第4話「不良娘パー子と照れ屋アヅマ②」【鬼のクトゥルフ編】
小春日和【鬼のクトゥルフ編】
エピソード4「不良娘パー子と照れ屋アヅマの小鬼日和②」
パー子「ワシはお主のことが好いておるのじゃ!頼む先っちょだけでもいいから!」
という、興奮して顔が赤い
アヅマ「先っちょもダメです…」と
パー子「そこをなんとか!」
パー子の手にぐしゃっと握られた、甘くて美味しそうなストロベリークレープ、それを受け付けないと手を振るアヅマであった
パー子「はっ…早く咥えよ!もったいないじゃろ!」
アヅマ「そんなこと言われても…」
ぐちゃあ…
白いクリームの汁がボタボタと床に滴り落ちる、パー子が握ったクレープは溶け出してずいぶんと時間が経ってるようだ
パー子「口移しもダメか?」
アヅマ「もっとダメです」
すると、パー子はクレープをむしゃむしゃとくいだした、これでクレープはなくなった
アヅマ「やっとわかってくれた」
とほっと肩を撫で下ろすが…
ガシッ
アヅマ「え?」
パー子がアヅマの両肩をがっしりと掴んだ、クリームだらけの口のなかを見せつけるように、クチャクチャと口内を見せる、咀嚼音がエグい、いやなんかエッチだ…すると…
パー子「んちゅー!」
アヅマ「ひいいいい!うぎっ!」
パー子はキスをしようとしたら、アヅマは後ろに転げて、床に這いつくばりながら悲鳴をあげて逃げていった、パンツも丸見えだ
アヅマ「ひいいいい!」
パー子「ごくんっ…ちゅーもダメじゃったか、もう押し倒すし…あだっ!」
ツキタ「ダメに決まってんだろが!」
パー子の頭にツキタのチョップが入る
ツキタ「あのな、女同士でもセクハラだぞ?」
パー子は前の日からフィリピンで性転換手術をして、アヅマに猛アタックをしていたのだ
パー子「は?アヅマはワシのことが好きじゃから、相思相愛じゃが?」
ツキタ「それは思い込みだと思うが…」
しかし、パー子の過激なプレイは現に彼女に嫌がられてる
アヅマ「え!?」
パー子「すみませんでした」
ツキタ「すみませんでした」
と謝る二人、頭を下げている
パー子「クレープ押し付けてすまんかった」
ツキタ「アヅマさんには今度一切近づけないから許してくれないか?」
アヅマ「え、え?えっ!?」
ツキタが神妙なおもむきで、パー子を近づけないと話すが、アヅマさんは勝手に話が進んでいることに混乱している
パー子「あと、わしら付き合うことになったから」
ツキタ「ごめんな、アヅマちゃん」
アヅマ「えっ、え…うそ?うそだよね?」
アヅマは冷静になって、そういう話なのだと理解してきたようだ
パー子「わしらからだの相性がよくてな」
ツキタ「そこまではいわなくていい」
アヅマ「うそ?パー子ちゃんわたしのこと好きって…え?」
パー子は淡々と台詞を吐き捨てる、ツキタは少し調子に乗り出した彼女に突っ込むが、アヅマは脳を破壊されてるみたいだ
パー子「ああ、あれは嘘じゃ」
ツキタ「おいパー子!」
アヅマ「ひっ、ひっ、うわああああん」
パー子「はあ…じゃから言ったじゃろ?わしとアヅマは相思相愛じゃとな」
ツキタ「ご、ごめんよ~アヅマちゃん、嘘だよ、パー子これ嘘だよな?ドッキリ大成功~!いぇ~…」
パー子「は?おぬし最低なセクハラ野郎じゃな?アヅマ、こやつはただの嘘つき男じゃから安心せい」
アヅマ「ひぐっ…うぎっ…ほんと?ウソじゃない?」
ツキタ「そうそう嘘だよ~、ウソぴょーん」
パー子「お前のことは世界でいっちばん好いとるからの~、よーしよし、本当はあやつなんぞうんこ以下としか思うとらんからの」
アヅマ「ううん、いいよ、私も疑ってごめんね?」
ツキタ「おい」
パー子はツキタの悪口を言いたい放題である
