凡人・教育者・経営者 処刑機関の仕事

「ここは…」

教育者が案内された建物の中には一台のプロジェクターとそれを移すスクリーンそして

「平均台?」

「そうだ、ここは俺が王に連れてこられた場所を参考に作った特注の指導場だ」

入口から入った凡人と経営者はなぜかプロジェクターにいた

「何を?」

「今から見せるのは機関員になるための最後の映像だ、この映像を見た後に一つ質問をする…どんな答えでもお前は処刑機関の教育者になるが」

「‥‥覚悟を決めろよ、それが答えになる」

そう言って凡人は映像を流す、その映像は初めて凡人が教育者にあった日の事であった



映像 記録日付 4月4日


「どこだよここ!」

凡人は南の国の近くにある無人島にいた

「たくっ…教育者ってのは仙人か何かか?」

凡人はその若さからまだ油断などが目立つので王から無人島にいる教育者に会いに行くように言われたのである

「中学生を何に使ってんだよ!まぁねなんとか機関の構成員?のうち教育者ってのがいないのは分かるが…一年にどこ歩かせてんだよ」

勿論安全の保障は無く、勘と勢いとちょっとの度胸で凡人は歩いている、中学一年生を半年続けた凡人は既に大人の仲間入りをしている為大丈夫であろうと王は思い派遣した、しかし日本の中学生…しかも普通の凡人にはこの派遣が荷が重かったのである

「…飽きた」

凡人は非常に飽きやすい性格であった

「あんたが凡人かい?」


映像終了


「え、」

教育者は見せられた映像が唐突に終わったことで衝撃を覚えたが凡人はそれを無視して質問をした

「…答えろ、お前はどうする?」

「…」

教育者は最初質問の意味が分からず声が出そうになるが

「!」

とっさに口をふさぐ、勿論それは教育者ゆえんの物であった

「防いだか、俺はできないと思ったが…その行動は正解だ「ふぇ」とか「はぁ」とかも答えになるからな、因みに質問の意味は答えない」

教育者は頭を働かせた、一体どのような答えが必要か

「(分かったが、果たしてこれは私の答えか?)」

教育者の中でいくつもの疑問が目まぐるしく回る、しかし教育者の答えは

「私は…自分で動くだ」

その答えに凡人と経営者は目を見開いた、

「処刑機関で…か」

「今回の指導は教育者ゆえにだろ」

「そこまで気づいていたんですか」

「当然だろ経営者、私は教育者だ、」

その答えに満足した凡人は三人で施設を出る事にした、もう一つの方は必要ないと現場で判断した為である。

「(処刑機関の役は基本的に世界平和の為にある犠牲だが、こいつは驚いた!王も前任者もかなりの逸材を探し出したな)」

三人は建物を後にして教育者の住居へと足を運ぶことにした、途中で夕飯の材料を買うためにスーパーによったりなどもして

「…教育者は珍しいタイプだな」

「そうなのか経営者?」

「!私ですか…まぁそうですね、私みたいな後方担当は基本的にしたの者を動かします、騎士のような人も自分では動かずに凡人を使いますし」

「俺自身も勝手に動いた方が楽だし…何よりも小間使いの方が多いからな」

教育者は処刑機関の現状がかなりやばいという事に驚きを感じていた、先代の教育者曰く「凡人が一番機関の中で働き者さ、あの子に変わる子はいくらでもいるけどね…私たちにとってはあの子が一番なのさ」

「(凡人と言う存在がいるという事で仕事が回ると考えるべきなのか、それとも凡人に頼り切っているのか…真相は分からないな私自身も凡人に頼ってしまっている事があるし)」

先の事件でも王は暗殺者に頼るように処刑機関の構成員は誰かに頼っている、しかし凡人だけはそれをしない

「…君は、なぜ頼らない?」

凡人は少し考えた末に答えを出す

「強いて言うなら・・・・あいつら(経営者以外で特に暗殺者)に貸しを作るのはごめんだ俺は自分で稼いで自分の為に使いたいからな」

凡人の答えを聞いた教育者は凡人がどういう人間なのかをひそかに悟った、同じく聞いていた経営者は「お前の場合は自分の仕事をやる時間ないもんな」と思い凡人に甘いお菓子を作った(余談だがお菓子を食べた凡人は涙を流した)



