エピローグ 「処刑機関の凡人」

「あ?アジトにいけだと?」

凡人が学校で経営者、教育者と共に生徒会の仕事をしていると騎士から電話がかかってきた、その内容は凡人たちがアジトに行けという事であった、凡人は拒否しようとしたが王を始めとした構成員全員が「首に縄をつけても連れていく」と言っているもで凡人は諦めたのである。

「よし、確認をするぞ」

教育者が二人にある資料を渡した、それにはしおりと書かれていた

「これは拠点に行くためのしおりだ、学校側には別の学校との交流と言ってある・・・が学校側も他の生徒に対して一応の理由が欲しいという事でね、それでこれを作った、まずは最初のページを確認してくれ」

「行事か?」

「まぁ理由だし」

教育者はしおりのページに合わせていくつかの確認をしていく、凡人と経営者交通手段は電車と舟なのでチケットが必要だが、それは既に教育者がとってくれているらしく凡人たちが用意するのは数日分の着替えと

「処刑機関の制服だ、ちゃんとあるな」

「はい!」

「・・・どこ行ったっけ?」

「凡人、直ぐに行こうか」

教育者と経営者は凡人を掴み機関の制服を扱っている店まで連行された、ついでに教育者と経営者も制服を作り変えた、そしてその代金は凡人の給料から減らされたのである。

「なんで?」

「凡人、君の給料は他よりも多く上げているんだよ、これくらいはいいだろ」

「確かに、帰ったら振り返るよ」

「教育者だな」

「そうだが」

凡人と経営者は学校に戻らずに教育者の家にいき、改めて順序を確認した

「二人は電車で港まで向かってくれ、その後に私が持っているチケットを渡すから、船に乗るよ・・でもその前に食事をするからね」

「そうなんですか?船は処刑機関の物では」

「いや、そうはいかないらしい、なんでも他の所からも来るらしく船が足りないらしいその為私たちは、公的の物だ」

「そうですか、確かに船の食堂は高そうですしね」

教育者は他にも確認事項を確認して、その日は解散になるが

「出発は明後日だ、忘れぬように尚各家庭には急な行事の確認と言ってある」

「用意周到だな、」

「まぁね、特に君の場合は家族に言ってないだろ」

「めんどくさいし」

そして日にちが流れる。

ーーーーーー

「凡人、寝坊したのはいい一応時間通りだからね」

当日になって凡人は港で正座させられていた、その理由は寝坊した凡人は間に合わないと思い護符で高速移動をしたのだ、奇跡的に誰にも気づかれていないのでニュースになっていないが、処刑機関である経営者と教育者には気づかれて現在怒られている。

「まぁいいか、後は他の皆に怒られてもらおう」

「あー行きたくない」

「お前のせいだろ!」

人数がそろったので三人は船に乗り込む、幸いにも船にはあまり人がいないので機関の三人の貸し切り状態であった、その為船の中にあるテラスで三人は会話ができたのである。

「皆揃うなんて、久しぶりだないつ以来だ?経営者」

「そうだな~大体二年ぶりじゃないか?私と凡人、教育者は基本的に日本にを中心に動いてるし、凡人は海外に行かないし」

「そうなのかい?なぜ海外に行かないんだ?楽しいぞ」

「単純に言葉がワカンナイ」

「「勉強しろよ」」

三人は高い飲み物を飲みながら話が続いている、途中でイルカの群れに会いイルカ達と戯れてることができたのだが、イルカにも舐められているのか凡人が攫われかけたが、教育者がなんとかした、その後に部屋でカードゲームをしたり学校の勉強を教育者に見てもらったり、経営者は進路相談をしたりと思い思いに過ごした、そうして三時間くらいしたら、降りる島に着いたのである。

「あーついた、けどあれだよな」

「そうだ、この島から小舟で向こうに見えるかもしれない島に移る」

凡人の言葉に教育者が北と思われる方向に指をさす、その方向には大海原が見えていて凡人は絶望した、逃亡を図ろうとしたが二人につかまって、小舟がある方に向かうが

「悪いね、お客さんこれしかなくて」

島の人が渡してきた船は今にも転覆しそうな船ではないが、なんと手でオールを漕ぐ船であった、いつもなら免許を持ってる経営者が船を運転するのだが、今回は

「頑張れ!凡人(とてもかわいい声で)」

「君の力を信じてる(とてもきれいな声で)」

「わかったよ!畜生」

凡人たちは荷物を船に(ボートだろこれ!)のせて凡人に船のオールを任せる為に教育者が針路を、経営者は周りを警戒する為に形を取り凡人はオールだけに集中した

「があああ、なんだこれ?こんなつらいの?」

「すごいな、重いのか」

「ただ単に辛い、これいつまで続けんの?」

「えっとだな、どうですか?教育者」

「あーあと何分だろう」

「助けてーーーゲーマー」

凡人は愚痴を吐いているが何とか続ける、途中で疲れが出てきたので経営者と教育者に変わったのだが、筋力が無さすぎて船が進むどころか下がっているので、凡人がやるしかなかった、更に航路から外れたりサメが来たりと大変ではあったが一時間くらいして、ようやく処刑機関の屋敷がある島までついた・・・が

