小説が書けなくなるケース

 最初のケースは最初の作品だからこそと言えるかもしれません。

 私が小説を書こうと思い立ち一番初めに書き始めたのは異世界転移ファンタジーでした。

 異世界の兵士が異世界に転移して、そこで幾つかの戦術を学んで特殊部隊を作ると言う、何番煎じかの、しかも共感性が低い話でした。

 三十万字くらい何も考えずに書きましたが、途中で折れたんです。

 需要は然程なかったからではなくて、この話……面白いのか? と冷静になったからです。

 今にして思えば登場人物が多い割には、各キャラの個性が薄かったですし、主人公の人格が常にフラットに近い奴だったので山場も淡々としてしていました。

 そんな作品なのでカクヨムでは5KくらいしかPVは無かったのですが、それでも冷静になるまでは喜んで書いていました。

 書くのが楽しかったんですね、昔に小説なんて書きたいと思いながらも諦めていた私でも書けるんだと言う充足感があったのだろうと今では思っています。

 その充足感が冷めるほど、自分の小説は面白いのかという悩みは根深いのだと初めて気づいた時でもありましたね。


 今も書いていて楽しいのですが、楽しいだけでは駄目なんだと思っている節が私にはあります。

 それで色々と考え試して駄目になるパターンのなんと多い事か。

 基本的に私はプロットを書かないいわゆるパンツァー型です。

 ちょっとしたプロットを書く事もありましたが、どうにもそのストーリーから逸脱する傾向にあり、結局書かなくなりました。

 逸脱しても問題はないらしいのですが、私は定めた物から外れると悩む性質なのでいっそない方が良いかと思って書いています。

 が、そうなると寄る辺がないと言うか、話が詰まりそうだなという時に原点とは何かを思い出さねばなりません。

 そこで足踏みしてしまい、書けなくなることが多いのです。


 ふむ、こうして書いていると私の欠点が浮き彫りになってきますね。

 こうやって自己を分析することなく、或いはしたつもりになってやってきたと言う事でしょうか。

 カクヨムに登録したのが2017年の3月、今年の3月で6年になろうと言うのに今更気づくと言うのは怠慢だったかもしれませんね。

 だから最近頭にヴィジョンが浮かばなくなっているのかもしれないなぁ。


 まあ、それはさておき。

 私が一番後悔している書くのをやめた理由は、他の方の意見を特に考えずの取り入れた為にそれまで書けていた私のバランスが崩れて書くのを止めた事です。

 少し難しいし分割した方がとっつきやすいと言う忌憚のない意見を頂き、そう言うものかと手を加えたらガタガタと作品の空気や骨子が崩れて行ったのです。

 意見をしてくれた方を恨むのは筋違い、明らかにこれは私の怠慢でした。

 意見を取り入れるならばしっかり考える必要があったのに、或いはその意見を取り入れないと言う選択肢も考慮せねばいけなかったのにやらなかったのですから。


 私の性格や挫折理由を考えると、パンツァー型からプロッター型に変わるしかないかなぁと思っています。

 それもしっかりとプロットを書く方で。

 しっかり書くと小説書くのと同じくらいか、それ以上時間かかるんだよなぁとしり込みしていますが。

 小説を書いて途中で投げ出すのはやはり、読んで頂いた方にも作品にも不誠実なので取り組まねばいけないですね。

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