第5話「妹ハルコと同級生ヨウタ①」【猫のクトゥルフ編】
小春日和【猫のクトゥルフ編】
エピソード5「妹ハルコと同級生ヨウタの小猫日和①」
ハルコ「おーいニカホ~、ニカホやーい」
ヨウタ「おいハルコ、森のなかに入りすぎだぞ?」
ハルコ「おーい!ニカホー!」
ヨウタの注意を押し退けるようにさらにハルコの声が大きくなる
ヨウタ「明日テストだし、じゃあ俺は帰るから、おい聞いてんのか?」
ハルコ「うるさい!そんなことよりニカホの心配してよ」
むっとした顔のハルコ
ヨウタ「そんなことってなんだよ、お前のこと心配して言ってんだよ」
ハルコ「私とニカホどっちが大事なの」
ヨウタ「は?お前に決まってんだろ」
ハルコ「じゃあテストとニカホは?」
ヨウタ「テストだよ」
ハルコ「もういい、ヨウタは帰って、一緒に探すの、頼むんじゃなかった」
ヨウタは立ち止まってから、頭をガシガシっとかきみだした
ヨウタ「あーもうしかたねえな!ニカホとお前が大事、それでいいか?」
ヨウタは、ニカホで人差し指を立てて、そのつぎにハルコで中指を立てて、ツーサインを立てた
ヨウタ「…」✌️
ハルコ「ふんっ」
ハルコはツンツンして、そっぽを向いてまた森のなかを歩き始めた
そのあと背を向けて、距離を置いてから、手で親指を立てるサインをした、彼女なりのOKというサインだ
ハルコ「…」👍
ヨウタ「猫探すよりめんどくせぇ」
場面は切り替わる
ザッザッザ
狼犬に股がる女子高生、森のなかをザッザッと駆け抜けて風を切る
大神(ライト)「スンスン…」
狼犬は立ち止まり、パー子とアヅマを探すため地面の匂いをクンクンと嗅いでいる
長門「ツキちゃん、二人の向かった先、ちゃんとわかるの?」
長門は背中からよいしょっと降りながら、狼犬に質問をした
ボフン
大神(ツキ)「猿のいるところだよ」
さきほどの犬の姿から女の子の姿に変わる
長門「猿?」
大神(ツキ)「でも、おかしい、においが近づいたのに遠くなった」
長門「それってどういう…」
大神(ツキ)「…敵っ!」
ツキは何かに気がついたようだ、長門もその方向に振り向く
???「迷子の迷子の子猫ちゃん♪困ってしまって♪わんわん、わわ~ん♪あれ?にゃんにゃんにゃにゃーん…だっけか?」
金髪の男、猫の耳にピアス、八重歯がある、虎柄のシャツ、こんな深い森のなかで、チンピラのような男がいる…異様な雰囲気だ
大神(ライト)「ガルルルル!!」
長門「しーっ…あのう、チンピラさん?、この近くに二人の女の子を見かけませんでしたか?」
???「居たけど、こっちの道から来んの、やめてほしいんだけど、あとおれはよぉ、チンピラじゃなく金之助つう名前があんだけど?」
長門「ごめんなさい金之助さん、この先は工事中で通れないのですか?」
金之助「あーもうめんどくせえなぁ…ここから先は災いがあんの、それはそれは恐ろしい災いなんだぜぇ?」
長門「その先にクラスメイトがいるなら、なおさら心配です、お願いですから通らせて下さい」
金之助「二度は言わねえ、帰ってくんねえか?」
長門「帰ろうツキちゃ…あっ!」
金之助「ここ越えたらバチが当たるつってんだよ、わんころが」
大神(ライト)「ガウウウウ…」
長門「ツキちゃん大丈夫!?血が…!」
何かえぐられている、銃弾をかすめたような、わからない、肩の肉をえぐられている、何をしたのかも理解できない
金之助「これ返してほしいか?なら三回まわってワンで帰りな」
右手には抉られた血肉がある
大神(ライト)「…」
金之助「おい口を開くんじゃねえぞワンコロ、牙を向けた瞬間、余裕で首をもぎ取れんだぜ、猫の動体視力に勝てると思うなよ?」
大神(ライト)「グルルルル!」
金之助「ちっ…バカがよ」
すっと手のひらを向ける金之助
長門「さんかいまわってーわん!じゃあ帰ろうツキちゃん!金之助さんごめんなさい!」
パチンッ
金之助「そうそう、わかりゃいいんだ、ったくよぉこれだからワン公は嫌いなんだ」