「ぜぇ、ぜぇ、し、死ぬ」

「うん、教育者流石に」

「ああ、これは私たちも罪悪感がすごいな、筋力トレーニングするか」

「手伝おうか?」

凡人の死骸を見ながら話している二人の所に金髪の若い人が近づいてきた、彼は騎士であり、自家用機でここまで来たらしい

「二人の筋力トレーニング、俺が受け持とうか?」

「やめときます」

「経営者は本当に俺の事が嫌いだな」

「そういうわけではない、第一お前の訓練は人の人格が壊れるだろ」

「そうなのかい?」

「はい、教育者、主な被害者は凡人です。彼は野生に帰りました」

「・・・君は一回教育し直そうか?」

「ああ、勉強嫌いです、所は凡人はどうしたんですか?」

騎士は死にかけている凡人の方を見て教育者に尋ねたら、教育者が大まかに説明したその事を聞いた騎士は本当に筋力トレーニングをするべきだと考えながら凡人に向かって水をぶっかける、凡人は干からびた姿から水を得た魚のように復活して二人に突っかかろうとしたが、騎士に止められて二人に筋力トレーニングをさせる事を約束する。そして凡人にエナドリを渡して回復させる

「はぁ~回復って僧侶連れて来いよ!騎士」

「残念だな、俺もついたばかりだ」

今更だが、騎士は日本語を勉強したので日本語をしゃべれるのではなく、単純に護符の力を使っているのと、この島には言語を分かるようにする装置がつけられている

という事を記載し、凡人たちの様子に戻る。

 凡人たちは四人で島の中心にある屋敷に向かいその建物の中にはいる、そこには暗殺者がメイドの姿で掃除をしていた、入ってきた四人に挨拶をした後でそれぞれの部屋で待つように話すが

「凡人、あんたなんで死にかけたの」

「ここまで一時間オールを漕いだから」

「・・うんお疲れ様」

暗殺者は後でねぎらいも込めて、飲みものを持っていくといい、掃除に戻る。凡人も疲れていたので部屋に向かう

「お、変わってないな」

凡人が割り当てられた部屋は海が直接見れて、日当たりも良い条件が最高の場所であるが日当たりが良すぎるのであまり人気のない場所ではある。凡人は部屋に備え付けられていたベッドに向かって横になる、暗殺者が窓を開けていてくれたのか窓から心地よい風が入ってくる凡人はその身に来る風がとても暖かく、まだ夏ではない日本ではありがたい物であった、凡人は眼鏡を近くにおいてそのまま目を閉じる。


「起きなさい、起きなさい!凡人」

凡人が目を開けるととても赤い髪の美女が目に移る、そこにいたのはメイド服を着ている暗殺者であった

「リラックスできる紅茶持ってきたわよ、あと寝るならせめて布団を掛けなさい」

暗殺者は凡人のベッドの近くにおいてある机に紅茶の入ったポットを置いて凡人を起こす、凡人は目をこすり何とか目を開ける

「暗殺者か、目の前に美人がいたから異世界転生したかと思った」

「あら、嬉しいわね!でも疲れてるからと言っても布団を掛けないのはだめよ、ほら紅茶も持ってきたから飲みなさい」

凡人は暗殺者から紅茶をもらいそれを飲む、暗殺者も微笑みながらも凡人の隣に座り紅茶を飲む暗殺者の入れてくれた紅茶はとても美味しいらしく、凡人の下をうならせた

「相変わらず、美味だな」

「それはよかったわ、貴方はコーヒー派とかの派閥がないのはありがたいわ、他の人は結構うるさいのよ?」

暗殺者は凡人と紅茶と飲みながらもメイドとしての愚痴を凡人に吐き出す、はっとして凡人に謝るが凡人もメイドとしての暗殺者の事を知っているので特に気にせずに「続けていいぞ」と言った、普段は特にやる気も無く、めんどくさがりの凡人だが処刑機関の構成員の別の面も知っているのでそちらの方での愚痴は聞くようにしている。

