「役」暗殺者
埼玉県某所、駅前のカフェ
「美味しいわね、これ」
「確かにおいしいです」
「(泣きながら財布の中身を見ている)」
機関からの任務で埼玉県に来ていた、処刑機関の凡人と経営者は駅で暗殺者との合流後に任務の再確認の為に近くのカフェに来ていたのだが
「まさか、凡人がお金出してくれるなんてね(とてもいい笑顔)」
「ええ、(少し同情する目)」
「畜生、このメイドコスが(泣いている)」
暗殺者であるグレナーデはどこかの宮殿のメイドの業務をしている片腹で役をしている、その為ストレスや疲れがある時はこうして凡人から巻き上げている
「メンテにお金使うからありがたいわ」
「(どの口で言ってやがる、何が髪をワインレッドにしたいわとか、メイドの服が欲しいのだ!ほとんど俺の金じゃねぇか)」
因みに今の暗殺者の恰好は春をイメージした服装で自慢のワインレッドの髪をローポニにしている、本来なら趣味のメイド服を着ているのだ一目を気にしたので凡人が買った(コーデは経営者した、凡人は普段からお金を使わないので何とかなった)
「あんたを心配して安物にしたのよ」
「どこが?服って五千円くらいでいいんじゃないの?」
「……経営者、後でこいつ〆るわ」
「どうぞ」
三人はカフェを出て件の人物を探す
「藤実だっけ?不正の護符使いはどこにいるのよ」
「知らんわ、てかなにこの荷物?」
凡人たちは近くの公園から攻めていき情報を集めていたのだが
「それ?銃とか黒鍵?」
「流石だな暗殺者」
「経営者さん?最後に疑問形になったことに気づいて!あとなんでこんなに重いの!」
「甘い物食べたいな~」
「聞けよ「おじさん、クレープ一つ」おい!「私も」俺の意見は!?」
凡人の意見を聞き入れられず凡人の財布でクレープが買われたのだった(お会計は四桁になっていた)
「…妙ね」
「何が(涙目)」
「この公園って人がいないの?」
暗殺者は公園中の人気に目をつけていた、陽哉たちがいるという事は少なくとも放課後になっているだけでなく小さな子供ならいるはずなのだが
「確かに人気が無いな」
「ええ、しかも」
「血の跡?」
瑞奈は公園の遊具に目を向けてその後を見つける、一般的な遊具ではあるが少し長い滑り台があるのだが、
「滑り台の最後の所に血痕?」
「それだけじゃないわ、経営者!」
「はい」
経営者は手元のバッグからライトのようなものを取り出す
「なんそれ?」
「凡人…君のバッグにも「あ、壊したから奪ったんだった」何してるんですか!?」
経営者が取り出したライトは開発者が作った特殊道具の一つである
「開発者が作ったんだ、血痕の近くに証拠が在ったら教えてくれるんだと」
「因みにあんたのは修理に出したわよ」
「壊したのてめぇだろ!暗殺「見つけました!」経営者!」
経営者の見つけた物は
「傷跡だ?こんなの」
「凡人、あんたこのライト使った事ある?」
「生憎と暗殺者が壊したから使った事は無い」
「どこの暗殺者よ」
「お前だ!」
暗殺者は凡人のいう事を無視して考察を始める
「この傷跡は通常ができないわね」
「そうなんですか?」
「経営者ちゃんも覚えていきなさい、この傷跡は通常の靴やナイフでも無理よだって」
暗殺者は指をさした、その方向は傷後だが
「黒い?」
「焦げだろ」
「そうよ、凡人…これは焦げ、しかも高温のね」
「わかるのか」
「私もよく使うからね、でも素人ね」
「そうなん」
暗殺者は焦げの後から更に考察を話していく、曰く本当の暗殺者や殺し屋は今回のように後を残さない事や場所を傷つけないらしい、しかも
「この遊具の素材だと、傷がつくのは早くても10年…いえ、五年分の遊びをしないと無理よ」
暗殺者の推理はそのから更にスピードを上げていく、殺した時間や方法なども推理していく
「これから求めらる答えは…凡人!」
「知るか!」
「今回の容疑者は素人か玄人よ」
「さっきプロは後を残さないと」
「いえ、経営者ちゃん…それはあくまで殺しの天才よ、快楽殺人とか別に殺しを生業としている者達の中には今回のようにあえて痕跡を残す場合があるのよ」
