第6話 ドラゴン
ちなみに記者さん、駆除が大変な魔物の代表格って何だと思います?
……ドラゴン? あ~……。ですよね。やっぱりそう思いますよね。いや、実際、そうなんですよ。
私が話したかったのはドラゴンの駆除事例です。記者さん、カンがいいですね。
え? ドラゴンなんて駆除対象じゃない? あれは討伐対象だ、ですか?
いえいえ。依頼があればドラゴンも駆除対象ですよ。
ドラゴンは基本的には古城を巣にするんですよね。で、縄張り意識も強い。
おまけに強い。口から火を吐く、魔法耐性は強い、鱗は固い……ちょっと存在そのものが面倒ななんですよ。
でも、依頼されれば駆除します。私達駆除隊ですから。
まぁ、ドラゴンの駆除のときには全員隊員にあらかじめ覚悟はしてもらっていますよ。
なにせ、熟練の冒険者パーティでさえ、ドラゴン一匹に壊滅させられますからね。犠牲は当然出ます。
今回のドラゴン駆除でも、何人かがこんがり焼かれたり、ぺしゃんこにされたりしました。悲しいことですが。
え? あまり悲しそうに見えない? そんなことないですよ。鎧を着ているから表情がわからないだけですって。
えっと……ドラゴンは知能が高く、友好的な個体もいるから、無闇に討伐してはいけないのではないか、ですか?
……う~ん。すみません。ちょっと理解できないです。
私達は魔物駆除隊。そして、私はその隊長です。
極力、この世界に存在する魔物は、全て駆除したいんですよ。
だから、正直、人間に友好的だろうが、そうでなかろうが、私にとっては魔物であるということに変わりません。
ましてや、駆除のために大切な隊員を失ったとなれば、駆除対象のことは絶対に許しておけませんよね?
え? それで、その時のドラゴンはどうやって倒したのか、って?
最後まで立っていたのは私と副隊長、突撃隊長だけでした。
まぁ、最終的にドラゴンの頭部に剣を突き立てたのは私ですね。それでも、隊員達の協力がなければドラゴンの駆除はできませんでした。
私はただ……自分の持てる小さな力で、隊員達とともにこの世界の魔物を一匹残らず駆除したいだけなんですよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます