暗殺者帰還、凡人の日常

「以上が今回の報告になります」

暗殺者は屋敷の一室にいる人物に報告を言う、その人物は貴族のような恰好をしている老人である。

「報告ご苦労、日本の上層部も今回の事については重く受け止めているらしい」

「そ、それならいいわ!でも王」

「なんだ?」

「今回の事件はやっぱり凡人の功績が大きいわ、あの不正使用者はかなり人を殺す準備をしていたみたいだし」

「…任務中に凡人だけが件の者の気配を察知し、作戦中に悔い改めるように言ったそうだな…不正の者は厚顔無恥の者がほとんどだというのに」

王と呼ばれた老人は立ち上がり窓の外を見つめる、老人は六十とは思えないほどの肉体と風格をしていて目線だけで人を殺せるような人物であった

「我々のような精鋭と呼ばれる者の中にもいるが凡人は無知蒙昧のようだと言われていたが」

「…我らしか知らんのだよ、凡人という本当の天才を力を」

王は結成当時の事を思い出していた、処刑機関の結成当時は凡人はまだ中学せいであったが、その神経だけは人一倍なので機関の構成員全員が軽く引いていた…勿論王も

「あの小僧はある意味で天才なのだ」




暗殺者が報告する数日前

「じゃあ、お前が帰国するのは三日後か」

「ええ、お世話になったわ」

「ほんとにね」

暗殺者は凡人の家の近くのマンションで生活していた(日本のスーパーをあまり利用しないので凡人が買ってきた)経営者が提供したマンションはかなりいい所で暗殺者はいい気分なのであった。

「で、俺を呼んだ理由はなんだ?」

「暇だから」

「お前は」

暗殺者の暇つぶしに呼ばれた凡人は諦めて暗殺者のいう事と聞くことにした

「じゃあ、朝ごはんよろしく」

「自分で作れや!」

凡人は諦めて朝食を作ることにした

「はぁ、簡単な物に「パンがいい!」ヘイ…」

凡人は無駄口を叩こうとしたが暗殺者がナイフの手入れをしているのでやめた(以前、手入れ中に悪態を付こうとしたら飛んできた)トースターのパンを入れ適当な材料でスープを作る、その間にパンが焼けるのでバターを塗ってさらに盛る、スープも適当なさらに入れて暗殺者の元に持っていくが

「!!服着ろ痴女」

「え?」

暗殺者は下着姿な人になっていた

「服着ろ!」

「えー着替え中だし、見る?」

「(手で眼を隠しながら、片手に食事を持っている)お前は本当に俺らの前がと常識が欠落するな」

「自分の体に自身があるからよ」

凡人は直ぐに食事を置いて隣の部屋に逃げる、暗殺者は元来メイドとしての才能と暗殺の技術が高いがこのような醜態もあるため処刑機関の構成員はたまに悲鳴を上げている(凡人も女性に興味が無いわけではないが、そこは凡人なので基本ヘタレ)

「着替えたし、食事も終わったわよ」

「はえぇぇな!」

凡人は部屋を出て食器の片づけをする、その間に暗殺者は王に報告する手紙を書く

「相変わらず、外国語は分からんな」

「あんた英語の点数いくつ?」

「最高50だが?」

「…単語頑張ったのね」

暗殺者は凡人の頭を哀れみ報告書を進めた、途中で凡人に協力を仰ぎ書き進めたのだが

「ねぇ、そういえば経営者は?」

「開発者の所だ、なんでも今回の機械で気になる所があるんだと」

「気になる所?」

凡人が聞いた話では痕跡を探る際に変な音がしたらしい

「モスキート音の事かしら?」

「何でも「電子レンジの音」らしい」

「開発者の頭大丈夫?病院に連れてく?」

「僧侶曰く、機関の構成員は凡人以外はダメらしい」

そこまで聞くと涙を流した

「アンタ…強く生きるのよ」

「お前らだわ!」

凡人と暗殺者は諸々の準備を終えて手紙を出すために郵便局に向かうが

「出した後暇だしどっか行きましょう」

「俺の学校が」

という事で直ぐに手紙をだし街へ出かけた二人なのだが

「日本の物って結構丁寧よね」

「そうか?」

「ええ、私の…ていうか元々いた国はこんな感じの物はなかったは、輸入が当たり前だし」

「…絶滅した王国か」

凡人は暗殺者の出身した国について学校で習っていた、陽哉として生まれる前に自然災害で滅びた国であり、生き残りは既に

「暗殺者、グレナーデ一人か」

「ええ、今思うと処刑機関に選ばれたときうれしくもあったわ」

「処刑機関の者は世界政府に対して命令権を持てることについてか?」

「それもあるけど、私の気分次第で色んな人間を始末できることにね…でも私はしなかった」

暗殺者はぽつぽつ話ながら店から公園に向かう、そこで話されたのは暗殺者としての締めとグレナーデとしての苦悩の日々であり、常に挟まれた気持ちで行われる毎日であったということ