パチンと指をならすとツキちゃんの怪我が塞がっている
大神(ツキ)「お姉様!まだわたしは負けたわけではありません!」
長門「ううん、十分だよ、無理やり連れていってごめんね」
大神(ツキ)「ぐぬぬ…いーっ!」
金之助「べー」
長門「あのそれでなんですが、金之助さん、私たち迷子なので道案内してもらえます?」
金之助「犬のお巡りさんに聞いてください」
長門「猫のお巡りさんでもいいかな~」
と長門は金之助の腕をきゅっとつかむ、胸も当てている、金之助は顔が赤くなり鼻が緩くなっている
金之助「猫のお巡りさん♪困ってしまって♪にゃんにゃんごろにゃーん♪」
長門「にゃんにゃんごろにゃーん♪」
大神(ツキ)「お姉様そんな…どうしてチンピラと…これは夢?」
女好きの怪しい金髪男に突如として寝取られたツキちゃんは脳が破壊されたのであった
長門「(ツキタ君…今あなたの頭のなかに話しかけてます…早く私を見つけないと、悪い男に靡いちゃうよ)」
場面転換
カーチャ「運動は得意じゃないですか?」
「ぜぇ…ぜぇ…いや」
カーチャ「今度三人でマラソン大会ですね」
カーチャ「海岸沿いを走るんです、私たちは海岸近くにあるパーキングエリアからスタートして、コンクリートの階段を音をならして降りるの
そこから市役所に向けてゴール、涼しいエアコンを受けて、飲み物を一杯」
ツキタ「それいいな…マラソンデートか…あれ?もう一人は誰なんだ?」
カーチャ「、海岸についたら元気な男の子が後ろにいて、ツキタは60秒くらい先に走る、私たちはそれをおいかける」
ツキタ「え?…それってなんの話…ぜぇ…」
ツキタは自転車を漕ぎ続けながら聞く
カーチャ「今日夢を見たんです、親子でマラソンデートしてる、あのドン引きしますか?」
ツキタ「俺もさ、一回だけだけど、お前が大きなお腹をさすってて、昼間の日射しが差し込む体育館で、カーチャが妊娠してる夢を見たことあってさ、なんか小学校の大会に来てたから、お腹にいたのって二人目だろうな…あ、ごめん引いた?」
カーチャ「ツキタも同じような夢を見るんですか?」
ツキタ「うん、ここ最近はカーチャさんと子供の夢を毎日見ててさ」
カーチャ「じゃあ、やっちゃう?」
ツキタ「そういうのは漫画家になってから…」
カーチャ「夢の中で見たツキタは、かなり若かったです」
ツキタ「俺も…夢の中では高校生くらいのお前が妊娠してたけどさ」
カーチャ「下には競泳用水着、着てますよ、男の人は興奮しますか?」
ツキタ「ごくり…いやでも汚すわけには…」
カーチャ「興奮…しませんか…?」
チラッとスカートをめくるカチューシャ
ツキタ「(そうか、だから長門さんはヘタレな俺と別れたのか…)」
ツキタ「カーチャやろう」
キィっと自転車を止めたツキタ
カーチャ「やろうってなにを?」
ツキタ「やる、ここで、アオカン、今度はヘタレない」
カーチャ「ツキタ!」
ドンドンドン!
猿のクトゥルフ「ウホウホウホ!」
すると森のなかから何かを叩く音が聞こえた、ドラミング
ツキタ「なんで日本にゴリラ!?」
カチューシャ「危険です」
場面転換
ゴウン…ゴウン…
ハルコ「映画みたい!」
ヨウタ「これやべえよ…もう帰ろうぜ…」
焼け野原になった森の土をえぐるように
エイリアンの宇宙船が墜落していた
つづく
修正版
この話は行方不明のクトゥルフの宇宙船が森で見つかったり、家族会議で死んだはずのニカホはどうやって生き返ったのか?が繋がってると思います。
群像劇でパー子とアヅマ、ハルコとヨウタ、長門と大神月、カチューシャとツキタ、となります。
あとチェンソーマンオマージュもしていて、ハルコとヨウタのハンドサインや、えっちなことを約束に戦うカチューシャとツキタなどもデンジとパワーと似た構図です。(過去ログ引用)
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