

天子「わたし、天子だよ?お父さん、ほらママを持ってきたよ?」

カズヒロ「天子?そんなはずがない、天子は母さんと一緒にバケモノに食い殺されたはずじゃないか…」

ヨウタ「吉井先生がバケモノと思っていたのは、マキコさんですよ、これあなたが破り捨てたんでしょう?」

カズヒロ「君にも見えるのか?それが…」

ヨウタ「俺には姿形なんてどうでもいい、バケモノと人間なんて、見た目の問題だけ、中身は普通なんです、だよなハルコの兄ちゃん」

ツキタ「うん、でも気になるようなら呪符をあげます、これで一応は人間の姿を認識できますので、どうぞ」

カズヒロ「君たちの家族は、なんでもありなんだな…はは」

天子「天使は嫌い?お父さんお母さんどんな娘が好き?」

マキコ「どれも好きだけど、やっぱりそのままが一番かな」

カズヒロ「マキコ、天子、僕は夢でもみてるのか?」

マキコ「夢じゃないわよ、ふふっ、天子もカズヒロも似た者同士ね、こんなことしても…ママはもう帰ってこないのに」

天子「なんで、帰ってきてよ?わたし、ずっと待ってたんだよ?」

カズヒロ「天子、この人は長山さんのお母さんだ、返してあげなさい」

マキコ「天子ちゃん、ほかに言いたいことはない?」

天子「ないよ」

マキコ「本当に?」

天子「岸田のおじさんとか、パー子ちゃんとアヅマちゃんのこと、いっぱい話したいことあるけど、これ以上ハルコちゃんとヨウタくんに嫌われたくないから…わたし…みんなと仲直りしたい」

カズヒロ「ああ、天子はえらいな…自分もできたらそうしたいが…」

マキコ「ふたりとも謝ればいいのよ」

カズヒロ「許してくれるはずが…」

天子「ほらお父さん、迷惑かけてごめんなさい」

マキコ「ごめんねハルコちゃん、ツキタくん、みなさんにご迷惑をおかけしました、こんな娘と父ですが、よろしくお願いいたします」

カズヒロ「この度は、誠に…申し訳ありませんでした」


パー子「どの口がほざいとるんじゃ!靴をなめい!あだ!」

アヅマ「許します!私たちも謝るよ!色々とすみませんでした!」

パー子「なんでじゃ!わしらはひとっつもわるいことはしとらんぞ!?」

長門「私も!天子ちゃん、お父さんはたいてごめんね!」 

パー子「むぅ…ついでに言っとくが…わしはお前を思ってやったのじゃ、すまんとは言わんぞ」

天子「うう…ごめんなさいいい」

マキコ「よしよし、よくできたね」

カズヒロ「天子、マキコ…皆様すみませんでした、この思い出は一生大事にします」

ツキタ「みんな…」

ハルコ「ぐぬぬぬ離れろー!」

天子「あいた!」

ヨネ「ハルコやめなさい!」

ハルコ「あだっ!なんで!?あっ!」

ヨネ「さて、今日はおしり百叩きですからね!」

ハルコ「おかあさん!あいだ!」

ヨネ「こら!逃げるなハルコ!」

ハルコ「うえ~ん!嬉しいけど嬉しくないいい!」

ヨウタ「バカ!後ろに隠れんなよ!盾にすんな!すみませんハルコのお母さん…」

ダイキ「うーん…あれ?どうなった!?」

ツキタ「父さん、もう終わったよ」

ダイキ「終わった?ああ!ヨネ!愛してるぞー!」

ヨネ「ちょっと恥ずかしいからやめなさい!もう!」

長門「ふふ」

天子「あはは!」

カーチャ「さすがツキタさんの家族ですね!場がなごんじゃいました」

ツキタ「いや、この結果はカーチャさんや長門さんやツキちゃんのおかげだよ、ぼくはなにもできなかったし…」


金之助「にゃはは…雨降って地固まってくれてよかったぜ…」

ハルコ「よかったね、お兄ちゃん」

ツキタ「ん?ハルコ?お兄ちゃんって?」

金之助「あれ、台詞ミスった?」

カーチャ「さてと、もうすぐ幕引きかな」

ツキタ「それってどういう…」


嫁「コンニチワーキシダサーン」

岸田「ん?あれはフィリピンパブのピンフちゃんとタンちゃんとサリーちゃんとローリーちゃんと知らない娘たちじゃないか!」

嫁「フィリピンカラキチャイマシタ」

娘「パパー!」

岸田「こんなに娘を産んでたのか…我ながら恐ろしい」

天子「うう…」

ぐいぐいとスーツを引っ張る天子

岸田「ん?どうした?」

天子「ゴリラのおじさん、いかないで」

岸田「それはできない」

天子「どうして?」

岸田「お前にはもう立派なお父さんがいるだろ」

天子「…」

岸田「あいつより俺の方が立派に見えるか?」

天子「あっちのお父さんがいい!天子を守ってくれた!」

岸田「ああ、そうだ」

天子「でもおじさんも同じくらい強かったよ!」

岸田「…そうだな、また今度会ったら、カズとどっちが強いか殴り合うかな」

カズヒロ「それはご冗談を」

岸田「いや、ゴリラは嘘はつかない、腑抜けてたら、いつでも殴りに行くからな?」

カズヒロ「校長先生…ご指導ありがとうございました」

岸田「ああ、あの子がまってる、いってやれ」

娘「ウワースゴーイデカーイ」

嫁「キシダサンゴリラミタイデスネー」

岸田「うほ🦍」


岸田「じゃ、僕はこれで先に帰るから、とりあえずお疲れ、あと、この被り物気に入っちゃったから記念に持って帰るね」

ハルコ「ありがとうねー、それゴミだから持って帰っていいよー」

金之助「師匠はこれで終わりっと、パワーもコベニもいいぞ」

パー子「さて終わりかのー、まったくひどいシナリオじゃったのう」

アヅマ「ええっ!?私は普通に面白かったですよ?」

ハルコ「私が書いたのにー!」

金之助「えーと、岩井パイセンとレゼさんもお帰りっと…」

ダイキ「俺もコベニちゃんと同じで、な、なかなかよかったぞ!?あのアンパンチ?ってやつ、これ公安でも使えたらなあ…」

長門「二人とも演技は素のままだったけどねー…じゃあ終わりかな、バイバイツキタくん」

ツキタ「え?あ、バイバイ?」

ヨネ「あ、デンジくん、先にカフェで待ってるからね?」

金之助「よっ…しゃあああ!やっぱレゼさんと俺はパラレルワールドでも結ばれる運命なんだよなあ~」

ツキタ「これは?カーチャ…どうなってるんだ?」

秋野凛「このあと打ち上げかな~」

秋野万次「あのー弟を迎えにあがったのですが、その前に…」

ハルコ「えっ?忘れてた!?」

金之助「アキ空気読めよ!あと少しで帰れたのによぉ?姫野先輩今日はデートなんで飲み会はまた今度で!」

秋野凛「お?後輩くんも言うようになったね~」

秋野万次「先輩まだ終わってませんよ、タイヨウ、先に行ってるからすぐ来いよ」

ヨウタ「うん!兄ちゃん!ハルコちゃん!宇宙船の話も抜けてたよ!じゃよろしくね!」

ハルコ「あーもう!どうしよー?」

カーチャ「私は最後まで残る、仕事はきっちりこなしたい」

ツキタ「これは夢?」

つづく

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