4回目
13
今日も今日とてこの時間。何か進んだかといえば、進んだような進んでいないような。
経緯や状況として中々ないのであまり文句は言えない。
前向きに検討してくれているだけでもありがたいわけで。
「今日は何をしようね。澤村さんも霞ヶ丘先輩も忙しそうだしね」
「ちゃんと顔を出してくれてるから話は進めやすいけどな」
またしても加藤と俺の二人。持ち物はノートと漫画。
「そうだねぇ。あの二人ならきっとすごいものを作ってくれるよ」
「なんでそんな他人事みたいに言うんだよ。俺たちのゲームなんだぞ」
「それは分かってるけど、わたしたちは何をしてればいいのかな?」
「色々あるだろ。あと漫画おもしろいか?」
「色々ね。わたしには分からないけど。可もなく不可もなくおもしろいよ」
「それ、おもしろいって言うのか? まぁいいや」
ノートには恵美(仮名)ルートのダイアログと書いてみた。
名前は仮だから特に意味はない。それこそA子でも何でも。
「その漫画……前の続きか?」
「え、違うよ。あの漫画は家で読み終わったからね。一巻は持ってきてあるけど読む?」
「折角だがやめておく。梗概は加藤から聞いたしな。今日のは?」
「『廃執事はお家復興の夢を見るか』だよ。内容は主人公はある名家で執事をしていたんだけど、ある年に作物の不作で今でいうところの多額の借金を背負ってしまう。そこで責任を取って家の当主が引退して、ここの娘と主人公である執事の二人で借金返済を目指すって感じ」
「ほう。いわゆるお仕事系の話か」
「そうだね。でも娘のほうは家のことはあまり分からない普通のお嬢様だったから、色々と執事が大変な目に遭うんだ」
「展開的は娘の成長と執事への信頼が目的を成就していくんだな。味付け次第でコメディにも伝記的にもなるな。前の漫画との共通点みたいなものはあるのか?」
「二人がくっつくかは読んでる時点ではまだ分からないね。関連はあまりないかな」
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