終章1章 事後報告「羽衣テンペスト」

入浴と食事も終わり、一同は再び集まり会議が開かれた(因みに自由人である私の傀儡が地の文を担当しているよ)

「よし、報告についてだが」

「それなら一ついいか?」

ゲーマーが口を切り出すところで凡人が話始めようとしていた、珍しい凡人の行動で暗殺者と支配人の二人は驚いている

「なんだ?」

「今回の事を全て、王に報告してくれ」

「な!なにを」

「頼む」

凡人は胡坐をかきながらも頭を下げた、ゲーマーはそれ以上の問答は不要だと判断し、報告書にはありのままを書いたが、暗殺者から聞いた最後の言葉に詰まった

「羽衣テンペスト?知ってるか支配人」

「いいえ、私も知らない・・暗殺者ちゃんも知らないとなると、凡人はわかる?」

凡人は周囲の言っている事に何のことかと理解できなかった、

「羽衣テンペストについては皆知っているんじゃないのか」

「知ってたら、困惑してない」

「そりゃそうだ、」

凡人は頭を書きながらも三人に言った

「羽衣テンペストはシステムの話だ」

「「「システム」」」

凡人はここで羽衣テンペストについて知っているのは自分だけだと気づき、どこからか紙とペンを出して説明した

「まず、羽衣テンペストのシステムだけど・・・これは単純だ護符を作り出すという事だ」

凡人曰く、羽衣テンペストは政府から処刑機関に預けられた物で所謂「一般人に護符を授ける機械」であるが、その複雑な作りから凡人はシステムと呼んでいるしかしこのシステムは一つ欠陥があったのである。

「このシステムは凡人以外には聞きにくいらしい」

「いや待て!効果の方じゃないのか?聞き取りにくいじゃないのか?」

「知らん!俺に聞くな、王に聞け」

「身も蓋も無いような」

「支配人・・・諦めて」

支配人は諦めた、ともかく羽衣テンペストについてのあらかたは概要は理解した三人であったが、凡人はあくまでも知っていることを話しただけに過ぎない

「支配人にゲーマーでも分からないなんて、凡人もいくつか分からない事もあるのね、羽衣テンペスト・・・なんか臭いわね」

「確かに、俺も風呂は臭かった」

「そこじゃないわよ!あとアンタの場合は匂いが苦手なだけでしょ」

暗殺者はそこまで突っ込んだ後に息を落ち着かせてお茶を飲む、暗殺者は報告書の内容の最後の欄は

「羽衣テンペストと言う曲を聞きたかった、でいいわよね」

「いいのか?」

四人の会議を終えた後に、その日は寝る事になったのだが

「暗殺者と支配人が並ぶのはいいぞ、けれど」

「どうした?凡人」

「なんで一緒の部屋なんだ?普通ゲーマーと俺との相部屋でお姫様方で一つの部屋だろ?なんで?」

「「「経営者に聞いてくれ」」」

凡人も諦めた、諦めて四人で並んで寝た・・・凡人の両隣にはゲーマーと支配人がいた(因みに暗殺者は壁に背中を預けている、ゲーマーは徹夜でゲームしていた、寝ろよ!)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「・・・朝か?」

翌朝になって目を覚ました凡人、支配人に抱き着かれているが凡人は諦めた、ゲーマーは枕元にゲーム機が置かれていて、暗殺者は服がはだけている。

「こいつら、真面目に寝ろよ」

凡人は支配人を引きかがして持ってきた服に着替える・・が

「ぼーんじ~ん、お酒~」

「支配人の寝言か?てか離せよ」

凡人は無理やりに何とか引きはがした(本当に)凡人は寝間着からパーカーに着替えて、宿のバルコニーに向かう、そこで缶コーヒーを飲みながら今回の事をはじめから思い出した、そこで凡人は一つの疑問に行きつくが自由人が噛んでいると思い、可能性を捨てた、凡人はそのまま宿の食堂に向かう

「・・・?」

凡人が見つけたのは一つのカードを見つけた

「(これは・・処刑機関のメッセージカード?でもなんでこの宿に?勿論俺たちがいるのは知っているだろうが、なぜこのタイミングなんだ?)」

凡人は警戒をしながらも食堂に向かう、そこには既に三人が食事をしていた、凡人に気づいた三人はテーブルに誘って食事を始める。

「にしても、あの報告書で王は納得したけど、騎士の事は聞かなかったな」

「そういえば、暗殺者は騎士と会話はしなかったの?」

「したけど、直ぐに消えたわよ」

凡人を除いた三人は考察を初めているが、凡人は気にせずに食事をしている。

「(まぁ、そうだな・・・騎士は何を考えているかは知らんが)」

凡人が一人食事を終えて、直ぐにまたバルコニーに向かう

「カードの通りなら来るよな」

「ええ」

凡人がバルコニーの椅子に座っていると一人の女性が姿を現す、その女性は「幻想的な服装に、白よりも更に白い腰まである長い髪を先の方で結んでいる、まるで女神のような女性である」

「こんな感じかな?陽哉」

凡人は女性が自分の名前を知っていることよりも、その容姿に純粋に驚いた

「(今まで色んな人間・・・自由人を見てきたがこれはすごいな)」

「ありがとう、私もうれしいよ」

女性は凡人の隣に腰を下ろし、飲み物を作り出した

「なんかの能力か?でも護符じゃないな」

「ふふふ、その感じだと私が自由人だと気づいているね」

「まぁな」

自由人はクリアブルーの飲み物を凡人に渡し自身も同じ飲み物を飲む、凡人も好奇心に負けて口に入れる、瞬間に極上な味が口い広がる

「うめぇな!酒じゃないか気になったが、こりゃ凄いや」

「ふふ、シンプルだね?でもうれしいよ」

自由人はそのまま風に浴びながら、凡人と会話を続けた

「本音を言うとね?私は今回の事件の全貌を理解できたんだよ、だから君を戦場に向かわせたくなかった」

「・・なんでだ?凡人は使い捨てだろ?」

「そう思うのは君だけだよ、それに僕は君の事が好きなんだ」

凡人も馬鹿ではないので、自由人の言葉が嘘ではないという事を理解できたが・・・がなぜそこまで自分に肩入れをするのかも分からなかった

「凡人、君は自己評価が低いね」

「当たり前だろ?俺なんかはお前らよりも弱いし、使い捨ての部品だぜ」

「私はそう思わない、現に今回の事件の首謀者を仕留めたのは君だ」

「殺したのは暗殺者だが?」

「追い詰めたのは君だよ、それに結果論と言うのなら追い詰めた君は功労者だいうが?」

「必要なのは過程じゃなくて、結果だろ」

凡人が自分の評価を低く見ているだけでなく、今回の結果も自分の力ではないと考えていた、それは根拠がある物ではなく自分が考え着いた事である。

「君は本当に自己評価が低いな、でも私と王は違うよ?評価に必要なのは過程と結果だ、それに君の力は羽衣テンペストとは違いだろ?」

「そうなのか?」

「全く、考えた事は無かったのかい?君の護符の力は表向きは『電力を生産して刀に電気を纏わせる』なんて能力はメンバーの騙しだよ、君の場合はそれ以上なんだから」

「俺のしらん情報が出てきたな」

「王を殴るか」

今にも殴りかかりそうな自由人を何とか止めて、凡人は自分の能力について自由人に改めて聞いた、自由人曰く「羽衣テンペストでも君には能力を完全に付与できなかった、その理由は君には既に能力、護符が発言しているという事」らしい、凡人は自分に護符がある事に気づいておらず、自由人の妄言だと思っていたが

「元凡人の戦いを思い出したまえ、彼も能力を使う時に護符を出さなかっただろ?つまり護符という物は必ずしも発現する物ではないという事だ、彼の場合羽衣テンペストの力で体の中に護符が入る場合もある」

「つまり、護符が発現する場合と発言しないで体に宿る場合があるのか」

「ふふふ、本当に君は頭の回転が速いね、その通りさ!でも君の場合は少し違う、君の場合は護符が護符が体に発現・・いや、君の体が護符と言えるだろうね」

自由人がどこからか取り出したホワイトボードを使い、分かり易く説明をしていた、自由人はそこに三つのパターンを書きだした、凡人が羽衣テンペストを使い護符を宿す場合は「護符が発言して、その護符を使い能力を使う場合」と「護符が発現しなくても、体に吸収されて能力が使える場合」と「そのどちらかでもない場合」と書き出した、凡人の場合は三つ目のパターンなので今後にどのような成長が出るのかは、誰にも分からないらしいのである。

「私から言えるのは、一つだ、君は可能性に満ちているんだよ」

凡人はその場から姿を消した自由人に一言こぼしたである。

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凡人はバルコニーから部屋に戻ると、支配人たちが慌てた様子でこちらに向かってきた、理由を聞くと姿を消した凡人を心配したらしいが凡人は慌てる様子を見せずに三人を落ち着かせる。三人はそれぞれ凡人に言いたい事を言って自分たちの荷物を整えた

「あ、そうだ!凡人、王から君への報酬を話してたよ」

「報酬?でんのか?」

「そりゃでるだろ」

「アンタ・・・処刑機関も一応報酬が出るわよ、いくら闇が深いからと言っても、で報酬の事だけどあんたは五割よ」

「?全体の報酬ってどれくらい?」

凡人は任務に報酬が出る事を知らなかった、それもそのはずである凡人の報酬は給料と言う名目で経営者が口座に振り込んでいるのだが、凡人に渡される給料明細には引かれる合計金額と手元に入る代金しか記入されていない

「そうだね、本来の報酬は500万円だね」

「円なのか?支配人、凡人に合わせてか?」

「そうだよ!ゲーマー、凡人はドルとかにすると計算がめんどくさいって言ってるし、そもそも計算が分からんって言うし」

「言わないでよ」

「お前ら、俺は純粋な日本人だぞ」

なんて言っているが凡人はただ単に計算がめんどくさい、と言う理由をつけていて計算ができないのを隠しているだけである。

「(為替とかの手数料とか、意味が分からん)」

「ん~凡人の事だから計算できないと思うけど」

「やめなさい支配人、開発者と戦車もできないでしょ」

「そりゃそうだ」

「で、凡人の報酬だけど250万のはずだったんだけど、王からの連絡でね一旦機関の拠点に来て欲しいって」

「え、ヤダ」

「だろうね、だからあそこに集合だよ、経営者が所有している屋敷」

凡人はそこまで聞くと、荷物を整理する、しかし凡人の荷物はそんなに無くリュックに入る程度なのでそんなに時間はかからなかった

ーーーーーーーーーー

「では行くか」

「ええ」

「はいはい」

「へーい」

凡人たちは宿を出て経営者の屋敷に向かう為に駅に向かう

「にしても経営者の屋敷か、で?どこにあんの?」

「お前は、経営者の屋敷・・・『光栄邸』っていう所だ」

「聞かないな」

「でしょうね、その屋敷は一般的には公開してないわ」

「ならどうやって?」

「あるでしょ私たち専用の」

処刑機関専用の陸路、「処刑道」

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