凡人と自由人 共同戦線
星が光る夜…人類が恐怖と安楽の二つで包まれる時間帯で夜風が吹き荒れるビルの屋上で一人の人間が人の頭に似た何かをお手玉のように遊んで立っていた、その人間は軍服にも見える服装を着ていて顔は銀色の仮面をしていた、その人間は自由人の役にいる者であった、人間は屋上から下の景色を見ている時刻は午前二時、既にどこも暗くなっている時間帯である
「この時間帯はいい…私が動ける」
自由人はそのままビルからビルへと飛び移る、何かを探しているように
「そろそろか」
自由人はある建物の屋上に立つと電話を掛ける、その相手は
「おい…今何時だと思ってんだ」
凡人であった、自由人は気にせずに会話をする
「いくつかの候補を回ったが…やはり個々の部隊が荒くれ者を探していた」
「話聞けよ」
「そいつらの共通点がある」
「共通点?」
「ああ、どいつも金に困っているという事だ」
「都市型貧困ってやつか?」
「詳しくは知らんが、金もうけの話に釣られたんだろう常識のあるやつでも引っかかる罠だな」
自由人は話しながら懐から地図を取り出す、その地図にはいくつかのバツ印と丸の印があった
「俺が回ったのは全部で35地点でそのうちの23地点が今回のターゲットの所で他の所はただの枠外だ…一応支配人の管轄も調べたがそちらは報告にあった通り14地点が奴らの所だ」
自由人は電話を置きながら地図とは別に白い紙を取り出してそこに文章を書いていく、ゆっくり話しながら、紙には素早く書いていく。
「続けるぞ、奴らが使っている護符のほとんどが人工的に作られた奴でどちらかと言うと補助パーツに近いやつだ、自転車に乗る時に使われる補助輪をイメージしてくれ」
自由人は話しながら紙に書いているのは話している内容で凡人が聞き取れない時の為のメモであった。
「さらに奴らの資金源は基本的に裏稼業であることがうかがえる、密漁や詐欺などで得た金だろうな計にするとかなりの額だがそれでも護符を作るには足らないので三つの当てがあると思われる」
「待て待て「最初に」聞けよ」
自由人は凡人の言葉を無視して新たに近くにある頭から紙を取り出して書く
「最初は金の偽造だが失敗率が高い、次に強盗だがこれは余り集まらない…なので三つ目の事だろう、これは単純に金そのものを護符で作っているのではと思われる、偽造と違って護符で作るならたやすいからな…しかしわからないのが奴らの護符だ」
「‥…俺がわからないのは今現状で起きてることだよ!ってか答えはあんじゃん」
「どこに」
「作ってんのは金じゃなく別の物だよ」
凡人の言葉に自由人は頭を悩ませて頭に手を置いたが凡人は続けた
「作ってるのは宝石だ、それも価値の高く尚且つ市場に出回りづらいな」
「しかし、宝石に詳しいやつがいれば」
「なんで向こうにしてこっちにいないなんて思うんだ?それに確かに宝石だけならそうかもしれないが、貴金属ならどうだ、他にも時計だったりしたらそこらへんにある工場でも作れるし金属買取ならどこにでもあるはずだ」
「なるほど」
自由人は自身が身に着けている物を脱ぐ、夜の風が雲を流して月あかりがその人物を照らす、
「ふふふ、楽しいわ」
漆黒の髪が照らされて、赤い目と黄色い目が彼方の空を見る、その肌は白く…服と相まって静寂を思わせると同時に彼は動き出す狙うわその拠点の一つ
―――――
「今朝未明、廃品回収工場が爆破」
朝になり凡人はコーヒーを飲みながらニュースを見ていた、彼は学生なので制服を着ていて朝食を取り終えたあとである
「(廃品回収か・・・確かにそこは盲点だな)」
凡人はテレビを消して家を出る、外は曇りではあるが別に不快に感じなかった
「・・・廃品回収工場で見つかったのはなんだ?」
