第31話 アクロバット対決

「じゃあまず簡単な前転、後転とかからやっていこうか」


「そうだな」


 俺はルディ殿下がやったのを真似してやっていく。


 前転、後転、しんしつ前転、しんしつ後転、倒立前転、後転倒立、転回、バク転、前宙、スワン、ハーフ、ひねり、宙返り、ロンダートバク転、ロンダートバク転宙返り、ロンダートバク転からのスワン、ロンダートバク転ハーフなどなど色々なものをやっていく。


 前転は前に回るだけ。後転は後ろに回るだけ。しんしつ前転、しんしつ後転は膝を伸ばして前転、後転をするだけ、倒立前転は倒立してから前転、後転倒立は後転をやって倒立をする技。転回は倒立ブリッジを早くやった感じ、バク転は知ってる人多いよね。全中は空中で1回まわる技。このくらいならできる人結構いるよね。スワンは足を伸ばして全中をする。ハーフはスワンの中に入れる感じ、スワンで足が上がってきて、下が見えたらひねるみたいな?これはひねるの遅くても大丈夫。捻りきれるから。ひねりは全中したら一回捻ったり、1回半捻ったり、2回捻ったりする技。ハーフもひねりと同じ分類。1回半ひねりくらいから下が見えてからひねるんじゃ捻りきれなくなる。これには個人差があって、1回からしたが見えたところからだと捻り切れない人もいる。まあ、筋肉量と技術による。


 俺は1回半から捻りきれなくなった。


 宙返りは空中で一回まわる技。ロンダートバク転は見たことある人いるんじゃない?ロンダートバク転スワンはロンダートバク転して足を伸ばした宙返り。


 宙返りって顎を上げると危ないらしいよ。ちなみに顎を上げるってのは回ってる最中に上を向いちゃうことだって。あと、肩を倒さないこと、これは顎があがっちゃう原因だから危ない。回そう回そうと思ってやらなければ大丈夫!


 ロンダートバク転ハーフは、ロンダートバク転からの半分捻り。ちゃんと体を締めて棒みたいにしてやってね。そうしないと頭から落ちるよ。


 ロンダートバク転ひねりは1回、1回半、2回って捻ってく技。ハーフもひねりの仲間だよ。


 俺、2回まで捻れたんだよ。すごいでしょ?


「くっそ、やるな。俺もうこれ以上高度なのできない」


 殿下の一人称が俺になってる!


「俺、もっとやってみたい。やっていいですか」


「俺もやる」


 負けず嫌いな殿下ですもんね。


 俺はどんどんやっていく。いろんな技があって、それはとても楽しかった。


 次はダブル、2回宙返りだね。これもきつかったけど、できた。


 そろそろできなそうなので、タントラ(タングリングトランポリン)というものでやる。次やってみたのはサルト(ムーンサルト)2回宙返りの一回捻り、ここら辺からは体の使い方がちゃんとできてないと頭から落っこちて死ぬらしい。


 ちゃんと真っ直ぐ蹴って引き上げる、そこからなるべく高さを落とさないように回ってしっかり床を見る。これが基本!


「殿下そろそろ時間が……」


「そうだな、着替えて戻るか」


「そうしましょう」


 俺は今日初めて体操というものをやった。なんか楽しかったな〜


「待て、今は四時、パーティーが終わるのは8時、父上から許可はいただいているのだろう。私の世話をする」


「ま、まあ」


「じゃあ、最後にこれに付き合ってくれんか?」


 そうして指差したのは鉄棒。


「やってもいいんですか?」


「というかやってくれ。俺の子守りだ。言い訳は俺が駄々をこねたでいいではないか」


「それは流石にですね。と言うことなので責任は俺に」


「そこまで言うなら説教の肩代わりよろしく頼むぞ」


「はい、お任せください。説教は10分で終わりにします」


「そうしてくれ。無事を祈るぞ」


 俺たちはまた競技を始めた。


まずは逆上がり、これは簡単!次はけんすい逆上がり、これもへーき。次は一気にレベルを上げて蹴上がり、これはむずかった。だから力ゴリ押しで、スイングはただブラブラするだけ、車輪は抜きとあふりを意識してやったら回った。逆車(逆車輪)はもうテキトーに頑張った。車輪の逆だと思ってやったらできた。


 ツイスト(移行)これはむずかった。結局できずに頭から落ちてばっかりだった。したがピット(スポンジプール)だったからいいものの俺にはちょっと難しかった。


 こんな感じで時間を過ごし、気づいたら6時。


 この後戻った俺たちは2人で使用人に説教された。

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