「はぁ、今じゃ世界の為に戦うなんてね」

「皮肉か?」

「諦めよ、私は…私が殺すのは機関の命による者」

「世界の不要分子よ」

暗殺者は公園の芝生に寝転がり空を見上げる、雲が流れるように映る空はどこか悲しそうな暗殺者を移すようだった

「こうして仕事の後に思うのは…私が殺した人間は私以上の願いと意志があるのではないかと」

「…それで理由付けて俺と誘ったと随分とでかい願いだな」

「悪い?凡人」

「知らん…俺は殺せないし戦えない、あの時もただ理性を消すしかできないんだよ」

「俺は…凡人だ」

暗殺者は凡人の横顔を見て何かを察したのか上体を上げて言う

「ねぇ、おなかすいたからどこかで食べない」

「どうせ俺の金だろ…わかったよ、学校の近くだがうまい飯屋があるんだ、そこでいいか」

「ええ、」

暗殺者と凡人はそうして食事ができるところまで向かう、途中で教育者から電話が来て何かと思ったら「凡人の経費について」なのですぐに切り、食事処まで向かう




「ここ?」

「ああ、よく行く食事処だ」

「へぇ」

暗殺者は凡人の先導で中に入る、かなり綺麗で値段も手ごろなのが多く財布にも優しく

「ここは機関の手が入ってる」

処刑機関の息が付いてる所で機関の話し合いもしやすい場所である

「へぇ…あんたと経営者ちゃんがここで密会?」

「まぁな、おすすめはチキン南蛮だ」

「じゃあそれで」

暗殺者はチキン南蛮定食を凡人はがっつり焼肉定食を待っていると

「ここにいたか!陽哉!」

「けいえ、瑞奈会長!なんで」

「今日お前が学校に来てないからな、グレナーデさんと一緒だったか…あ、みそ焼き定食」

「頼むのか、」

瑞奈はグレナーデの横に座り食事を待ちながら学校での話題を話す、その話題でひときわ大きいのが

「例の不正使用者の事だ、学校では彼も不正の者に殺されたと噂になっている」

「彼が不正でなく、彼も不正に殺されたと…随分なデマね」

「仕方ないのでしょう、処刑機関なんて実際目を「ウース、カツ煮定食」まずい」

瑞奈が話を瞬時に止めると同時に入ってきたのは、陽哉のクラスメイトである劉輝であった、彼は陽哉を見つけると二人に断りを入れて陽哉の隣にすわる(テーブル席なので合コンのような形になっている)

「なんだよ、学校来ずにデートか?このモテ男!」

「茶化すな」

頼んでいた食事と到着と同時にお互いの自己紹介をする

「ははは、陽哉君のお友達さんって面白いですね」

「そんなことないですよ、まさか陽哉のバイト先の店長さんなんて驚きです」

「うふふ、今日はお店がお休みなんです」

陽哉は食事をしながらグレナーデ達の会話に驚きを見せる、

「(うそだろ、暗殺者ってそんなに高い声…いや経営者もしてたな)」

団らんも一息つき全員で店を出た後で陽哉は劉輝に授業のノートを借りて、別の場所に向かう

「じゃーなー、お三人」

「ああ、」

暗殺者と凡人と経営者はその足で近くのゲームセンターやカラオケなどにより時間をつぶした、帰路に付くころには時刻は八時になっていた

「今日はここで」

「ええ、じゃあね経営者ちゃん」

「はい、明日は学校に来いよ!凡人」

「へいへい」

経営者を見送り、凡人と暗殺者は拠点に向かうのであった










報告書 

暗殺者から王へ定時連絡

本日未明に護符「追憶の記憶」の記録を確認、これにより教育者の出動を願う

凡人、経営者共に学業に支障なし、引き続き放たれたし

暗殺者から処刑機関へ今回の不正護符を受け、本格的に教育者の指導が必要である、したがって凡人にその役を任せるべきである。


追伸

凡人の護符に変化在り、騎士と戦車の協力が必要である

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