彼は歩きながら呟いた、まるでどこかに問うように呟くが勿論答えは返ってこない、いつも通る橋のベンチで川を見る。その川はまるで日常の一枚のような感じになっていて車よりも早く流れていた、その川を見ている彼の表情にはどこか焦りが混ざっていた。
「(まずいな、こんなにニュースになっているとやつらもそう簡単には動かないし何よりも補足が難しくなる)」
「かといって支配人のコネと自由人のやり方ではいづれか完全に手が尽きるか・・・ん?確か自由人の奴はあれが・・・・ならあれで行けるな」
凡人は直ぐに行動を起こしてしまおうとしたが
「だめよ!」
「!!!!!!お前は…誰だっけ」
「私よ!支配人の部下の」
「ああ~下請人か」
下請人…支配人の部下であり彼女の手足となる人物である
「何の用だよ!下請」
「支配人様からの伝言よ、自由人は眠りに入ったと」
「何寝てんだ!あのくそ野郎」
凡人は寝てる自由人に対して怒りを見せるが直ぐに落ち着きを取り戻して下請人にある伝言を頼むように申し出た
「支配人に伝えとけ、灯台下暗し…奴らの目的は多分単純なものだ、それも」
「真実にたどり着いていると」
下請人はその言葉に何かを感じたようなしぐさをしたが、凡人は有無を言わさないような顔をしていたので「わかりました」といい支配人の元に向かう
「(まあの意味を理解できるとは思えないがそれでもいいか、俺は動くか)」
凡人は学校に向かわずにある方向に向かう、
「(学校の反対方向にある小さな山、あそこには確か装飾者がいたはず)」
装飾者…機関構成員の中でもとりわけ異端な存在である直属の上司はいないが王以外の命令を聞くという役割をしている。
凡人は学校とは反対の方向に走っているが時折自身を見る視線に気づいて道を変えていた、立地の都合上住宅街も通り商店街も通り、裏路地も通りも繰り返しているが
「おかしいな、県の坂と呼ばれる大きな坂に行こうとすると視線が強くなる」
「(あの坂は見晴らしが良いが狙いにくいのか?でもそれ)」
その瞬間に凡人の目の前にある物体が通り過ぎた
「なんだ?(音はしなかった、けれで視線は感じた…銃撃)」
凡人はあらゆることを考えたが、すぐに答えは出た
『よう…凡人』
凡人は声が聞こえ周囲を見渡すが、どこにも変化がなかった
「(変化なし…いやそれが妙だな)」
『どうやらいくつかの答えを知ってるな…ひゅう~う』
またすぐに凡人の目の前に銃弾が降ってくる、一発の弾丸だがコンクリートの地面にめり込んでいる…その瞬間に凡人は開発者の言葉を思い出した
「…確か開発者はある護符の事を知っていたな、確か
『くくく、やはり知っていたか…流石だな処刑機関唯一の一般人、まぁお前の事もウチのボスは警戒してたが』
凡人はある声がどこからするのかさっきまで分からなかったが、答えは出ていた
「暗殺者が言っていた、カーブミラーは一番警戒されないと」
凡人はカーブミラーに指をさす
「お前はカーブミラーに超小型の通話機をつけていたな」
『ピーンポーン、そうこれが俺たちの組織の失敗作だよ』
凡人はそこから動かないようにしていたが、カーブミラーの近くまでいくここは坂の近くの住宅街だが凡人はそれこそが罠だと理解した
「この住宅街は一見普通のように見えるが、実話一つ違う所がある」
『流石だな…俺たちはこの地域に知識がなかったがそれがあだになったか、いつから気づいた?』
「最初の違和感だ、俺が橋を出た直後違和感が出てきた…カーブミラーがあった事だ」
『通常の道ならカーブミラーに対して違和感が出てこないが』
「この街にはカーブミラーが極端に少ないんだ、俺がいつも通り学校に行ったら気づかないが」
『俺たちがお前を狙わないとよかったか…まぁ」
凡人はある物をカバンから取り出して同意する
「ああ…始めよう」
『「ぶっ潰す」』
凡人は敵を倒す事を決意したのだった
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