「悪いわね、でもあんたは愚痴とかないの?」

「いや別に、俺の場合は普段も機関も特に変わりはないし、飯食えば自分のストレスは解消される」

「あら?私たちに対するストレスはあるのね?」

「ある時はある、お前もそうだろ?」

紅茶を飲みながら、凡人との会話を楽しむ暗殺者はとても楽しそうに話す姿を見て凡人は本当に暗殺者も普通の女性としての行動ができると考えた

「そういや、暗殺者はなんでメイドに」

「私の普段の仕事よ?」

「そうじゃなくて、お前は暗殺者の役があるだろ?なんでここでもメイドの仕事をやる意味だよ」

「あ、それね・・簡単よ!私はメイドの仕事をしないと落ち着かないの」

暗殺者はそう答えて紅茶の御代わりを凡人に注ぐ、暗殺者のメイドとしての仕事をあんまし見ていなかった凡人にはとても珍しかったので見入ってしまった、

「(それにしても、ちゃんと見てみると確かに美人なんだよな~)」

暗殺者の所作は本当に美しく、見ている人が全員見入ってしまうような「美しい美術作品」のような物で凡人でもスマホで撮ってしまった

「あ、悪い」

「ふふ、別にいいわよ私も撮られるのは珍しいし」

「そうなのか?」

「ええ、私が働いている宮廷では写真にとる事をよしとしてないのよ」

「なんで?」

暗殺者は紅茶を飲みながら宮廷での話をする、暗殺者曰く、メイドとしての仕事はちゃんとしているが同僚は、仕事をせずに暗殺者に見とれてしまっているらしい、そのせいで仕事の進みはかなり遅い

「アンタの美貌は危険物か?」

「ある意味ね、そのせいで仕事をしたくてもできなくなったの」

暗殺者はメイドの仕事を好きだったので満足に仕事ができないのはストレスであるので、処刑機関の拠点でメイドの仕事ができるのはとても恵まれていると思い暗殺者として、そしてメイドとしてここで仕事ができているのはとてもうれしいと凡人に笑顔で語ったのである。

「じゃあね、ちゃんと休むのよ」

暗殺者はそのまま仕事に戻ったので、凡人はまた眠りについた。


ーーーーーーーーーーー

「ふあぁぁ」

凡人が目を覚ますと既に時間が迫っているので、凡人は制服に着替えて円卓に向かう、円卓とは処刑機関の会議をする場所でありそれぞれの席が決まっている。

「行くか」

凡人が来ている制服は処刑機関の制服であり、全体的に黒い制服で軍服のような作りになっている。凡人はそれを着て円卓のある部屋の前に着く、凡人が扉をノックして中に入る

「凡人、入る」

「ああ、入れ!」

中から王の声が聞こえて中にはる、部屋の中は中心に円卓が置かれてその席にそれぞれの構成員が座っている、凡人以外の全員が座っていた

「来たか、早くすわれよ」

「騎士もいるのかよ」

凡人が席に着く、凡人の席は王の対角に位置されている。

「では会議を始める、まずはメンバーの把握だ、まずわしである。」

凡人の前に座る老人、王が声を出す、そして王の右隣に座る女性が立ちあがる。

「僧侶です、怪我をしたら私に行ってね」

次に左に座る青い髪の青年が声を出す

「戦車、今日は来た」

戦車の次にその対角に座る金髪の鎧を着た青年が声を出す

「騎士だ、凡人よく来たな」

その隣に座る、女性がめんどくさそうに声を出す

「開発者、今日の議題は何」

更に対角に座る、男性が声を出す

「創造者」

隣にすわる女性が頭を押さえながらに

「暗殺者よ、皆頼むから」

暗殺者の正面にいる女性が暗殺者に香水を渡しながら

「教育者だ、暗殺者、香水使うか?」

次に教育者の隣にいる

「経営者です」

更に経営者の隣に座る男性

「ゲーマーでーーす」

そのゲーマーに攻撃しながら

「支配人です」

支配人の隣に座るのは

「自由人よ、今回は本体できているわよ」

最後に王の正面に座る高校生の男の

「凡人だ、まだ疲れが取れないんだが?」

凡人までの挨拶が終わった後に、王は皆に資料を渡し議題を話す

「今日の議題はこの前の異能の護符についてじゃ、みんなのおかげで政府から仕事は落ち着いた、しかしそこで一つの問題が起こった」

王の話に僧侶が王に聞く

「その問題とは?」

「うむ、羽衣テンペストについてじゃ」

王は羽衣テンペストについての大きな概要を話す

「羽衣テンペストは凡人に護符を与えるシステムである、凡人は知ってるな」

「まぁな、けど俺は余り使われなかったぞ」

凡人の言葉に機関のメンバーは驚きを持つが、どうせ自由人のせいだと思いそれ以上は考えなかった

「まぁ、それはどうでもいいとして・・羽衣テンペストは護符を与えるとは言ったが何も無から何かを生み出すという事ではないんじゃ、凡人の場合は最初から護符に近い能力があったのじゃ!」