「よし、勉強するぞ」

教育者の家について直ぐに凡人は勉強会を始めようとしていた

「なぜだ?」

「教育者の為だ!処刑機関の事をちゃんと知らないだろ」

「まぁな」

凡人はどこからともなくホワイトボードを取り出して議題を書く

「と言うわけで今回は処刑機関についてだ」

経営者はそこからアジェンダと書いていく

「この「項目でやっていくぞ」経営者…まず初めに機関の概要だ

機関の概要と書かれた所を指さす凡人

「処刑機関と言うのは世界情勢のひっ迫から組織された物だな(経営者の資料を見て)」

教育者も資料を見ていく

「世界での問題は大なり小なり多くなっていく半面で人々の安心という物も増えていくんだが、人が生きている限り解決できない問題が出てくる」

「犯罪か?」

「教育者君…減点だ、犯罪の中でも多くの人が解決しようとするがここでの問題は、平穏だ」

「平穏?」

「ああ、人類皆が求めているのは…平穏、争いのない世界だ最も望んでない奴もいるがな」

教育者は手元にある資料に目を通しながら凡人の話を聞く、その多くは処刑機関と関係ない話であったが

「…処刑機関ができたのは今から数年前の四月だ…ある島に世界各国から精鋭が集められた」

凡人は処刑機関の構成員などに話が移り、教育者もそちらに耳を傾ける、教育者も処刑機関の一員なので機関の事は知っているが一つ分からない事があった

「機関の構成員…私達役の事か」

「教育者、その言い方は間違っている、経営者!」

経営者はホワイトボートに名称を書き声を放つ

「13人の役、サーティーン・スートと言うんだ、そしてそれぞれ役の意味を持つ言葉がアフィティリアと言う」

機関の構成員 13人の役(サーティーン・スート)それぞれの役(アフィティリア)処刑機関の者達はそのように言われている

「例えば私は教育者の役(アフィティリア)と言うように言い、私たちと同じ役(アフィティリア)を13人の役(サーティーン・スート)みたいな感じだ」

「…13人の役の、構成は?私は一度全員とあっているが誰がどれかわからないぞ」

二人は顔を見合わせた後にスマホで確認した後に声をそろえて

「「何やってんだよバカ王は!!」」

王の役割を知っている二人は直ぐに通話アプリで王に苦情を送りまくった(余談だが王は本当に忘れていて教育者以外に怒られた)

「…あとであいつはボコす(小声)まぁ説明すると、まず凡人の俺と経営者の瑞奈だな」

凡人…機関の末端構成員で他の役の雑用な機関の雑務を担当する

経営者…機関の金銭管理、金が絡むことは全て彼女が担当する

「王は本当に(小声)私からも説明します、暗殺者と開発者もいますね」

「そいえばいたな、開発者」

「お前は…」

暗殺者…殺し屋裏方担当のメイド

開発者…主に機会を駆使した道具を作る、技術担当

「それとお前自身と騎士か」

「戦車を忘れるな」

教育者…世界各国の情勢やその世界の言語を担当

騎士…機関の防衛担当で戦闘力がある

戦車…主に戦闘や悪性組織の壊滅担当

「後誰だ?」

「僧侶と支配人もいるな」

僧侶…医療に関するスペシャリストで国内外最大の医療施設のトップ

支配人…処刑機関の本拠地の支配人にして各世界政府の窓口

「で?創造者とゲーマに」

「くそ王だな」

創造者…開発者とは別の分野の物づくりの達人

ゲーマー…ゲーム大好き人間であり情報分野の首席

王…もと軍隊総隊長にして処刑機関の総督

「あと一人いるんだが」

「やめとこう凡人、彼女は説明しても意味がない」

「あの男は自由すぎるからな」

教育者はその説明で疑問を持った

「男?女性ではないのか?」

「ああ、あいつに性別は無意味だ」

「なんせ本人でさえ自分の性別を全て把握してないからな」

その後も凡人と経営者による処刑機関の勉強は続くのであった



三人が勉強をしている部屋があるマンションの前に二つの人影がある一つは暗殺者でもう一つは

「はははは、あいつ僕の事話してる!よっぽど僕が好きなんだね」

「違うよ…私の事…好き」

暗殺者は目の前にいる人物を再度見る、教育者が日本に派遣されると同時に日本に来た処刑機関の構成員にして先ほど紹介していない人物

「凡人も物好きだよね~暗殺者!」

「ほんとにね…あんたを紹介しないのは賢明よ自由人」

月明かりに照らされた人物は顔が一つの人間であったが異質なのはその手元と足元にあった、複数の頭がありそこから声が聞こえると何かを言いたそうに肩が動く

「でもでも暗殺者のおねいちゃん!凡人は本当にわざとかな」

「だーよーねーあいつつ」

そこまで言うと中心の人物の肩から現れたものが頭を全てつぶす

『やはり、この個体ではまだ知力不足か』

「なんでその個体で来たのよ?」

「ふむ、説明が難しいな」

肩からまた人型が出てくると、最初の人型を握りつぶす。

「私は…照れ屋かもしれん」

月が照らしたのは夜でもはっきりと見える長髪の白髪に肩を出してるブラウス、ロングのスカート一見すると女性だがその体格は男のようにも感じた

「恋人である凡人には素顔を見せられねぇよ」

男と女、二つの存在を持つ人型…処刑機関の役、自由人であった

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