第2話 マツユキソウ
「はあ…」
あの後消防が来て消火活動が迅速に行われた。
俺が住んでいた二階建て六部屋のアパートは空しくも全焼。
その後も色々あり、時間が深夜に…
昨日、大家さんがホテルを取ってくれて何とかなったが、早く家を探さないと…
「なあ、藜」
「海音か…どうした?」
「家、大丈夫だったか?良けりゃ俺も家探し手伝うぞ?」
やっぱこいつ、友達でよかった。
ま、こいつと梅雨しかいないけど。
「ありがと。頼らせてもらうぜ、相棒(・・)」
「おうよ。任せとけ!」
そんな話をしていると、担任が丁度来てHRが始まった。
ちなみに寝ていて何も聞いてないが何とかなるだろう。
…………そう思っていた時期が僕にもありました。
「HRの話は聞いとけってよく言ってるだろ?」
「はい。すみません」
朝のHRで昼休みに呼ばれていたみたいで、お客を待たせているそうな。
…だからって校内放送で呼び出さなくても…
「いいからさっさと行ってやれ」
「うっす」
そう言って職員室を出て少し離れた会議室へ向かう。
ドアを開けてそこにいたのは、
「皐月さんに…梅雨?」
「遅かったですね、先輩?」
「あら、藜くん。少し遅かったわね」
昨日遊んだ後輩、茅野(かやの)梅雨(つゆ)と女神のようなほほ笑みでこちらに話しか
ける、彼女の母、
茅野(かやの)皐月(さつき)だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます