処刑機関とは悪夢である
処刑機関とか悪夢である、一人の男はそう思っていた。
「凡人…」
ある事件が起きて、一人の女性が場所に向かっていた。
「あんたは・・・なんでそうなの?」
女性の名は「暗殺者」処刑機関の構成員であり、13人の役の一人である。
「凡人、あんたは本当に‥馬鹿ね、」
暗殺者は凡人の事を良く思ってなかった、彼女は凡人の無能さに悲観して仕事をしていた、暗殺者は彼の事を思い出しながら、ある場所に向かっていた。
「凡人はただの犠牲者だ」
「凡人は生贄だ」
「凡人はただのごみだ」
・・・凡人に対する世間の評価はそんなところだと、暗殺者は思っていた、しかし、凡人はいつもどこかを見るように生きていた。
「凡人…貴方はなんで?」
凡人の事が心配ではあるが、暗殺者にはやる事があった、凡人が行動していた場所になぜあのような大穴があったのか、その答えを探るべく暗殺者はある人物たちがいる場所に向かい、着いたのである。
「ここね、自由人の棲み処」
暗殺者は自由人の棲み処に足を運んでいた、既に他の処刑機関のメンバーはゲーマーと凡人の仕事場に向かっている所だろう、しかし
「暗殺者!お前は自由人の棲み処に迎え、そこにあるはずだ」
王からの命令を聞いて、ここに向かったのだ、自由人の棲み処は一見ただの山に見えるが
「幻術に近いのかしら?上層部にいる護符の力を使ったのかしら?でも気になるわね」
暗殺者は山の中に入っていった、はたから見れば暗殺者が山に消えていったように見えるのだろう・・・しかし暗殺者は茨の道を進んでいた、
「普通のアニメなら、暗い夜道な感じなんだけど、ここは本当に茨が生い茂ってるわね」
暗殺者はその茨を体に触れられずに道を進む、その途中で
「何よ、この泉?」
暗殺者は未知の途中で大きな泉のような場所を見つけた、因みにだが今の暗殺者の格好はクラシカルのメイド服である。
「えっと?ここは木こりの泉だよ!バーカ・・・・なめてんのか!てめぇ!」
暗殺者は立て付けられていた看板を蹴り飛ばして、泉に落とす、なんか出てきたがその生物の首を掴んで聞く
「おい!」
「は、はい?」
「自由人の馬鹿の棲み処は?」
「この茨を超えた・・・先に、ぐふ」
暗殺者は生物(泉の女神)を蹴り飛ばして、茨を超える、するとそこには
「なんで…豪邸があるのよ!」
暗殺者は忘れていたわけでないが、改めて自由人の自由ぶりに頭を抱えた、暗殺者は一応豪邸の中を見たが…そこはただのトラップ屋敷だった。
「ぜぇぜぇ、なんで入口から入ったらトイレになって、窓から入ったらキッチンのシンクで、屋根に上ろうとしたらベッドの上(ご丁寧に絵本やスピーカーがあった)で、窓を壊したら階段で(こちらもちょうど手すりの上)何なのよ!」
さすがの暗殺者も疲労困憊でベッドの部屋に向かった(屋根に上ろうとして)いざ、ベッドで寝ようとしたら
「あら?この絵本…」
ベッドにおいてあった絵本に手を取った、絵本の表紙には「凡人」と書かれていた
「凡人の絵本」
暗殺者は絵本に目を通した、絵本の内容は凡人になった男の物語であった、その人物的に今の凡人のように見えるが、どこか違和感があった。
「凡人は、どこよりも弱かった」
絵本には凡人が犠牲になる話と旅立ちが書かれていた、内容は子供には刺激が強いように思えたが、ある一文を見つけ暗殺者は違和感の正体に気づいた
「凡人は・・・僕の憧れである、これ、自由人が書いた物だろうけど、この視点は」
暗殺者は感じた違和感の正体を突き止めたと同時に部屋の中を調べた、そしてここが自由人の住んでいた場所だと思った、暗殺者自身も自由人が異世界から来た人物だとは聞いていたが、
「凡人は聞いてなかった、そして自由人は人を好きになる事が出来なかったのね、にしても、まさかね」
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暗殺者は王の求めていた物を見つけその場所を後にした、帰りは特に苦労もせずに帰れたが、暗殺者はある人物に電話をした、その人物は今もある場所で凡人の事を願っていた、
「聞こえる・・・自由人」
「・・・・暗殺者、」
電話口から聞こえてきたのは、今にも泣きそうな女性の声であった、その人物は処刑機関の13人の役の一人で男性と思われていた人物…自由人であった。
「泣かないの、凡人は大丈夫よ」
「でも・・・」
「アンタは…好きなんでしょ凡人の事」
「うん」
暗殺者が気づいた違和感とは、「凡人に対する印象であった」暗殺者は電話をしながら、自由人に話した。
「自由人、あんたは異世界からの転生者として、この世界に来た。そして本来なら研究機関に行くはずのアンタを一人の男が守ったのね?」
「うん、そこまで知ってんだね」
「まぁね、失礼だけど、あんたの寝床に行ったから」
暗殺者は自由人の寝床で見つけた日記の内容を思い出していた、自由人は異世界人として国の研究機関に連れ去られそうになり、そこで命を落とすほどの怪我をしたのだが、それを救ったのは今の凡人である。
「凡人は、私を差別せずに治してくれた」
「でしょうね、あの子は好奇心が服着て歩いてるような子だからね、でも」
「うん、凡人の根底にあるのは「そこまで言うなら分かるはずよ!」暗殺者」
「皆焦りすぎよ、特に支配人とゲーマー、なんで私があの子を心配しないと思う?」
「信頼してるから?」
「違うわよ」
暗殺者は空に向かって笑顔でいう
「凡人は最強の護符使いだからよ」
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凡人は沈みゆく意識の中で、あることを考えていた。
仕掛けられていた罠にも気づけず、他の能力も負けている中で、一つの感情だけは残っていた、曰く
「殺す」
殺意である。凡人は明確な殺意が生まれていた、
「殺す殺す殺す殺す」
その感情がついには口にでるようになり、そして
「殺すぞ」
「殺すぞーーーーーくそやろおおおおおおお」
大きな怒号が響いた、周囲にいた機関のメンバーはその場所に向かって行った、一人開発者は驚いていた
「水中は基本的に音が聞こえないんだ、特に今回のように音が出ないようにされている状況だと」
処刑機関の者達がある場所に集まると同時に、瓦礫の一つが突然割れた
「殺すぞおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおl!」
殺意と共に大声で水中から出てきたのは
「どこだぁぁぁぁあぁぁぁ!くそやろぉぉぉぉぉぉぉ!」
殺意が服を着ている状態になった、凡人であった。
「おんどりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
凡人は完全に理性が取れたのか、水中から直ぐに上がり、周囲を走り原因となった人物を探した、その光景に機関のメンバーは驚いて何も言えなくなったが、突如として自由人のスマホから音声が聞こえた。
「凡人?聞こえる」
「ああ?今俺は殺意しかねぇぞ!」
「いいわよ、後あいつは富士山の火口にいるわよ…行くのは難しい」
「じゃああああかしいいいい!こうなりゃ!やけだああああ」
凡人は直ぐに富士山に登ろうとしたが、そこを止めたのは
「待って!凡人」
「うおお!誰だ・・・・いやマジで誰だ!」
走り去ろうとした凡人に抱き着いて止めたのは、凡人曰く「かなりの美人」らしい人であった、その人物は目に涙をためて、凡人を止めていた。
「ほんとにだれ?」
「自由人・・・だよ」
「え、うそだろ?」
「「「「「「「「「いや、まじで」」」」」」」」」(凡人以外の機関のメンバー)
何も来ていない凡人は何も言えないような感じになるが、間髪を入れずにゲーマーと支配人も凡人に抱き着く、二人とも涙を流しているが、その光景に自身がどのような事になったのかを凡人は理解した。
「なんか・・・ごめん」
「「「「「「「「「「「ほんとにな!」」」」」」」」」」」
凡人は、その後に自身に起こった事となぜ全員がここにいるのかという事をあらかた聞いた、そして自由人がどのような存在であるかという事も聞いたのだが
「は?じゃあ、自由人は異世界人なのか?まじで異世界転生?」
「そう・・・だよ・・・」
「なんか、かわいいな?お前」
「ふぇ」
「ごほん、兎に角いいか?」
「いいぞゲーマー」
ゲーマーはこれからの事を話そうとした、凡人は勿論男を倒すといい、富士山の火口に向かおうとしたが、ゲーマーはそれを反対したが
「勿論、お前が勝てないとは思ってない・・・けれどあいつも凡人だぞ」
「知るか!今の俺の頭の中には…あいつに勝つことだけだ」
凡人は意思を曲げずにゲーマーに言う、ゲーマー自身も凡人の意志を曲げることができずに苦難の表情をしたが、そこで支配人がいう
「でも凡人、貴方も知ってるでしょ?あの凡人は貴女よりも強いわよ」
「だからなんだ?俺はまだあいつに・・・負けてねぇ」
凡人は頂上に向かって叫ぶ、周囲の木々も答えるように震え、周りが騒がしくなる。機関のメンバーは凡人の意志は曲げる事はでいないと判断し、凡人が勝てるように動こうとしたが
「凡人・・・」
一人自由人は、凡人が行って欲しくないと思っていた。それでも
「凡人・・頑張って!」
「自由人!」
「お前」
「私も・・・行って欲しくない、けど」
「凡人は行くでしょ?」
自由人は泣きそうな顔をしながらも凡人の為に言葉を紡ぎだした、他のメンバーも電話越しの暗殺者も自由人の言葉の深意に気づいていて、それでも凡人を行かせたいという気持ちが強かったのだ、奇妙な事に周囲の空気も自由人を慰めるように包んでいる感じがした、凡人も本能でそれを感じたのか、自由人の頭に手を置いて安心させるように言葉を与える。
「大丈夫だ、俺は必ず・・・お前たちの元に戻る」
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凡人はゲーマーと支配人と共に開発者の作った機械を持ち、元凡人を討伐する為に火口に向かった、残った機関のメンバーは凡人たちの帰りを待つ為にその場所に残った。
「凡人・・・あいつは本当に処刑機関にいなくていい男だな」
王はその言葉を出すと同時に、空へ叫んだ
「頂点へ!行けええええ!」
王の言葉を受けたように凡人たちは目的地に向かった。その光景を自由人は覚えていた
あの日も同じだった、自由人がこの世界に来て直ぐの時に、自由人は不運が遅い生きる事を諦めていた、けれど
「俺はお前を信じる!」
いつか聞いたその言葉、自身がいた元世界で最後の仲間の言葉とその振り上げた手を覚えていた。
そして今、その光景をもう一度見せてくれたのが凡人であった。
「凡人・・・私は君を信じるよ、君は私の灯だ」
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