「けどよ暗殺者、なんで玄人はこんな事をするんだ」
凡人のわからない事がある、それは子供の遊んだ後のように見えることである。
「なるほどね、確かに調べたら子供の遊んだ後のように見えるわ、警察もまさか殺人とは思わないでしょうに」
「だからこそ玄人は使うのか?」
「ええ、なぜならここが公園だからよ」
暗殺者はそこから自身で導きだした答えを言っていった、警察の中には目の良い者もいるため傷を見て焦げてるのは分かるがある一つの答えが導きだせない事、更に公園なら監視カメラでもないと誰が来たか話からないが、変装すればそれも問題にならない
「暗殺者、一つの答えと「決まってんだろ」凡人」
「なら、凡人答えをどうぞ」
「…これはそもそも傷じゃないんだよ」
暗殺者の推理を聞いて出した答えが「傷ではなく溶けている」という事である
「正解、これは溶けてしまっているの…恐らくこの遊具の溶けるがどうかのぎりぎり、もしくはかなり高温の糸のようなものを使ったはずよ…出なければこんな小さいわけないし、そもそも溶けないもの」
暗殺者の元々の職業に凡人は疑問を持ったが次の疑問が生まれることになった
「この痕跡が護符によるものだとしたら」
「ああ、なぜこの痕跡があるのかという事だが…暗殺者でもわかりませんか」
「流石にね、私の役割は暗殺者で探偵じゃないもの!こういう時に彼がいてくれたらね」
「毎度思うが、戦車ってどんな役割だよ」
「今回のような痕跡から真実を探り戦闘を行う役割ね、ていうかこれが本当に護符による物かは」
「間違いはありません、開発者の道具でこれが護符によるものと判明しました」
「じゃあ、これは不正護符所有者による物ね…で凡人」
「なんだよ」
「あんたの疑問は何?」
暗殺者は凡人が抱いている疑問と経営者が持った疑問が別であることを見逃さなかった、勿論
「私と同じ疑問だけど」
「流石は暗殺者だな、これが護符によるものとして問題はこれによる被害だな」
「明確にどうぞ」
「護符の中に種類があるのは分かるな、暗殺者が出した答えだと必ずいるんだよ」
「「護符によっての被害(だ、ね)」」
凡人は今回の痕跡からこの被害について考えていた、暗殺者のいう通りこれが道具と護符によるものだとしたらこれが意味する物…それは
「護符の不正使用による、人的被害」
そこまで聞くと経営者も顔を青ざめる、普段は経営者として裏方にいる彼女だが今回のように表に出た場合の大半は
「殺人…」
「可能性としてはね、凡人は大丈夫?」
「生憎とあんたらが凡人だからって色んな所に連れてくもんで結構大丈夫だよ」
「あら以外?」
「どの口が言ってんだよ!日本の寿司が気になるから回転ずしに連れてけとか!夢の国に行きたいからチケット取れとか!映画館の貸し切りしろとか!全部お前だろ」
「酷い人ね」
「あんたがな!」
凡人はその役のせいでよく経営者以外の人物に連れまわされている(物は良いようだが)暗殺者には雑用から重要業務まで、開発者からは実験の材料に王からは
「屋敷の掃除とか買い物とか…可笑しいだろ唯一僧侶だけだぞ!ちゃんと理由を言うのは!」
「あんたね…諦めなさい」
「理不尽!」
凡人はその後も暗殺者の指示により様々な事をさせられたのだった
「大体わかったわ!」
「ほう?それは俺を川に流す必要があったか?」
凡人は暗殺者の命令で川底まで潜ったので服がずぶぬれである、経営者が代えの服を用意してくれたがまだ夏ではないのでかなり寒いので
「はっくしゅん!くっそ、さみぃ」
「今日は暖かくして寝なさいよ」
「どの口が言うんだよ」
流石に凡人が風を引くとまずいのか、三人は銭湯に向かい体を温めようと向かった、そして
「…危なかった…可愛かったかな~」
「ようやく僕も、本当の」
一人の男がこちらをみていた
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