7回目

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 ミーティングのあと俺は改めてギャルゲーの制作について考えることになった。今までだって考えていなかったわけじゃない。だけど今までは単なる妄想というか、出来れば面白そうくらいものだった。実際に誰かに話を持ちかけて協力を取り付けて、こうやって制作が始まってみるとまた違った思いがする。ありがたいような、もうしわけないような。もともとから半端な気持ちで始めたわけじゃないし、あの時に感じた運命のようなものを信じたから。これを誰かに伝えたいと。


「実際のゲーム制作って地味なものなんだな」


 鮮やかに華やかに雰囲気を盛り上げるゲームも中身は地味なものだった。計画、進捗、調整。やってみると初めてのことばかりで楽しいのと戸惑いもある。


「それに思ったよりやることがある。それ以外全部とか言ったけど大変だなこれは。だからって今更やめないどけな」


 まずはゲームエンジンの決定だな。今ではかなり便利なゲームエンジンも出ているみたいで、使いようによっては素材を組み合わせるだけでできるものもみたいだ。

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