第3話 オーク

 そうですね……。あとは、オークとか、どうですか?


 オークというのは、中々に駆除は面倒ですよ。ゴブリンと同じように集団で生活する魔物ですし。


 その独自性は、人間の村を襲って、そこを占拠して生活する事例があることですね。


 占拠するってどういうことか、ですか? 簡単にいえば、男性は皆殺し、女性は……まぁ、簡単に言ってしまえば、奴隷にしてしまうのです。


 そして、なにより、ゴブリンよりもオークの方が知恵が働きますからね。


 仮にそうなってしまった場合、奴らは悪知恵を働かせるんですよ。助けに来た人達に対して、自分達が占領した村の女性を人質にするとか、平気でそういうことしますからね。


 そういう時はどうするか、ですか? そうですね。なるべくは被害を出さないようにしています。


 最近でも、オークから村を救った時もそういうことはありました。ただ、その時はオークのことを女性たちが進んで守ろうとしていたんですよね。


 たまにあるんですよ。それなりの期間、オークに支配された生活を続けていると、ね。


 で、オークの方も当然、私達が人間の女性に危害を加えることなんてできないと、考えているわけですよね。


 まぁ、そのおかげで、随分とやりやすい仕事だったわけですが……。はい? どうしました?


 その女性たちはどうしたのか、ですか? 先程言った通りですよ。被害は出さないようにオークの駆除を行いました。


 あの状況で5人もの女性を救出できたのは良いことでした。私としても穏やかな気持ちになりました。


 救出されなかった女性たちはどうなったか、ですか? えっと……言いませんでしたか? 私達駆除達の第一目的は、魔物の駆除です。


 駆除の際に生じてしまった被害に関しては、申し訳ないとは思いますが、割り切っているつもりですよ。


 それとも、記者さんは、私達を残酷だと思いますか? 悪いのは私達とでも?


 ……フフッ。すみません、冗談ですよ。そんなに怖がらないで下さい。


 もし、記者さんがオークの奴隷になったら、助けてあげますよ。


 ……なるべく、無傷で、ね。


 おや? 今のも冗談ですけど……面白くなかったですか?


 では、次は少し毛色の違う話をしましょうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る