第2話「元カノ長門さんと野生児ツキちゃん」【犬のクトゥルフ編】

小春日和【犬のクトゥルフ編】

エピソード2「元カノ長門さんと野生児ツキちゃんの小犬日和」


生き物係の日直当番の長門さんが、兎小屋で見つけた小学生三年生くらいの犬臭い子、なにかに飢えており言葉が通じない、概念そのものを食べて消すことができるクトゥルフ

※デンジと蛇の悪魔を足して二で割ったキャラ(マキマのシベリアン・ハスキー)


周囲から、誰の子?と言われても「ワタシ、誰、のこ、ワタシ、誰、のこ」としかわないため、名前は「の子ちゃん」としている

兎小屋のウサギをすべて食い荒らしており近くのキャベツ畑も似たような被害に遭っているという

かわいそうと思ったので、水泳部のカチューシャは大騒ぎにならないうちに、美術部の長門さんと相談して警察から匿っているが、女子高生のシャンプーや芳香剤の匂いが大の苦手らしく、同級生ツキタの長山家に預かってもらうことにした、ちなみにカチューシャは魚の匂いがするらしく腹が減って噛みつこうとしたところ、庇おうとしたツキタは腕を噛まれて、頭を撫でようとしたらさらに両腕を噛まれてしまったが、なぜか妹のハルコにはなついていた、同じ匂いがするらしい


妹のハルコは、の子ちゃんを学校につれていくことにした、母親の長山ヨネが認識阻害を使い、警察や学校の関係者は、長山ノコという娘は無関係で、家畜や畑の盗難被害は猪がやったことになったので、ツキタたちからすると元祈祷師の母親は一体何者なのか謎は深まるばかりであった


そして、学校に転入したことになった、の子ちゃんだが、給食の時間にパンを全部食べてしまったので先生に怒られてしまう、とにかく食べても食べても腹が減る特異体質らしく、「飢え」を感じるらしい


さらに怒られたことで、の子ちゃんはさらに腹が減ったと答えて、学校ごと食べようとしたところ、ハルコは自分の腕を切り落として与えた、姉としてこれくらい普通といい、あとで認識改変の術式を使わないといけないので、兄に連絡しようとしたところ


それでも飢えは収まらないため、最終的には月を食べて消してしまう


犬が月を見て二回吠えました、さてその子が満月を見た日はいつでしょうか?と問題を出して、の子ちゃんは、「答えは、ワンワン(1月1日)」と言いました


長門さんは、正解、えらいね、と褒めると、の子ちゃんは落ち着きを取り戻すと、食べた月やハルコの腕を「吐き戻して」、食べた概念を元に戻しました


長門さんいわく、の子ちゃんは褒めてあげると「飢え」が収まるらしく、彼女の飢えているものとは食べ物に対してでなく、「勉強を誰にも教えてくれなかったことに対する学習意欲への渇望」であるとのこと


これは飼い主から頭の悪い犬であると虐待され続けた犬のクトゥルフの記憶から、バカと言われると、の子ちゃんはストレスで過食症になってしまうらしい、そのため先生に怒られたことで異常な飢えが引き起こされてしまった、逆にいうと、人間のように勉強して賢くなれば褒めてくれる、と思い、賢い人間になりたいと願ったという

そして、「飼い主が虐待していた娘に寄生した」らしいが、人間になってもまともな教育を受させてもらえなかったので飢えが増すばかりだった、そのあと家主を食い殺して、父親がいたという概念を消滅させて、そのあとは野犬のように一匹狼で野良生活をしていた


長門さんやカチューシャは、勉強に集中しているときは腹が減らないらしく、よくできたねと褒めると嬉しそうにするという、これは犬の躾の特徴と似ており「飢え」は「勉強で褒めてもらえる」ことで満たされると考えている

今では学校のテストで一番優秀な生徒になっており、二人が先生がわりになっているため、の子ちゃんの空腹についてだいぶ落ち着いてきているという


ネイティブアメリカンでは「1月」は「狼月」といい「腹を空かせた狼が月に向かって吠えるから」という由来がある、そのため長門さんは「大神月(ツキ)」という名前を、名前のない彼女に与えた、長山ヨネが認識改変を使い、学校ではツキちゃんと呼ばれるようになっている、現在は長門家の養子として迎えられているという


つづく






以上です

長門さんはタツキの彼女をモデルにした人物であり、ツキタとカチューシャはカップルになるのですが、長門さんはそのあとどうなるか未定なので、犬のクトゥルフのお姉さんがわりになる、とかです

※ニホンオオカミの姿のときは大神月(ライト)と呼んでいる

 

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