「そんなことあり得るのですか?」

「まぁ、経営者の考えている事は分かるが、別に珍しいことでない。そもそも自由人という例外があるのだから、そういう条件もあったってもいいじゃろ?それと凡人の場合は色んな所で行動をしているからな、好奇心の塊が服着て歩いているお前はそんな事があってもいいじゃろ」

「いいのかよ!」

王はそこから羽衣テンペストの続きを話す、曰く「羽衣テンペストの本当の役割があるが、それを話す事はむずかしいらしい」王は羽衣テンペストについてはそれ以上に話す事はしなかった、そして王は次の項目について話をはじめる。

「凡人の護符についてだ、凡人の護符は雷撃の園という物でその効果は雷じゃ」

その言葉に騎士が手を上げて、聞く

「凡人の護符については分かりました、けれども自然現象が護符になるのですか?」

「ああ、それは別に前例がなかったわけじゃない、資料の五枚目を見てくれ、この資料にもあるように過去に自然現象が護符になったケースもあるので、凡人の護符が雷と言うのは別に珍しい物ではない」

王は暗殺者にホワイトボードを用意させて、そこで説明を開始する。護符の仕組みについてだが、主に凡人の護符が中心である、凡人の護符「雷撃の園」は雷を集めて自分の思い通りに変化さえるという物であり、戦闘においてはその特性を上手く使い戦場を混乱させることができるらしい

「更に開発者の研究結果を見てわかる通り、凡人の護符は他人との戦闘において強力な力を出す事はできるが、個人の戦闘それも、近接戦という縛りではあるが、その状況こそが凡人が一番戦える状況ともいえるらしい」

これに開発者も補足説明をする、凡人は雷を纏う事で自分の身体能力を底上げすることができるが、その場合は負荷がかなりあり使用後は動けないほどの物で暗殺者との連携で一番強さを発揮するという物である。

「ここまでの説明で分かったようじゃが、凡人は近接戦においては一人でも大丈夫じゃが、それ以外の戦闘では他人との協力・・・それも暗殺者や経営者と言った協調性が強い物達の方がいいじゃろう」

そこまで話すと一度会議を中断して、暗殺者にお茶を頼む王は次の資料を見て次の議題の長さに息を切らせていた、凡人は会議の中断中に目を閉じて瞑想する、こうした方が他のメンバーに話をかけてこられないので凡人は過ごしやすいのである。

 他のメンバーも凡人にあまり話しかけないのは凡人は会議だけでもめんどくさいので、来ているだけでもうれしいからである。

ーーーーーーーーーーーーーーー

「では、次の議題に移るぞ!この議題では処刑機関の全体についてだ、まずは戦闘をメインにしている者達についてだ」

「騎士である俺と、戦車だろ?」

「ああ、それに凡人も加えようかと」

「なんで?俺も?」

「お前と自由人じゃ、政府に言われてな?戦闘が二人だと手がまわる可能性があるので、もう二人をつけて欲しいと」

「なんで俺?」

お前の護符が使えるからだろうよ!というみんなの心を支配人が言おうとしたが、自由人が支配人に目を向けて、やめときなと送った

「わぉ、お前自分の護符だと気づいてないのか?」

「「「「「「「「「「言うなよ!」」」」」」」」」」

何のために皆言わなかったと!と言う事を声をそろえて言ってしまった、構成員の皆さん、凡人もふざけんなと王に言い放ち殴りかかりそうになるが、戦車が王を殴り、騎士が王のひげを刈り取る

「わしのーーーーほげええええええ」

「「ざまぁ!」」

「貴様らおあおあおあおあおあおあ」

そのまま会議中だというのに、経営者と教育者を除いた全員で乱闘騒ぎになる、経営者は凡人を連れて外にでる、教育者はメンバーをなだめようと中に残る。

「ふぁぁぁ」

「眠そうだな」

「まぁな」

凡人は経営者とコーヒーを飲みながら、乱闘が終わるのを待つが、時間が経つにつれて激しくなっていく

「いいのか?」

「何が?」

「戦闘のことだよ、私は反対だよ」

経営者は凡人が戦場に立つことを反対しているが、凡人自体は別に問題ないというように経営者と話している。

「どうせ戦車と騎士がなんとかする」

「いいのか?」

「いいだろ」



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