パー子「ほら仲直りのちゅーじゃ、ちゅ~」
アヅマ「…それはダメ、ぜったい」
パー子「なんじゃ、つれんやつじゃのう」
ツキタ「ん?キスだけはよくない?」
学校では確かにキスをすると恥ずかしいとは思う、けど、相思相愛なら拒む理由もそんなにない、ツキタは変な違和感を覚えた
ハルコ「そんなの恥ずかしいからでしょ、バカだね~、ねえニカホ?(にゃ~)」
ツキタ「そうか、あーまあ、そうだよな、あいつらは普通か」
ハルコ「あ、でもわたし、保健体育の授業で、体育館でHIVの講演があったんだよ?」
ツキタ「エイチアイブイ?」
ハルコ「うん、エイズっていうらしくて、ツバから感染する病気のことだよ、恋人同士でキスしたら広がるから、大切な人が身近にいる人は検診を受けなさいとかいってたかな~」
ツキタ「クレープを食えない、キスはできない、エイズ…」
ハルコ「でね~、ふふっ、ヨウタくんがこっちを見てて、えへへ、やっぱり絶対ハルコのこと気にしてるんだよ、お兄ちゃん?聞いてる?」
ツキタ「あ、ごめん、聞いてなかった、なんて?」
ハルコ「むぅー!もういい!ハルコ寝る!」
ツキタ「ごめんごめん!悪かったって…」
ドタドタと怒って階段を上がっていくハルコ
ツキタ「なんか今日の俺、謝ってばっかだな…」
明日になるとわかることだ、キスできない理由がエイズとか性病の可能性があるとして、一応は長門さんに相談しよう
長門「ふーん、確かに検診受けた方がいいかもね」
ツキタ「だよな?」
カーチャ「なんの話ですか?」
ツキタ「いやキスする前にエイズの検査を受けた方が良いと思ってさ、あいつに…」
カーチャ「ツキタ、浮気男ですね、二人でそこまでいってたなんて」
長門「え?違うよ!」
ツキタ「パー子とアヅマのことだって!」
長門「ツキタくん!」
パー子「なんじゃ、お前、アヅマがエイズと言うとるのか?」
アヅマ「…」
アヅマさんが強張っている、なにか不味いことを言ったのか?また謝らないと…
ツキタ「昨日妹がHIVの講演受けててさ、もしかしてと思っただけだよ、なあ、長門さん?長門さん…」
カーチャ「今日のツキタは最低です」
長門「あのツキタくん、謝った方が良いと思う…」
パー子「ちょっと面貸せや」
ツキタ「え?」
パー子「ふんっ!」
ゴッ!
ツキタは気絶してしまった
カーチャ「キスしたら目を覚ましますか?」
長門「カチューシャさんって意外とピュアなんだね…あっ、起きた」
ツキタ「いてっ!うわ腫れてる…」
ツキタ「二人は?謝りにいかないと…」
長門「あのあと、アヅマさんが大泣きして、パー子ちゃんと急に居なくなって、授業もめちゃくちゃになったよ…ツキタくん、謝って済むことと悪いことがあるよ」
カーチャ「ツキタ、わたしは一緒に行きます、あなたはわたしのリュビームイだから」
ツキタ「ありがとうカーチャ、長門さんはここで待ってて」
ガチャと保健室のドアを開ける、手を繋いで廊下を駆け抜ける二人
長門「なんでカチューシャちゃんみたいに、一緒に行きたいって言えないの…わたし…」
ドンドンドン
大神(ライト)「ワンワン!」
長門「ライト?」
ガラッ
大神(ツキ)「背中に乗って、お姉様…」
ガラッ!とガラス窓が開け放たれる、さきほどの狼犬が女の子に変身したようだ
長門「ツキちゃん…うん、行こう!」
つづく
先に伝えると、女の子は情熱的なジェンダーマイノリティのキャラが多いです、リコリスや水星の魔女を見て最近はこういうのがよいのかーと思いキャラを華やかにしたいと思いながら書いたものです、諸注意を!(過去ログより引用)
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